大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果③

2011年1月31日 月曜日

大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果①
大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果②

に続くエントリーです。2011年1月21日に新聞発表された、「大阪府 第2回進路希望調査結果」に関して詳しくお伝えしているシリーズです。これまでの2回のエントリーでは私立高の状況についてご紹介してまいりましたが、今回から2回は公立高前期の志願動向についてご紹介します。

今回は、公立高前期選抜の志願動向の大きな流れを掴むため、昨年・一昨年のデータと比較しながらコースごとの倍率をご紹介したいと思います。

コースごとの倍率は以下のようになっています。

公立高前期 コース別倍率

黄色くなっている部分が先ごろ新聞で発表になった第2回進路希望調査時点の倍率です。一番右端にある「増減」は昨年同時期調査時点の倍率から今年の調査時点の倍率がどれほど増えた・減ったのかを示しています。

注目されている文理学科の倍率ですが、現時点では10校の定員合計1600名に対して2.75倍の希望者が集まっている、という状態です。これは予想の範囲内の倍率だと思われますが、各校の倍率を見ると意外な動きが見て取れます。・・・それはまた次回のエントリーで詳しくご紹介します。

文理学科の出現により、これまで前期選抜で人気を集めていた総合科学や国際文化といった系統が志望者を減らすのではないか、と思われていましたが、今回の調査時点では昨年よりも人気となっていることがわかります。特に、千里高は総合科学・国際文化ともに大きく倍率を上げています。こちらも、詳しい数字については次回のエントリーでご紹介します。

同じく、文理学科の出現によって大手前高と天王寺高の理数科が廃止になり、残るのは東高と大阪市立高の2校ということになります。大手前高と天王寺高の例年の高倍率が大きく影響していたこともあり、今年の理数科全体の倍率が大きく下がっています。

次回のエントリーでは、いよいよ公立高前期選抜 主要校の倍率をご紹介します。

国公立大 2次出願に向けて ~系統別人気動向~

2011年1月28日 金曜日

1月15・16日に行われた大学入試センター試験の自己採点結果も返却され、受験生の皆さんはいろいろと考えを巡らせていることと思います。なお、今回のセンター試験の平均点(中間集計)や各予備校が予想する平均点についてはこちらのエントリー「2011年度センター試験 予想平均点と難易度変化」でご紹介しています。

いよいよ1月24日(月)からは国公立大の出願が始まっています。自分が志望している系統、大学・学部の人気傾向については非常に気になることと思います。

今回のエントリーでは、今回のセンター試験結果を受けての国公立大の各系統別人気動向をご紹介します。なお、今回ご紹介するのは駿台「データネット」の集計結果に基づく資料となります。

まずは、大きなくくりでの人気傾向をご紹介します(クリックすると拡大します)。

センターリサーチ動向(駿台)①

系統ごとに示されている数字は、「昨年の志望者数を100とした時の、今年の志望者数」を示します。100を超えている系統は「昨年よりも志願者数が集まっている」ことを示し、逆に100を下回っている系統は「昨年よりも人気が低い」という事を表します。

右端の数字は国公立大全体の志願動向を示していますが、今年は昨年よりも多いことがわかります。「長引く不況で国公立大志向が高い」ということと、「センター試験の平均点が高かったので、国公立大チャレンジ組が多い」ということが、国公立大志望者を増やしているようです。

今年特に人気があるのが「国際関係学」「生活科学」「医学」「薬学」「工学」といった系統です。特に、「生活科学」「医学」「薬学」といった系統「資格」や「就職先に困らないだろう」というイメージが強い系統です。昨今の就職の困難さを見てこれら「資格系統」を志望している受験生が多いようです。

また、「工学」と合わせて「理学」も人気を集めています。今年は早くから「文低理高」と言われる志望動向となっており、今回のセンター試験を終えてもその傾向が続いていることが示されています。

