滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②

2010年8月31日 火曜日

以前のエントリー「滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①」に続くエントリーです。2010年度滋賀県公立高入試 教科ごとの小問別正答率と解答分析をご紹介しています。①のエントリーでは国語についてご紹介していますので、まだお読みになられてない方は合わせてそちらもお読みください。

今回は数学についてご紹介いたします。

数学の平均点は46.8点でした。

小問別の正答率については次の通りとなっています(クリックすると拡大します)。

滋賀県公立高入試 小問別正答率(数学)

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1の数と式の計算の基礎的・基本的な問題については正答率が比較的高く、よく理解できていた。垂線の作図方法を円の性質に着目して見直す問題は、根拠を明らかにして筋道立てて説明する内容であったが、正答率が低かった。日ごろから、作図の手順と操作の目的を理解できるように学習することが求められる。また、きまりに従ってコマを動かす問題では、条件を満たす確率を求める小問の正答率が低く、問題の意図をしっかり読み取って確率を用いる能力の育成が望まれる。

大問2の直線上を進むボートとそれを見ている人との位置関係をもとにした問題は、証明や作図をしたり、平行線と線分の比など平面図形の性質について考察したりする内容であったが、(2)、(4)の正答率は低かった。与えられた図形の性質について直観的にとらえたり、見通しをもって論理的に考察し表現する能力の育成が求められる。

大問3の平面上に置いた2 つの長方形を一定の条件で動かす問題は、重なった部分の面積の変化について数理的に考察し、関数関係を式やグラフに表す内容であったが、(1)以外は正答率が低かった。身近な事象について、与えられた条件を的確にとらえ、関数関係を見いだし表現し考察する能力の育成が望まれる。

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滋賀県公立高入試の数学は、基礎的・基本的な問題が多く出されており、取り組みやすいものとなっています。それが証拠に、数や式の計算、場合の数、関数、図形といった基礎的・基本的な問題についてはおおむね良くできているようです。こういった問題は必ず正解出来るようにしておきましょう。

「数学的な表現や処理の仕方」を習得するなど、数学的な思考力・判断力・表現力をつけることが、他の受験生と大きく差をつけるポイントになるでしょう。残りの半年ではここを意識して対策を進めましょう。

滋賀県公立高対策は開成グループ各教室にお任せ!

次回は社会についてご紹介します。お楽しみに。

大阪府旧第一学区公立高 合同説明会

2010年8月30日 月曜日

8月21日(土)に池田市民文化会館にて行われた、大阪府旧第一学区公立高の合同説明会にお邪魔してきました。

園芸高 生徒の発表

ホールでは、各校が交代で15分ずつ学校説明をする催しが行われていました。

上の写真は園芸高の在籍生が発表している様子です。園芸高といえば、この春に移転などについて何度か報道されていました。今回の説明会で、園芸高の先生から「現在中3生の方々が入学し、その後3年間在籍する間は移転などはありませんから、安心して受験して下さい」というご説明がありました。

豊中高 発表

次の写真は豊中高の発表の様子です。豊中高の取り組みなどについてはこちらのエントリー「豊中高 進学指導特色校としての取り組み」で詳しくご紹介しています。

今回の説明で初めて発表された内容として、「約40年続いた標準服を変更、場合によっては制服とするかもしれない」という事がありました。自由な校風で私服での登校が可能だ、という印象が強い豊中高ですが、来年の春からは制服が導入されるかもしれません。9月にははっきりとしたことが決まるそうなので、豊中高を希望される受験生は秋の説明会に必ず足を運びましょう。

ブース相談会場の様子

これまで紹介したホールでの全体説明のほかに、上の写真のように全校が個別相談ブースを出しているスペースも設けられていました。

相談コーナーだけでなく、桜塚高が来年春からの新しい制服を展示していたり、大阪府教育委員会の方々による奨学金関係の相談コーナーがあったりと、いろいろな情報が手に入りました。

