関西大倉高 45分⇒55分授業へ

2011年6月30日 木曜日

関西大倉高の塾対象説明会に行って参りました。

関西大倉高 説明会

カリキュラム上の変更点として「授業時間の変更」を発表されました。

具体的に申しますと、現在は45分×7コマでの授業実施を55分×6コマに変更されるということです。これによって「実験や実技のともなう授業の充実」「復習の時間を含めて余裕ある授業展開」「高校での理科3科目履修」「授業総時間の増加」を実現させることが狙いです。

さて、その関西大倉高は2010年度より新設された「特進S」に加え、「特進」「総合」の3コース制を展開されています。

併設中学校からの内部進学者は基本的に高校入学者に混ぜない方針とされていますが、高校の特進Sと中学のSクラスは今後教科によっては合同で授業を展開しようかどうか、ということを現在検討されているようです。

また、総合と特進の間は高2・高3それぞれの進級時にコース間入れ替えが実施されますが、総合と特進から特進Sへ上がるには高2進級時のワンチャンスしかありません。

コース変更ということについてはこのような事例もあります。関西大倉高では高校入試終了から入学式までの間に「クラス分けテスト」なるものが実施され、その成績次第では上位コースへ繰り上げてもらえるそうです。ですから、入試では実力が出せずに自分が希望するコースとは違うコースでの合格になってしまった場合でも、このテストで点数を取れれば入学前という早い段階でリベンジ出来る、ということになります。

今年2011年度の入試結果についても簡単に振り返っておきましょう。

当初は13クラスの入学を想定されておられたようですが、最終的には14クラスを受け入れた形です。

専願・併願別に受験状況を見てみますと、専願は31名増えたものの、併願で87名減少しているのが目につきます。減少したほとんどが女子で、女子の受験者数トータルで64名も減っています。

女子志願者減の要因の1つとして「白ソックスが不評」というのが近隣の塾や現在在籍している生徒の保護者の意見であるそうで、これについても今後どのようにするか検討しているそうです。どうなりますことか・・・。

公立高校との併願、特に文理学科各校との併願状況についても気になるところです。はっきりしたデータは提示いただけなかったものの、茨木高(文理)と北野高(文理)を比べると茨木高(文理)との併願者が多かった様子です。

その公立高 文理学科との併願が多かったであろう特進Sコースですが、当初の35名1クラス募集のところに今年は47名が入学されました。それに加え、先に紹介したクラス分けテストにて15名を繰り上げて受け入れたことにより、入学式を迎えた段階では62名にまで膨れ上がったこともあり、現在は31名×2クラスで運営されているようです。

元々は35名1クラスに徹底した指導を行って京都大・大阪大へ送り出すことを目標とするコースです。あまり多くの生徒を対象とはしにくいコースのコンセプト、ということもありますので、恐らく来年は1クラスに収まる人数になるような形の入試、はっきりと言ってしまえば合格者を絞り込むことになりそうな予感がします。来年は特に特進Sの入試にはご注意いただく必要があるかもしれません。

慶應大・早稲田大 合同説明会 今年も開催

2011年6月29日 水曜日

慶應大・早稲田大の近畿地区で開催される合同説明会ですが、今年も京都と神戸で開催されることになりました。

なお、昨年はこちら「早稲田大vs慶応大? 合同説明会開催」で開催についてご紹介しています。

なお、下の画像をクリックするとPDF文書が開きます。

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慶應大・早稲田大 合同説明会

慶應大・早稲田大(2011) 合同説明会

日時・場所:
2011年7月16日(土)13~17時半 メルパルク京都
2011年7月17日(日)13~17時半 神戸国際会館
内容:
両大学の概要説明
両大学の現役学生によるトークライブ
個別相談コーナー
両大学の現役学生による進学相談コーナー
勉強法アドバイスコーナー
資料配付コーナー
資料閲覧コーナー

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両大学の概要説明、学生たちによるトークライブがメインのプログラムとなっており、その他にもいろいろなコーナーが設けられています。特に実際に大学に通っている学生たちのお話は大変参考になりますので、必ず聞いてほしいと思います。