さて、逆に人気を落としている系統としては「法学」「経済・経営・商学」の2系統です。経済状況や就職状況が良くない年によくあることですが、この「経済・経営・商学」の系統は嫌われます。就職に直結しにくい学問系統だから、ということでしょう。

「法学」も人気が低いのですが、こちらは経済系とは逆に弁護士などの資格につながる系統ですので、人気になってもおかしくありません。しかし、今回の志望調査だけでなく、今年度1年間通しての模擬試験の志望動向、秋~冬にかけて実施された私立大の公募推薦入試における受験状況など、どれをとっても法学系は人気がありません。やはり「法科大学院まで行かないといけない」ことと、「大学院まで行っても司法試験の合格率が低い」ということで、敬遠されているようです。

次に、各系統の志望動向をもっと細かく分割したものを表2つでご紹介します(それぞれクリックすると拡大します)。

センターリサーチ動向(駿台)②

センターリサーチ動向(駿台)③

赤く示している系統は昨年よりも志願者が大きく増えているところ、青く示している系統は昨年よりも大きく志願者が減っているところ、を表しています。

2つの表を見てみますと、赤く示された系統ばかりになっていることに気づきます。先ほどご紹介したとおり、国公立大の志願者数自体が昨年の5%増しとなっております。そのことが各系統の志願者数増加につながっているようです。

上でご紹介した系統の他に今年人気を集めている系統としては「教員養成系」が挙げられます。この不況・就職氷河期の中で一般企業に就職することは至難の業なので、その代わりに「学校の先生」を就職時に狙ってやろう、ということでしょうか、この系統が注目を浴びているようです。

長々とした文章になってしまいましたが、国公立大2次出願に向けてこのデータを参考にして下さい。

国公立大2次の出願締め切りは2月2日です。お忘れなく!

大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果②

2011年1月27日 木曜日

大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果①」に続くエントリーとなります。2011年1月21日に新聞発表された、「大阪府 第2回進路希望調査結果」に関して詳しくお伝えしているシリーズです。

2回目となる今回は、私立高各校の人気動向を詳しくご紹介することで、前回ご紹介した私立高の状況をもう少し深く掘り下げます。

私立高の全体的な状況については前回のエントリーをお読みになって下さい。

さて、私立高各校が専願・併願それぞれで何人希望者を集めているのか、を以下の表3つにまとめています。昨年の同時期に行われた調査からの増減とも合わせて表記しています(それぞれクリックすると拡大します)。

まずは、男子校と女子校についてです。

私立男子校・女子校

50名以上増えた部分を黄色くして目立つようにしています。

男子校では興国高が、女子校では大阪成蹊女子高が100名以上専願者を増やし、勢いの違いを見せつけています。また、好文学園女子高は専願・併願ともに大きく増加しており、合計で100名強の増加となっています。堺女子高も専願者を大きく増やしており、相変わらずの人気となっています。

次は共学校です。学校数が多いので、2枚に分けています。

私立共学校①

私立共学校②

1枚目の表を見てみますと、4月から共学校として再スタートをきることになっている上宮高の状況が一際目を引きます。昨年同時期の調査結果と比べると、希望者数が専願で3.5倍・併願で3.3倍も昨年から増えており、合計で3.4倍の希望者を集めています。

・・・まさに「一人勝ち状態」です。

その他にも専願希望者を増やしている学校が多い事に気づきます。男子校・女子校と少し状況が違い、共学校には多く希望者が集まっている印象です。

2枚目の表を見てみましょう。専願・併願ともに大きく希望者を増やしているのが、常翔啓光学園高・阪南大学高・桃山学院高です。特に桃山学院高は併願でも多く希望者を増やしています。公立トップ校の併願先として認知されている同校です。「桃山学院高合格⇒成績的に足りなくても文理学科をチャレンジ、文理学科が不合格なら桃山学院高に行く」という受験生が多くいるのではないか、と予想しています。

これらの他にも、100人規模で専願希望者を増やしている学校がたくさんあります。

「私立高無償化の適用幅の拡大」が私立高の専願率を押し上げたり併願希望者を増やしたりと、確実に良い影響を与えていることがわかりますが、男子校・女子校と共学校とではその恩恵の大きさがこれほどまでに違う、ということが浮き彫りになっています。

次回以降2回のエントリーに分けて、公立高に関する状況をご紹介していきたいと思います。来年4月から新設される「文理学科」10校それぞれの現時点での倍率も明らかになっています。ぜひお見逃しなく!