さて、今回は旧第一学区の公立高全校が一堂に集まるイベントでしたが、各校は当然秋以降に学校説明会を実施されます。今回の説明会では旧第一学区公立高全校の説明会日程が一覧になっているものが配布されました(クリックすると拡大します)。

旧第一学区 説明会日程一覧

お目当ての高校の説明会日程は忘れずに予定に入れておきましょう。

滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①

2010年8月27日 金曜日

どの入試でもそうですが、「出された問題すべてに正解する」事は必要ありません。

試験当日に「絶対に正解しておかないといけない問題」「出来なくてもそれほど心配ない問題」の見極めをつけることができ、正解すべき問題に時間をかけて取り組み、確実に正解を導きだすことが出来れば、合格に大きく近づきます。

過去問を使って入試対策を進める上でも同じです。

過去問対策を進める際、学校によっては小問ごとの「正答率」が公表されているケースがあります。この「正答率」が高い問題ほど「基礎的な問題」と位置づけることができ、 そのような問題は何よりも優先して確実に解けるようになっておく必要があります。

さて、今回のエントリー以降(不定期になりますが)では2010年度滋賀県公立高入試問題の科目ごとに小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していこうと思います。

今回は国語についてです。

全体の平均点は52.3点(100点満点)でした。下の表で小問別の正答率をご紹介しています(クリックすると拡大します)。

滋賀県公立高入試 小問別正答率(国語)

正答率と合わせて、出された問題のポイントや受験生の解答状況について詳しく分析されたものも公開されています。以下、滋賀県教育委員会が発表した解答の分析の一部です。

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大問一において、漢字の問いについては「徒歩」の読みの正答率が若干低い以外は良好であった。また、比喩表現の内容を読み取り答えを選ぶ問いや、古文を読み取る基礎的な力をみる問いについても、正答率はおおむね良好であった。しかしながら、品詞を見分ける問いや、抽象的な表現で書かれている部分の具体的な意味を、文章の展開に即して読み取ることができるかをみる問いについては正答率がやや低く、文章全体の要旨をとらえ、自分でまとめて記述して答える問いの正答率も低かった。このことから、文章に親しむ態度の育成を今後も一層進めるとともに、語と語の関係をとらえながら、内容を丁寧に読み取る力や読み取った内容を簡潔にまとめて表現する力を身につけさせる必要がある。

大問二の作文では、与えられた材料をもとにして自分の考えをまとめ、適切に表現する力を求めた。受検生にとっては身近なテーマであったが、ポスターに書き入れるふさわしい言葉を選択したうえでその根拠を明確にして表現させる問いであったので、条件をふまえて考えをまとめることができていない解答が多く、正答率も低かった。このことから、必要な情報を取り出し、解釈し、身近な生活の中で経験したことや学習したことを活用して、自分の考えをまとめる力のさらなる育成が望まれる。

大問三において、漢字の問いについては「先導」の書きの正答率が若干低い以外は良好であった。また、漢字の知識をもとに書写における行書についての理解をみる問いや、表現の特徴を選ぶ問いについても、おおむね良好な正答率であった。一方、文脈に即して比喩の内容をとらえることができるかをみる問いや、動詞の音便や活用形の理解をみる問いについては、正答率がやや低かった。また、筆者が主張していることの理由に当たる部分を読み取って制限字数内で記述することを求めた問いについても正答率が低かった。言葉のきまりに関する基礎的な力や表現の特徴に注意して読む力、書かれていることを正確に読み取り的確に表現する力のさらなる育成が求められる。

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上の文章を読んでいる限りでは、書かれた内容の意味を理解するような問題についての出来は良い反面、「理解した内容について自分がどう考えるか」を簡潔にまとめ、適切に書き表す力が少し弱い、そんな印象を受けます。要するに「記述」問題に対応する力をもっとつけておくべきなのだと思います。滋賀県公立高入試では、大問二の「作文」こそが記述力を求められる代表的な問題になります。

随分前のエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②」では、2009年度大阪府公立高 国語の小問別正答率などをご紹介しましたが、そちらでも「国語で最も正解率が低いのが「記述の問題」です」とご紹介しています。

やはり、国語は「記述力」が大きく合否を分ける、と言ってしまって良いでしょう。残り約半年の間、記述力をつける勉強も意識して進めるようにしてほしいと思います。

これ以降、国語以外の教科についても不定期にご紹介していこうと思います。滋賀県にお住まいの中3生の皆さんはこのブログをよくチェックしておいてください!