昨年・一昨年とこのイベントに参加しましたが、イベント当日にお話して下さった学生たちは首都圏ご出身の方だけでなく、実際にこちら近畿地区から進学された方が来られていたケースもありました。

特に近畿地区からは中々首都圏の大学を受験・進学する受験生が他地域よりも少ないので、「どうして慶應・早稲田を選んだのか?」「東京での暮らしはどうなのか?」という点が気になる所です。

今回のこの会に近畿地区ご出身の学生が参加されていたら、その辺のことを必ず聞いてみましょう。

さて、昨年のこのイベントではトークライブの後で予備校による英語対策講座が行われたのですが、今年はどうやら実施されないようです。これは受験生にとっては大変残念でしょう。

ともかく、ここ近畿に居ながらにして慶應大と早稲田大を一度に知ることが出来る大変貴重なイベント、ぜひお見逃しなく。

初芝立命館中高 立命館との提携から3回の入試を経て

2011年6月28日 火曜日

初芝立命館中高の塾対象説明会参加の様子をお伝え致します。

なお、初芝立命館中と同高は離れたキャンパスにこれまで位置していましたが、この春からめでたく高校が中学のキャンパスに移転、同時に新校舎を完成させています。特に新校舎について詳しくはこちらのエントリー「初芝立命館高 新校舎の全貌が明らかに!」でご紹介していますので、まずはこちらをお読みいただきたいと思います。

初芝立命館中高 説明会

今回の説明会の様子を中学・高校の順にご紹介してまいります。

中学校の教育内容についてですが、社会に出てから必要となる「あいさつ」「時間を守る」「約束を守る」「勉学に励む」の4つを中学のうちに徹底させる、ということに力を入れておられます。在校生の保護者を対象としたアンケート調査によりますと、この取り組みに対する評価は「満足」「おおむね満足」の合計が98%となっているそうで、ほとんどすべての在校生の保護者からの支持を得ている形です。

また、こちらの中学では7~8割の家庭が共働きであることと、大阪府外から10名程度が通っていること、この2つに対して大きな味方となるものとして、食堂での食事提供ではなく食育を重視した「給食制度」を設けている点が挙げられます。こちらもアンケートによると94%が「満足」「おおむね満足」で占められており、在校生のほとんどから好意的な印象を持たれているようです。

具体的な授業の中身に目を移しますと、世界の諸問題について考えたり、実社会の理解や関心を高めるプログラムである「地球市民科」という授業がある点が特徴的です。10期生(2010年3月卒業)が2年次から3年次の地球市民科授業を通して発案したドーナツがミスタードーナツで実際に日本・韓国・タイ・マレーシアなどで商品化されたり、カゴメやソニーといった一流企業が授業に来てくれるなど、多彩な内容がラインナップされています。

ただ、学力だけでなく仲間・気力・体力も作る環境であることにも配慮されていますので、学校行事が多く設定されているというのも1つの特徴です。

コース変更についても触れておかねばなりません。グローバルから立命館へのコース変更は高1進級時に可能です。そのコース変更の際に必要となる基準については在籍生の保護者にのみ公開されているそうです。

続いては高校の教育内容についてです。

校訓は初芝時代から変わらず「誠実剛毅」のままとなっているので、昔からの初芝高の精神をここに引き継いでいます。

その一方でこの春から中学がある北野田キャンパスに高校が新校舎を建てて、移転を済ませました。そのため、行事や職員間の交流もかつてよりやりやすくなっているようです。

コースは「立命館」「グローバルS」「グローバルA」「体育科」の4つあります。グローバルSとAの間は高2・3進級時に入れ替えが行われますが、立命館は3年間コース変更がありません。

さて、グローバルのSとAではどのように違うか、といいますと、グローバルSは国公立大・難関私立大を目指すコース、一方同Aは推薦枠などを使っての私立大現役合格を目指すコース、というのが大きなが違いとなっています。