大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果①

2011年1月26日 水曜日

2011年1月21日(金)付の新聞各紙に、大阪府公立中学校長会が20日発表した府内の公立中学3年生を対象にした第2回進路希望調査(17日現在)の結果が掲載されました。

今年の大阪府の高校入試は、「私立高校無償化政策の拡大」と「公立高10校に文理学科を新設」という2つの大きな施策が行われることになっており、近年でもまれにみるほど話題が多い年となっています。

そこで、この第2回進路希望調査結果についての詳細な分析を、今回を含む全4回でお届けしたいと思います。今後の受験校選び、受験に向けての心構えに役立てて欲しいと思います。

さて、第1回目となる今回は、私立高の全体状況についてお伝えします。

大阪府が2010年春から実施している「私立高校無償化」のおかげで、昨年の入試である2010年度入試における私立高全体の専願率は前年より0.4%増の21.4%となったのは記憶に新しいところです。

実は、その兆候が昨年のこの第2回進路希望調査段階でも現れていました。1年前のエントリーとなるこちら「大阪府高校入試 第2回進路希望調査」でもお伝えしましたが、「私立高の「専願率」が前年度調査結果と比べて0.86ポイント増え、2003年度以来7年ぶりに上昇した」とあります。

では今年はどうなのか?ということですが、府内私立高を第1希望とする「専願者」の割合は22.29%となっており、昨年からなんと5.74ポイントもアップ、しかも過去10年で最高の値である上に、20%を超えるのはデータのある過去10年間では初めてのこと、というぐらい、私立高が人気を集めています。

その理由としては、何と言っても「私立高無償化の対象は現在府在住で府内の私立高校に通う生徒の2割にあたる年収350万円未満の世帯を対象としているが、2011年度から年収610万円未満まで拡大、府在住で府内の私立高校に通う生徒の約半数が無償化の恩恵を受けることになる」という点以外に思い当たるフシはありません。

今年を含む過去3年間の私立専願率(第2回進路希望調査時点)の推移は以下のようになります。

2009年度 15.69% → 2010年度 16.55% → 2011年度 22.29%

下の表では、今年の第2回調査結果を私立高希望者全体の数だけでなく、男子校・女子校・共学校それぞれの希望者数や昨年同時期の調査からの増減についてまとめています(クリックすると拡大します)。

第二回進路希望調査 私立高全体概況

男子校・女子校の希望者数合計は前年よりも減っていますが、専願者(つまり第1志望)が増えていることから、各校とも生徒募集上「ありがたい」状況になっていると思います。

共学校を見ますと、併願が減っているのは男子校・女子校と同じですが、それを補って更にお釣りがくるぐらいの専願者が増えているのが特徴です。やはり「共学校人気」であることは今年も変わらないようです。