大阪南地区入試説明会 開催

2010年8月26日 木曜日

私立中高各校では、入試説明会・オープンスクール・プレテスト(中学)といったイベントを秋以降に続々と実施されます。実施されるのは土曜・日曜となりますので、同じ日にいくつもの学校のイベントが重なることになるケースも多く発生します。そういったイベントで学校情報を集めよう、というようであればスケジュール上注意が必要となります。残念ながら、優先順位をつけざるをえない場面も出てくるでしょう。

秋以降どの学校のイベントに行くべきか?を決める足がかりとするためには、合同説明会形式のイベントに参加されて情報を収集することが有効かと思われます。

来る8月28日(土)に、主に大阪南部の私学が集まるイベントが開催されます(画像をクリックすると拡大します)。

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大阪南地区入試説明会

大阪南地区入試説明会

日時:2010年8月28日(土)11時~15時
場所:堺市民会館(南海高野線「堺東」駅より徒歩10分)

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当日は以下のようなコーナーが用意されるようです。

・各学校の担当者によるマンツーマンの相談コーナー
・総合相談コーナー(教育専門家の先生による進路や学習の相談)
・各学校のパンフレットコーナー

秋以降のイベント日程や肝心の入試要項なども各校ほぼ決定している時期です。きっと志望校選択に役立つ情報が得られることでしょう。ぜひ足をお運びください。

厳しい雇用・就職状況の中を生きる

2010年8月25日 水曜日

8月も下旬に入りましたが、厳しい暑さが収まる気配が一向にありません。そんな中、雇用環境も厳しい状況が続いております。今回のエントリーでは、雇用・就職に関する最近の新聞記事のいくつかをご紹介しつつ、

8月17日の日本経済新聞に以下のような記事が掲載されました(以下引用)。

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失業期間の長期化判明「1年以上」が118万人 4~6月労働力調査

総務省は17日、4~6月期の労働力調査/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5E1EBE6E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX(詳細集計)を発表した。完全失業者349万人(月平均)のうち、失業期間が「1年以上」の失業者は118万人となり、前年同期に比べ21万人増えた。増加は7四半期連続。求人数が低迷し、職をみつけられない失業者が多いようだ。

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厳しい雇用情勢が続く中、失業期間の長期化に歯止めが掛からない状況となっています。

なお、この118万人という数ですが、データが存在する2002年以降で見てみますと、IT(情報技術)バブル崩壊後の2003年4~6月期(127万人)に次ぐ過去2番目の高水準、となっています。

失業期間別の内訳は次のようになっています。

・2年以上 前年同期比11万人増の62万人(過去2番目の多さ)
・1年以上2年未満 同10万人増の56万人
・6カ月以上1年未満 同7万人増の52万人
・3カ月以上6カ月未満 同11万人減の51万人
・3カ月未満 同26万人減の114万人

新規と短期の失業者は減少傾向となっているものの、失業期間の長期化が進む一方であることがわかります。

そのような厳しい雇用状況となっていますから、新規大卒者の就職活動も大変苦しいものとなっています。7月6日の読売新聞に以下のような記事が掲載されていました(以下引用)。

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就職留年7万9000人 読売調査推計

大卒予定7人に1人・・・「新卒」として再就活
卒業年限を迎えながら留年する学生が全国の大学で少なくとも7万9000人いると推計されることが、読売新聞の「大学の実力」調査で明らかになった。

根強い企業の「新卒一括採用」を背景に、就職が決まらず翌年に再び「新卒」として就職活動(就活)に臨む学生が急増している。卒業予定者数は約56万8000人で、7人に1人は留年している計算になり、就職戦線のさらなる激化を招いている。