さらに、初芝高時代から存在する体育科ですが、野球・サッカー・剣道・陸上の4つのクラブに入ることが義務とされるコースとなっています。推薦での入学が多いようですが、一般の入学試験を受けての入学も可能となっています。

今年で立命館との提携後から数えて3回の入試が実施されました。現在高3生である生徒の皆さんは立命館との提携後初めて「立命館大への内部進学」となる学年となります。どんな学部に何人が進学するのか?や、トータルではどれくらいの割合で立命館大に上がるのか?については大変注目されているところであることは明らかです。

どうやら、立命館大から与えられている内部進学枠の45%程度が理系学部の枠のようで、理系希望者も広い門で迎え入れてもらえる予定となっていることが明らかになっています。

来年春の内部進学状況は再来年である2013年度入試での人気に大きく影響してくるでしょう。現在小学校5年生あるいは中学校2年生のような今後志望校をお考えになる予定となっている学年の皆さんは、初芝立命館高の来年の大学進学状況に要注目です。

さて、来年の入試についてもご紹介致します。

中学入試においては、入試日程を1/14(土)A日程・15(日・午後)B日程・17(火)C日程の3回、として決定されました(ちなみに2011年度と同一日程)。そのうち、14(土)A日程は専願のみとなっており、他日程であるBとCは専願・併願を選択することが出来ることになっています。

また、15日(日)に実施のB日程が午後の設定(15時集合)になっている点が大きな変更点の1つです。

入試科目は基本的に「立命館コースは4科、グローバルコースは2科」とされていますが、B日程の立命館コースに関してのみ「3科(国算理)300点」での試験となる点も大きなポイントです。

また、立命館コースの合否判定については4科(B日程は3科)での判定の他に、日程ごとに異なる判定方法が設けられることになっており、少々複雑な形となっています。次の表にまとめてみました。

初芝立命館中 立命館コース選抜方法

立命館コースは基本的に4科(B日程は3科)での受験ですが、上の表の通り、日程によって「総合型」の他に「算数重視」「理科重視」「社会重視」の中からあらかじめ指定されている型も含めて自動的に得点を計算し、最も高い得点で合否判定されます。

なお、どの型で判定するのかについては受験者が出願時に指定は出来ないことになっています。4科(B日程は3科)受験が必須となっていますので、例えばA日程で「社会は勉強していないから受験したくない」ということは不可能ですし、「理科重視型で判定してほしい」というご要望も出来ないことになっています。ご注意ください。

高校入試についても大きな注意点があります。

来年4月には立命館との提携後初めて中学入学生を内部進学(予定者数は60名程度)として迎えます。そのため、来年の高校入試においては募集人数が大きく減ることになります。よって、合格に必要となる力に大きな影響が出ることと思われます。

具体的には、最上位コースである立命館、外部大学を積極的に受験することになるグローバルS、この2つのコースで少々レベルが高くなることが考えられます。ご注意ください。

立命館との提携から今年ではや3回の入試を終了した初芝立命館中高。立命館との提携後は全てにおいて順風満帆に進んでいる様子です。高校から立命館大への内部進学状況と、中学からの内部進学者を受け入れることによって高校入試が難しくなるであろうという点、この2点が来年の初芝立命館中高(中高といっても高校のネタばかりになりますが)の大きな注目点となります。

畿央大 抜群の就職率・資格合格率

2011年6月27日 月曜日

畿央大の高校予備校対象説明会の様子をご紹介いたします。

最寄駅は近鉄 五位堂駅、そこから徒歩15分あるいはバスで5分で到着します。他にはJR 王寺駅からバスで約20分、というルートもあります。上本町から五位堂までは快速で20分ほどで着きますから、大阪からのアクセスは比較的良いと言えます。しかし、例えば同じ奈良県でも生駒方面からだと少々行きにくいかもしれません。