次回のエントリーでは、私立高それぞれの状況を細かく見ていきたいと思います。どんな学校が人気を集めているのか?大変興味があります。お見逃しなく。


2011年度近畿地区公立高入試 選抜日程一覧

2011年1月25日 火曜日

間もなく開始となる高校入試ですが、まず私立高入試が実施され、それが終了しましたらいよいよ公立高入試が始まります。

近畿地区では、滋賀県公立高入試の推薦・特色選抜の出願が1月末から開始となり、2月に入ると同時に京都府と兵庫県の推薦・特色選抜が出願開始となります。

下の表に近畿地区2府3県の公立高選抜日程一覧をまとめています。受験生の皆さんは出願期間や合格発表日を忘れないようにしましょう(画像をクリックすると拡大します)。

2011年度公立高入試 日程一覧

受験生の皆さんの幸運をお祈りしています。

2011banner

Memories of 中学入試2011

2011年1月24日 月曜日

15日(土)から始まりました2011年度中学入試。統一解禁日から1週間以上が経ち、開成教育グループから各中学をチャレンジした受験生たちにたくさんの吉報が届いています。

開成教育グループの2011年度中学入試合格実績については以下でご確認いただけます。頑張った受験生たちの足跡をぜひご覧ください。

http://www.kaisei-group.co.jp/2011result_cyugaku

今回のエントリーでは、今年の中学入試における各校の様子をご報告したいと思います。

大阪星光学院中大阪星光学院中 開成の旗が4本見えます

プール学院中プール学院中の校門前の様子

近畿大学附属中近畿大学附属中 会場案内

常翔学園中2011年春新開校予定 常翔学園中

西大和学園中西大和学園中の様子

大阪女学院中大阪女学院中 校門前の様子

2011banner4

2011年度センター試験 予想平均点と難易度変化

2011年1月21日 金曜日

1月15・16日に、全国各地で大学入試センター試験が実施されました。

直前の天気予報では「15・16日は北日本から西日本にかけての日本海側を中心に雪や強風の荒れた天気が予想される」と報じられるなどしていました。近畿地区では16日の日曜日には一部で雪が降るなどしました。

20もの大学が会場となった京都府内では、ご覧の写真のとおり雪景色の中でセンター試験がとり行われました。

雪の京都①

雪の京都②

センター試験の日に限って雪が降ることが多いなぁ、と思うのは私だけでしょうか?

また、16日には近鉄が列車のトラブルで上下線72本が運休、118本が最大約90分遅れるという事態になり、三重大、鈴鹿医療科学大、鈴鹿国際大の3会場では試験時間を1時間繰り下げられるなど、いろいろなハプニングがあったようです。

そんな中、毎年この日になると道に迷った・会場を間違えたという受験生たちを助けた、という美談が新聞紙面をかざり、我々を温かい気持ちにさせてくれるものです。今年も・・・

・道に迷った女子学生がタクシーの運転手に道を聞くと、会場までタクシーで送りとどけてくれた上、料金を受け取らなかった(埼玉県)
・受験生を乗せた路線バスが乗用車と衝突事故、受験生たちは通りかかった乗用車の男性の善意で会場まで送り届けられた(岐阜県)

といったエピソードがあったようです。

さて、センター試験も終わったところで、気になるのが今年の各科目の平均点です。大学入試センターが19日に「中間集計」として科目別の平均点を公開しています。大手予備校それぞれの予想平均点と合わせてご紹介したいと思います。

2011年度センター試験予想平均点と難易度変化

今年のセンター試験ですが、昨年よりは全体的に易しくなった、という印象です。特に、昨年は大変難しかった数学ⅠAが大幅に平均点を上げており、数学ⅡBとのバランスが良くなりました。

公民では倫理と政治経済で平均点で10点ほどの開きがあるのが若干不公平に感じますが、得点調整は無い模様です。

現代社会の問題で80年代末~90年代初期を代表するバンドの一つ「プリンセス・プリンセス」の平成元年のヒット曲「Diamonds」が題材として取り上げられたことに、個人的には大きなショックを受けています。平成元年というと、今年センター試験を迎えた受験生たちはまだ生まれていない年です。「今の高校生にはプリプリも大昔の話に聞こえるんだろうな」と思った次第です。

さて、センター試験が終わった今、次は自己採点と国公立大2次の出願先を探す作業に入ります。後日、このブログで「学部・系統別の人気動向」についてご紹介したいと思います。お見逃しなく!