卒業者含め「浪人」11万人
国の調査では、約3万1000人が、就職が決まらないまま卒業している。今回、明らかになった留年者約7万9000人を合わせると就職浪人は約11万人となり、その分、就職戦線が激化している計算になる。

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2010年2月時点の新卒就職内定率は約8割となっており、学生の5人に1人は就職できないことになっています。そのような過酷な状況下で少しでも有利に就職活動を進めたい、ということから、今年就職出来なかった学生はあえて卒業を1年見送って(=留年)「新卒」として再度就職活動を行う、ということを編み出した形です。

リーマンショック後、このような「就職氷河期」と呼ぶにはぴったりな状況が続いていますから、「やっぱり就職率が良い大学がいいなあ」と思う大学受験生が最近増えています。しかしその一方で、就職率などのデータについての計算・公開状況は各大学で大きく異なっており、選ぶ側となる受験生にとっては「共通のものさしで比較できない」という状況になっています。就職状況をはじめとする進路情報の公開を文部科学省が義務付ける、という記事が7月12日の産経新聞に掲載されていました(以下引用)。

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「就活」の成果も大学に公開義務付けへ

文部科学省は、大学などに対して、入学者数、卒業者数、就職者数などの進路情報の公開を、2011(平成23)年度から義務付けることにしました。実質的な「大学全入時代」に入り、大学の入り口と出口の情報を広く公開することにより、大学教育の質を保証していくことがねらいです。受験生や保護者にとっては、大学選びの参考資料が増えることになります。

大学進学希望者や保護者にとって最も気になるのが、「学生に関する情報」でしょう。具体的な中身は、収容定員、実際の学生数、卒業者数、(大学院などへの)進学者数、就職者数などとなっています。

ここで、「卒業者数なんて、今までも公開されているのでは」「就職状況などは、大学のパンフレットに載っているけど」などと、疑問に感じたかたもいることでしょう。ところが、実際の入学者数や卒業者数などを、一般に公開していない大学は、実は少なくないのです。また、卒業生の進路情報として就職状況などを載せていても、実際は採用内定者の延べ人数だったりして、学生の就職活動の成果をきちんと反映してないこともあります。就職者の実数などを、簡単には公開できない事情を抱えた大学もあります。学生数にしても、入学者数から4年後の卒業者数を引けば、どれだけの学生が中退や留年したかが、おおよそわかってしまいます。

文科省による入学者数、卒業者数、就職者数などの情報公開の義務付けは、大学の「入り口」と「出口」の部分の実態をできるだけ受験生や保護者に明らかにさせることを通じて、大学教育の質を維持・向上するよう大学側に努力を促すことが目的だと言ってよいでしょう。これまでも、大学設置基準などで、情報公開に努めるよう求めてはいたのですが、学校教育法施行規則ではっきりと情報公開が義務付けられたことにより、大学の進路情報の公開が一挙に進むことが予想されます。

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大学受験生にとっては、これらのデータが大学選びに大きな影響を与えることになるのは必至でしょう。

ただ、1つ気をつけてほしいのは、「就職率が高い大学=自分が希望する会社に入れる」ということではない、ということです(当然ですが)。

就職率が低い大学でも、在学中に自分をしっかり磨いておればどんな会社からも「ウチでぜひ!」と言ってもらえるでしょう。逆に、世間的には知らない人がいないような大学に在籍していても、自分に「これ」といったセールスポイントがなければ厳しい就職活動になるのは目に見えています。

先日、学生向けの就職フェアの風景がNHKのニュースで紹介されていました。その時の学生の言葉がとても印象的でしたのでご紹介したいと思います。

「どんな時代でも自分がしっかりやらないといけない。時代のせいとかにはしてられないので、がんばるしかない。」

時代のせいにするのではなく、現実を受け留めて、その中でいかにして自分らしい人生を選択していくか、と肯定的に捉えている姿が素晴らしいと感じました。

これを読んでいる若い皆さんたちには、どんな現実が待っていようとも突き進んでいけるような「本当の生きる力」を養いながら社会へ出る準備をしていってほしい、そう思います。また、それに向けて我々大人たちには何が出来るのか、を私も考えたいと思います。