畿央大①

畿央大②

写真2枚はキャンパスの様子です。2003年に開学したばかりの大学ですから、まだまだ建物に新しさを感じます。

畿央大は開学以来「就職率・各種資格合格率の高さ」と、それに至るまでのサポートの手厚さが最大の特徴として認知されてきました。そんな畿央大の最新の就職・資格合格率を見ていきましょう。

まずは就職率です。大学全体の就職決定率は97.7%。私大全体の就職率90.4%よりはかなり上ではありますが、どうやら開学以来最も良くない結果となったようです。こちらのエントリー「2011年4月大卒就職率 過去最低記録更新を回避」で詳しくご紹介していますが、今春の大卒就職率はかなり悪かったことを考えますと仕方のない事だとは思います。

では、各種資格などの合格率どうだったのでしょうか。畿央大では理学療法学科から理学療法士、健康栄養学科からは管理栄養士を受験されていますので、それら2つについてご紹介しますと、

理学療法士:89.2%(昨年98.7%) 全国平均78.5%(昨年95.4%)
管理栄養士:86.7%(昨年92.3%) 全国平均82.1%(昨年78.7%)

理学療法士・管理栄養士とも昨年よりも大きく合格率を下げてしまっているものの、共に全国平均の合格率より上回っていることがわかります。就職率と同様に、大学内では余り良くないとの受け止められ方をされているようではありますが、全国平均を超えているのは大したものです。

2012年度入試に向けての変更点をご紹介いたしますと、次の通りとなります。

①健康科学部 看護医療学科の入学定員を80⇒90名に。
②助産学専攻科を新設予定(修業年限1年、入学定員10名)。
③AO入試においてⅣ型(専門学科自己推薦)を廃止し、Ⅰ型(自己推薦)に統合。
④公募制推薦入試において人間環境デザイン学科のみで実施していた「デッサン方式」を廃止。
⑤一般入試において大学入試センター試験の変更に伴い地歴公民の選択科目を変更。
⑥センター試験利用型入試前期において健康栄養学科C3方式に必須科目(英語・理科)を設ける。
⑦同中期において健康栄養学科C3方式を新たに実施。
⑧同C2・C3・C4方式において大学入試センター試験の変更に伴い地歴公民の選択科目を変更。
⑨一般入試中期の第一次入学手続締切日を3月8日⇒3月10日に変更。

詳細は大学発行の入試ガイドやHPで確認していただきたいと思います。

特に理学・健康栄養といった理系色のある学科でも公募・一般とも文系科目のみで受験が可能である点が特徴的です。

また、公募推薦は3日間実施されますが、英文を読んで要約と日本語論述を行う「小論文型」か2科の「基礎学力型」選択する形となっています。午前中が小論文型・午後は基礎学力型の試験を行っているので、受験生がその気になれば3日間で計6回も受験可能となります。第一志望の方は見逃せないですね。

また、一般入試は「センター試験レベル」とのことですから、合わせて対策も進めたいところです。

理学療法士・管理栄養士ともに昨今の大学受験生の間では特に人気がある資格です。それらを目指す受験生の皆さんは「高い合格率」を誇る畿央大を一度チェックしてみましょう。

龍谷大学付属平安高 付属校としての1期生が卒業

2011年6月24日 金曜日

龍谷大学付属平安中高の塾対象説明会の様子をご紹介いたします。

ご存知の通り、2008年4月よりかつての平安中高が龍谷大学の付属校となり、現在の校名である「龍谷大学付属平安中高」に改称されました。

今年、2008年4月に付属校としての龍谷大学付属平安高に初めて入学した、言わば「付属校1期生」が卒業を迎えました。龍谷大への内部進学制度の詳細も含めて、気になる龍谷大への進学状況を詳しくご紹介いたします。

まず、内部進学の方式ですが、次の3種類存在するそうです。それぞれの方式と、今年卒業した学年での合格・入学者数は次の通りです。

①A方式:3年次に龍谷大進学クラスに所属し、専願で龍谷大へ進学する
⇒ 259名入学
②B方式:併願方式、第一志望大の合格発表まで手続きを待ってくれる
⇒ 13名合格中3名入学
③T方式:理工学部の公募推薦を受験、出願の際平安生である書類を同封する
⇒ 3名合格中0名入学