同志社大 英語長文読解は語彙力で対応可能!

2011年1月20日 木曜日

同志社大の入試説明会に参加してきました。

同志社大 入試説明会①

同志社大 今出川キャンパスで行われたこのイベントですが、ご覧のとおり大盛況でした。

まず、上の写真にも少し映っていますが、来年4月に新設される「グローバル・コミュニケーション学部」についての説明が30分間ありました。

続いて、この春の入試結果分析や、来る2011年度入試の制度上の注意点やポイント、対策に関する説明がありました。

同志社大 入試説明会②

10分の休憩をはさみ、約1時間の英語対策講座が行われました。

同志社大と言いますと、関西の私立大を代表する学校です。いろいろな模擬試験でも同志社大のレベルは非常に高く設定されていますので、とても敷居が高く感じます。

例えば、実際に英語の入試問題を見てみますと、「長文が長い」「難しい単語が出題されている」「日本語訳や英作文といった記述問題が出されている」ということで、やはり敷居の高さを感じざるを得ないところです。

しかし、苦手意識を持っている方が多いであろう長文読解問題を見てみますと、文を読んで書かれている中身について答える、いわゆる「読解問題」が少なく、逆に語彙力があれば正解を導き出せる問題である「知識問題」が意外と多いことに気付かされます。

次の表は、実際にこの英語対策講座で出された資料の一部なのですが、長文読解問題として出題されている[Ⅰ][Ⅱ]において、文脈を考慮せず、単語や熟語の力がしっかりしていれば解答を導きだすことが出来る問題数と割合についてまとめたものです。

同志社大 英語長文問題 文脈を考慮せずに解答出来る問題数

何と、どの学部・日程でも9割以上の割合となっています。基本的には読解問題ですから、前後の文脈から答えを判断しないといけない問題がいくつかは入っていないといけないのですが、非常に低い割合になっていることがわかります。

特に長文読解問題は「すごく難しいんじゃないの?」という印象ですが、しっかりとした語彙力があればある程度は対応出来ることが証明された形です。

この日の英語対策講座でも言及されていましたが、同志社大合格に必要となる「しっかりとした語彙力」というのは「大学受験向けの単語集として一般的に知られている単語集1冊をしっかり覚えているレベル」ということのようです。今後の学習を進める際の参考にして下さい。

主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向⑤

2011年1月19日 水曜日

主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向②
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向③
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向④

に続くエントリーです。各私立大の今年の公募推薦入試結果を基にした「狙い目学部」「要注意学部」をご紹介し、出願や今後の対策・心構えに役立ててもらおう、というシリーズです。

今回は佛教大の公募推薦入試結果と一般入試に向けての展望をご紹介します。佛教大の方から詳しいデータをいただきましたので、分かりやすくまとめた表を以下に掲載します(クリックすると拡大します)。学科単位で志願者数・合格者数の状況をご紹介しています。

佛教大 公募推薦入試結果

赤い色がついている学部として、仏教学部、文学部 中国学科、教育学部 教育学科、保健医療技術学部 理学療法学科、の4学部・学科があります。これら共通点は「志願者が去年より増えたにもかかわらず、合格者数が去年よりも減らされている」あるいは「志願者数の増えに対して合格者数があまり増やされていない」ところです。つまり、倍率が上昇して合格しにくくなっているところになります。

佛教大と言いますと、私立大の中で早くから教育学部を有していることで知られていますが、その教育学部 教育学科が昨年の公募推薦入試から約2割の志願者増となっています。しかし、それに対して合格者数は1割増にとどめられていますので、実質の倍率アップとなっています。

今年は受験生の間に「資格志向」が強いことから、教育系がどの大学も人気となっています。特に、この分野での老舗である佛教大はレベル・人気ともに高くなっているのが特徴です。