東海大学付属仰星中 2011年度入試変更点

2010年8月24日 火曜日

ラグビーの強豪校として全国的に有名な東海大学付属仰星中ですが、来年度中学入試において変更点が多く発生しています。以下、簡単にまとめました。

①これまでの2回入試を、初日+2~4日目で2回、合計3回実施する。

②入試科目を変更。「英数特進4科アラカルト、総合進学2科」で固定だったところを、以下へ。算国は各120点(変更なし)、理社は各80点(今年まで各60点)。

A日程

B・C日程

英数特進

3科

算国+理or社

2科

総合進学

2科

③1次の国語において出題されていた「放送問題」を廃止し、標準的な問題(説明的な文章)へ変更。

④1次(次年度はA日程)総合進学でのみ受理していた「自己推薦書」の扱いを変更。これまでは「ボーダーゾーンでの引き上げ材料」としたが、来年度は内容の優劣により最大20点を加点して合否判定することに。

⑤入試回数の増加により、ダブル出願特典も変更に。A日程+BかC日程のダブル出願の場合受験料は3万円に(本来は4万円)。トリプル出願の場合でC日程未受験の場合はC日程の受験料を返金。

⑥A日程+C日程もしくはB日程+C日程のダブル出願、あるいはトリプル出願の場合、C日程で受験した場合は10点を加点して合否判定。

今後、説明会ではこれらたくさんある変更点についてご説明いただけるでしょう。ぜひ学校に足を運んでみてください。

同志社香里中 創立60周年に向けて

2010年8月23日 月曜日

同志社香里中の塾対象説明会に参加してきました。

2011年には創立60周年を迎えられますが、それに合わせて現在新校舎を建設されています。やはりこれに注目が集まっているようで、5月30日(日)に実施されたオープンキャンパスでは992組・のべ3000名を超える受験生・保護者がお見えになられたようです。

この新校舎についてですが、同校HP内には「生徒の学びの場であるホームルーム教室や理科など特別教室の新校舎建設を行います。この建設工事規模は、本校創立以来最大規模のものであり、同志社香里の 未来を施設面から力強く支えるものとなります。同時に、耐震補強工事も進行中で、安心かつ充実した学園生活がおくれる環境を整えます。」という案内があります。非常に楽しみですね。

この新校舎の件以外でも改革に取り組まれています。かつて公立校が週5日となってすぐにその動きに同調して同志社香里でも週5日にされましたが、この春から週6日体制へと戻されています。

他にも改革された点と言えば、この春の入試問題でも大きな変更点がありました。それまで平均点が低いことで有名だった算数の入試問題に手が入り、大きく難易度が引き下げられました。

かつての入試問題はどれほどの難易度だったのか、を1つご紹介したいと思います。2009年度入試の問題を例に挙げてみますと、算数の全24問中、正答率1ケタの問題が5問・占有率にして20%もあるという難易度の高さでした。

2009年度だけではなく、例年受験者平均点が国語の半分程度しかないなど、同志社香里中の算数の問題は「受験生泣かせ」でした。

2009年度入試終了後に「平均点が他教科よりも極端に低く『反省している』」と言われており、2010年度より今までのイメージと違う問題にする予定であることが発表されていましたが、その公約どおり難易度が大きく下げられて、結果今年の受験者平均点が20.3点上昇しました。これは(特に女子の)受験生にとってはありがたい改革だったでしょう。

この算数の傾向ですが、2011年度入試でも踏襲されるようです。

2011年度入試の話になりましたので、もう少し次年度入試の情報について触れておきたいと思いますが、特筆すべき変更点はありません。入試日・科目・出題傾向や難易度など、一切変更しないとのことです。