圧倒的に専願であるA方式の割合が高い事がわかります。

龍谷大学付属平安高には、「プログレス」「クリエイト」「アスリート」の3つのコースがあります。その内、プログレスについては国公立大や難関私立大を積極的に受験するコースとなっています。

そんなプログレスですが、今年プログレスから龍谷大への内部進学をしたのは52名いたそうです。

ちなみに、そのプログレスから龍谷大への内部進学を希望する際は5教科で3.0、在籍生のほとんどが龍谷大への内部進学を希望したであろうクリエイトであれば同3.3が基準として設けられていたようです。

その他、公募や一般で27名の合格者中7名が入学しているのも計上すると、実に269名が龍谷大へ入学したとのことです。

龍谷大への内部進学についてがこれではっきりとしましたが、これまで今一つはっきりとしなかったのが高校の「プログレス」と「クリエイト」の違いでした。

先ほどプログレスの紹介で「国公立大や難関私立大を積極的に受験するコース」と記載しましたが、もう少し詳しく説明しますと「3年生では国公立大進学クラス(文系・理系)と龍谷大進学クラス(文系・理系)とに分かれる」というのがプログレスの中身でした。

つまり、プログレスの生徒でも龍谷大一本に絞って高校生活を送ることが出来たのです。しかしそれではクリエイトとのはっきりとした差別化にはなりません。

そこで、次年度の募集からそれぞれのコースを3年後の進路別に明確に分けることにされました。

プログレス・・・国公立・難関私立大を受験するコース
クリエイト・・・龍谷大へ内部進学をするコース

京都府下の私立高全41校の募集人数が7568人である一方で入学者の総合計は6757人。実に811名も定員を割っている状況で、その上、京都府内私立高全41校中33校もの学校で定員割れが起こりました。

そんな中で昨年は456名の入学者数であったのに対し、今年は379名という入学者数を迎えており、龍谷大学付属平安高は定員を確保できたたった8校のうちの1校となっています。

龍谷大への太い内部進学のルートがはっきりとわかった今、来年度の入試においても多くの受験生が集まってくることでしょう。要注意の1校です。

京都産業大 外国語学部は私立大最多の8言語専攻

2011年6月23日 木曜日

京都産業大が高校・予備校対象に説明会を開催して下さいました。

文系学部5つ・理系学部3つの計8学部・21学科が1つのキャンパスに集結する「ワンキャンパス」であることが最大の特徴で、現在このキャンパスでは1万3000人の学生が学んでいるそうです。

京都産業大が最も注力されていることは「就職」です。「就業力をつける」ことを主眼にして1~4年で計画的なキャリア教育を行われています。また、キャリアセンターではプライバシーに配慮しつつ1学年約3000人全員の就職活動履歴をポートフォリオで把握されているそうで、就職支援は手厚いことがわかります。

その甲斐があって、今春の就職率は94.5%と私立大の就職状況が振るわない中で大健闘されています。

また、創設者・初代総長が天文学者だったこともあって2009年には天文台がキャンパス内に完成しています。これは近畿大の原子力研究所と並んで大変珍しい施設です。

たくさんある学部の中から、今回は外国語学部について詳しくご紹介を致します。

この外国語学部ですが、言語系の専攻では私大では最多タイとなる8専攻を擁しています。ちなみに、京都外国語大も日本語学科を含めて8学科、私立大外国語系では全国的に有名な上智大では6つとなっています。総合大学の中に外国語学部があることが珍しいのですが、そんな中で言語の充実ぶりも目を引きます。

また、これら言語系の学科や専攻と並行して3年前には国際関係学科が設置されています。

学部で開講されている授業の中には日本語学や日本語教授法といった日本語の指導者を目指す科目も多数用意されています。それほど志望者はいないようですが、海外で日本語を教えたいという方にもちゃんと対応出来る環境になっているので安心です。