緑の色がついている学部・学科は、先ほどとは反対に「志願者数が減ったのに、合格者数が去年よりも増えている、あるいは昨年並みの合格者数が出ている」ということで、倍率が下がったことを示しています。歴史学部と社会学部はすべての学科がこれに当てはまっています。

大学全体として見てみますと、志願者数は昨年の99.7%ということで「ほぼ昨年なみの志願者数」となっています。合格者数は昨年の約15%増となりましたので、佛教大の公募推薦入試は若干ながら「広き門」となったようです。

一般入試に向けては、教育学部 教育学科と保健医療技術学部 理学療法学科を志望の方においては高い倍率、あるいは高いレベルでの戦いになることを充分承知の上で対策に励んで欲しいと思います。

その他の学部・学科については例年並み程度での人気になると予想しますので、それほど気にしなくてもよいでしょう。

今回のエントリーも含め、5回に渡っていろいろな私立大の公募推薦入試状況をご紹介してきました。高校3年生の皆さんの今後の出願、学習を進める際の参考にしてください。

2011banner

1点もあなどれない! 主要大 合格最低点周辺の人数分布

2011年1月18日 火曜日

公募推薦入試・センター試験の実施も終わり、大学受験生の皆さんにとっては一般入試に向けてまた気持ちを新たにして学習に励んでいることでしょう。

一般入試は各大学で最も募集人員が多い入試形態となっており、同時に一般入試を経て入学する方の割合も最も多くなっていることは、過去のエントリー「関関同立・産近甲龍 推薦・一般入試 入学者比率」でもご紹介したとおりです。

一番多い募集人員、一番多い入学者数、ということですから、当然一般入試は「受験者数も最も多い」入試形態となります。

募集人員が多い、ということで「最大のチャンス」である一方、残る入試はもう(ほぼ)無いことから「最後のチャンス」となるこの一般入試、これを読んでいる大学受験生の皆さんには確実に合格を掴んで欲しいと思います。

一般入試で合格を得るためには何が必要なのでしょうか?次のグラフを見て下さい。

合格最低点周辺の人数分布①

こちらは、関西学院大と関西大の今春(2010年度)入試のそれぞれ記載されている学部・入試方式において、合格最低点周辺にどれくらいの受験生が分布していたのか、を示したものです。棒グラフ上の白抜き文字が、その点数を取った実際の人数となっています。

合格最低点を中心とした+3~-3点の間にこれだけの受験生がひしめいているのです。+3~-3点といいますと、問題数でいえば1問~2問の差といったところです。つまり、1問の出来・不出来が合格・不合格を分けた(と思われる)ケースがこんなにもたくさん起こっていた、ということになります。

産近甲龍についても以下のように資料を作っています。

合格最低点周辺の人数分布②

甲南大については複数の学部・日程の合算となっていますので、より大きな規模での検証となっています。

こちらも、甲南大と龍谷大ともに+3~-3点の間に非常に多数の受験生が分布していることがわかります。

せっかく正しい答えを導いたとしても、マークミスや答えの写し間違いといった「ケアレスミス」で点数を落としていることもきっと多いと思います。しかし、そんな些細な間違いが合格と不合格を分けるとしたら・・・。ぞっとしませんか?

教科書や問題集で知識をインプットすることももちろん大切なのですが、それ以上に大切なのが「持っている知識や導き出した答えを、正確に答案用紙に反映させる」ことです。

1点でも多く得点するためには、「集中力を持つこと」と「それを持続させること」が大切である、と関西学院大の入試案内にも記載されています。落ち着いて解答すること、そしてそれをきっちりと間違わずに答案用紙に写すこと、に気を配りましょう。

これから先の学習においては、「1点の重み」を十二分に意識した学習をするよう、心がけていきましょう。誰が読んでも分かる字で答えを書いたり、マークシートを塗りつぶす時も雑にならないよう(かといって過剰なくらいの丁寧さは不要ですが)な塗り方になるように、練習しておきましょう。