ただ、その次の年度である2012年度入試以降でいわゆる「後期入試」を設定して入試回数を2回にするかどうかを現在検討している、と言われていました。入学チャンスが増えれば確実に受験者が集まるでしょう。実現すればこれも大きな改革、となります。どうなるか、目が離せません。

2002年春から開始した男女共学化・新カリキュラム体制の1期生が卒業した年である一昨年の塾対象説明会でこんなことを言われていました。

「制度的な改革はしたけれども中身についてはまだ伴っていない」
「もう少し時間をかけてゆっくりと中身を充実させたい」

同志社系列の中高はすべて京都府内にある一方で同志社香里は大阪にある、という苦しい事情があるので、同志社系列の中高の中でも一番改革に積極的に取り組みたい、でも焦ってはいけない、しかしそんな間にどんどん他校が伸びていっている・・・。一昨年の説明会はそんな葛藤を垣間見たことを思い出します。

しかし、今回の説明会では、この度創立60周年を迎えるタイミングでかなり改革が具体的になってきているのと、それが確実に受験生・保護者に伝わってきている、そんな印象をうけました。

京都女子大 創立100周年を迎えての大改革

2010年8月20日 金曜日

京都女子大が高校・予備校・塾対象に説明会を実施されました。

京都女子大 説明会会場

昨年は大学のキャンパスでご実施いただいたのですが、今回はホテルの一室を借りての説明会でした。来年はぜひキャンパスにお邪魔したいなと思っています。

京都女子大は今年創立100周年を迎え、現在大規模な改革に着手しておられます。そのうちのいくつかについてご紹介したいと思います。

まず、日本で初「女子大の法学部」を設置すべく、準備されています。収容定員400名、1学年100名の学生に対して15名の専任教員が指導に当たる予定にされているなど、法学部としては全国的に見ても非常に小規模です。それだけ、学生個々に手厚く指導をしたい、ということでしょう。

女子大ならではの新しい教育として、女性特有の社会問題の法的解決に関連する科目、法律知識、法的思考と女性の視点で問題解決に当たる科目、といった「現代展開科目」を開講されます。「女子大のメリット」を存分に活かす、非常によい取り組みです。

また、法学部と言えば、資格取得のために夕方~夜に学外の受験予備校へ通うケースが一般的に多いのが現状です。京都女子大では学内で受験対策講座を開くべく、学外の受験対策予備校から講師を招かれる予定になっています。これによって学生の時間や費用の負担を軽減しよう、ということです。

その他の情報についてはこちらのエントリー「2011年度 「全国初」となる新学部設置についての情報」でご紹介しています。

さて、もう1つの改革は「短大の廃止」です。これによって大学の募集定員185名分を、2014年まで各学部で段階的に増加させていく計画があります。

施設面でも大変大きな動きを見せています。2011年4月に向けて法学部用の新校舎、少人数教育に対応した30人規模の教室ばかりで構成する演習室棟を建築、それ以降も図書館の新築、学生寮(800名規模)の新築・改修整備、などなどを実施されます。

「女子大って就職率はどうなの?」というご質問を良く受けます。京都女子大の今年の就職についてのデータもご紹介いただいています

就職希望率82.0%(昨年87.2%)
就職決定率93.3%(昨年97.1%)
就職率76.5%(昨年84.7%)
教員採用180名(昨年161名)
公務員採用70名(昨年47名)

ご覧のとおり、公務員採用数が1.5倍となっているのが特徴です。折からの不況によって一般企業から京都女子大への求人が20%減少したらしく、採用の厳しさを見越して公務員を希望する学生が多かった、ということのようです。

「不況」という言葉が出ましたので、奨学金制度についてもご紹介しましょう。京都女子大での2009年度実績給付総額は9300万円となっており、女子大としては破格の規模となっています。また、一般入試において、上位7%で合格した場合は成績優秀特別奨学生になる、という制度がありますので、志望している受験生は上位での合格を目指して頑張ってみるのもいいでしょう。

さて、2011年度入試における特徴的な点について触れておきたいと思います。

新設の法学部では公募制推薦入試が12月12日に実施されることが決まっていますが、センター利用型は実施はありません。ご注意ください。

その公募制推薦入試ですが、A・B・Cの3つの方式があります。A方式は書類審査の配点比率が高く、B方式は適性検査の配点比率が高い、という特徴があります。ただ、A方式の「調査書評定の得点化」については学科によってウエイトが異なる。なお、C方式については一部の学部・学科でのみ実施されているものです。

また、公募制推薦入試における家政学部食物栄養学科の適性検査内容が変更になります。

変更前:食物・栄養に関するテスト(記述型)
変更後:食物・栄養に関するテスト、生物Ⅰ、化学Ⅰの3問題から1問題を選択(すべてマーク式)

最後に、センター利用型入試についてです。合格に必要なラインですが、今年は60%台で合格出来た所は全く無く、最も高いところでは食物栄養学科で80%を超えるなど、総じて合格に必要なラインは「高い」と思った方が良いでしょう。

法学部の設置、新校舎の建設など大規模な改革に取り組む京都女子大。大学の周りには清水寺や京都国立博物館といった京都の歴史を感じるものが多いなど、環境も抜群に良い所です。

主要な駅からのアクセスが少々悪い印象がありますが、京都駅と四条河原町から大学への直通運行シャトルバス、その名も「プリンセスライン」が出ていますので、とても快適です。

ぜひ一度、足を運んでみてください。

プール学院中高 教育内容と入試の変更点

2010年8月19日 木曜日

プール学院中高の塾対象説明会に参加してきました。

プール学院中高 外観

教育内容で大きく変更が入る点がいくつかあります。

まずは、現在1コマ45分授業とされていますが、これを中高とも50分授業へと変更し、最後の5分は「見直し」の時間とすることで定着を図る、ということです。

中3から高1への進級についても少々条件の変更が行われます。これまで「高校入試の試験」を受験させていたところ、それを止める代わりに「英検4級以上合格」「中3夏休み時に卒論を書き、合格する」「中2進級時に『第一スパン認定試験』を実施し、合格するまで何度も受験させる」など、各種取り組みをクリアすることを課す、ということになります。こちらは現在中3生の生徒から実際に導入されるようです。

最後にもう1つ。高校2年次以降のコース分けについて、これまでの形を一新して以下の3つにされます。

①文型Ⅰ類 京大・阪大・神大・大市大などの国公立大文系への進学を目指す
②文型Ⅱ類 関関同立をはじめ、首都圏を含む私立大文系への進学を目指す
③理型    国公立大及び私立大理系への進学を目指す

なお、指定校推薦枠は文型Ⅱ類のみで使用可となっていますが、理系学部の枠については理型で使用可となるようです。

さて、2011年度入試についても触れておきましょう。

中学入試に関しては変更点はありません。入試日程の位置取りも例年通りとなっています。

高校入試で大きな変更点があります。

これまでは国数英3科での入試だった所を、併願に限り3科か5科のどちらかを選択できるように変更されます。

理科と社会の試験は初めて実施される、ということになります。過去問が無いので「どんな問題が出るのか?」不安なところですが、現時点で決まっている「出題方針」について教えていただきましたので、ご紹介いたします。

理科:生物・化学・物理・地学まんべんなく出す。生物は「動物」、化学は「化学反応と量的関係」、物理は「運動とエネルギー」、地学は「天文及び気象に関する基礎的なことがら」

社会:テーマを3つに絞って、地歴公民融合問題を出す。
①外交史:日本と諸外国との関係、弥生時代~21世紀の現代までを範囲とする
②国際社会と国際組織:現在の国際社会について
③世界の人々と暮らし:気候と世界の人々の暮らしとの関わりを中心に世界各地域について

なお、理科と社会の出題方針等については今後説明会などでもご紹介していただける、ということですので、お聞き逃しの無いように。

夏休みの勉強 順調に進んでいますか?

2010年8月18日 水曜日

早いもので8月も中旬が過ぎ、夏休みがいよいよ折り返し地点を過ぎました。

今年の夏は非常に暑く、この猛暑が世界各地で様々な出来事を引き起こしています。いくつかご紹介しますと・・・

・日本では真夏日や猛暑日が続き、熱中症で搬送される人が相次いでいる
・記録的猛暑となっているロシアでは、ウォッカなどを飲んで酒に酔ったまま水遊びをして死亡する人の数が急増
・中国ではバス停に停車したバスのエンジン部分が猛暑のため自然発火し、全焼(全員無事)
・イラクでは気温が50度に達する酷暑なのに停電が頻発、怒った住民らの激しい抗議デモが拡大し、電力相が責任を取って辞任

その他に、比較的平和な内容のニュースとしては「人気のアイスキャンデー「ガリガリ君」が連日の猛暑で爆発的に売れており製造が追いつかない状態」というのもあります。とにかく、この暑さでどこも大変なことになっているようです。

受験生の皆さん、この夏休みの学習は順調に進んでいますでしょうか?この暑さの中で勉強しないといけないのですから、頭が下がる思いです。

が、しかし、「暑いし、今勉強してもすぐに成績が上がるわけじゃないし・・・」などと勉強をさぼっている受験生もたくさんいるのではないでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回は「夏休みの学習成果についてどう感じていたのか」「いつごろ夏休みの学習成果が表れたと感じたのか」について、2008年に河合塾が大学受験生を対象として調査したものをデータとして使用し、受験の先輩たちからの声をご紹介したいと思います。

まずは、夏休みの学習の成果はあったかどうか?についてです。

夏休みの学習成果はあった?

約7割の人が学習成果が「あった」「まあまああった」と回答しています。

続いては勉強の成果が出てきはじめた時期についてです。

夏休みの学習成果はいつ感じた?

「勉強の成果が出てきた」と感じるのは「9月」「10月」と回答した人が多くなっています。すぐに成果が出るというわけではない、ということが先輩たちの声からもよくわかります。

逆に言うと、夏休みにしっかり勉強していたら早くて9~10月には学習の成果が表れてくる、ということですから、焦らず、地道に努力を積み重ねることが大切であることも先輩達からのメッセージとして受け取れます。

ここまでは大学受験の先輩からの声ですが、中学受験・高校受験を迎える受験生たちにとってみても大変参考になると思います。

ここからは、小6の夏休みはどのように過ごしたかなど受験生へのアドバイスや注意すべきことについて、現中1生に聞いたものをご紹介します。なお、これらのメッセージは金蘭千里中が発行している通信物に掲載されているものを転載しています。

・夏休みに頑張ると秋頃から急に成績が伸びると聞いていたので必死になってやった。
・ひたすら塾の夏期講習。帰ってきたらすぐに習った内容を復習する。
・夏期講習で6時間、宿題や復習などで6時間ぐらい勉強した。
・塾のない日は朝9時に起きて夜11時までの間に8時間以上勉強した。
・朝6時に起きてウォーミングアップに計算。
・午前中は基本問題、午後は応用・発展問題に取り組んだ。
・苦手科目ばかりを勉強した。
・睡眠時間は6時間。睡眠をできるだけたくさんとって無理のないように!
・遅く起きると癖がついて新学期に困るから、早く起きよう!
・食事はしっかり、たくさん摂った。
・できるだけ水分を摂った。
・毎日、ラジオ体操をしてから勉強するとかなり脳が働く。
・学校の自由研究が最後の日までできなかった。学校の宿題は早めにしたほうがいい。

など、いろいろな声が紹介されています。

受験生の皆さん。夏休みのがんばりが秋以降の学力の伸びに大きく関係してきます。入試までの間、まとまった時間を勉強に割けるのはこの夏が最後です(冬休みはあっという間に終わってしまいますので)。特に苦手な科目に時間を十分にかけて、しっかり学習しておくことをオススメします。