そして、もう1つの特徴点としては「他学部と比べると教授を始めとする教員数が多い」というものが挙げられます。外国語の習得に際しては「出来るだけ少人数で指導を受ける方が良い」ことはこれをお読みの皆さんもよくお分かりのことと思います。京都産業大の外国語学部にはたくさんの教員が配置されていますから、手厚い指導となっていることが想像出来ます。

話は変わって、今年の入試結果について簡単にまとめます。志願者数・合格者数と昨年との増減・割合については以下の通りとなりました。

京都産業大 2011年度入試状況

昨年の2010年度入試では公募制推薦入試で約5%の志願者数が減ったものの、トータル志願者数は2009年と比べて2%ほど増え、合格者数に至っては約1割も増やされました。

今年2011年度入試は上の通りすべての入試方式において志願者数が減りました。その一方で合格者数は昨年とほぼ同数だされていることから、今年は昨年よりも合格しやすい年になったものと想像できます。

特に、センター利用型で昨年から10%ちょっとの志願者数の減少となっています。昨年よりも合格ラインが低くなっているでしょう。

では、2012年度入試情報です。主な変更点は次の通りです。

①センタープラスは最大5日間の出願が可能に。
②一般入試前期日程の「政治経済・現代社会」における解答方法が記述式からマーク式に変更。
③一般入試後期日程では試験会場に大津会場が追加。

出願の際に学科を選べない「学部一括募集」となっている学部は経営学部とコンピュータ理工学部で、反対に先に紹介した外国語学部は多数ある学科・専攻から1つを選ばなければいけない、という点が出願の際の注意点です。

入試区分別に特徴的な所を書き出してみたいと思います。まずは、公募制推薦入試における特徴点です。

①入試は3回実施(昨年と変更なし)。
②調査書を利用する「総合評価型」と試験のみで判定する「基礎評価型」の2種類から選べる。
③「総合評価型」では調査書が点数化されるが、「評定平均値の○倍」という単純な計算ではなく、いろいろ考慮して点数が決められる。
④同じく「総合評価型」においては「特定の分野に優れた者」として各種資格等で加点がされる。一番ハードルが低い資格は「クラブを2年以上していた者」が+2点で、昨年は1363名が適用された。

②は評定平均値を単純に得点化するものではないので少し腰が引けてしまいますが、どうやら点数を計算するときに評定と80点満点における得点の間に一定の相関関係がある様子です。

また、④についても少し補足しておきましょう。全ての資格等加点対象者(受験生)は昨年3494名、その中からの合格者は1472名だったようですが、その内234名(15.9%)がその加点が無ければ不合格になっていた、というデータを教えてもらいました。④にも書きましたとおり、クラブに2年以上いただけで2点もらえますから、「自分には何も点数にしてもらえる物なんて無い」と決めつけず、願書や入試要項をよく読みながら加点されるようなものを探してみましょう。

次は一般入試における特徴点です。

①一般前期日程では1回の受験で最大3回の合否判定が可能(センタープラスも含む)。
②スタンダード3科目型で上位3%に入ると2年間の学費が半額に。
③2科目でも受験可能。

公募推薦入試と一般入試では特に英語の問題量が異なるので注意が必要、というのが入試対策上のポイントになるでしょうか。

京都産業大は間もなく開学50周年をお迎えになられます。それに向けて、現在では特にソフト面である教学についての諸改革が進んでいるようです。いろいろな学部が1つのキャンパスに集まる、というメリットを活かした教育が行われている京都産業大の様子でした。

大阪薫英女学院中高 国公立大合格者数大幅増

2011年6月22日 水曜日

大阪薫英女学院中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

大阪薫英女学院中高

説明会の前には校内を自由に見て回るお時間を下さいました。各塾の先生方は送り出した生徒たちが一生懸命勉強する姿を見て、あるいは学校の設備や雰囲気などに触れて思い思いのご感想を述べられていました。

大阪薫英女学院中高と言えば「英語」ですが、あえて今回は英語の話題には触れないでおこうと思います。その代わり、今春の大学合格実績について大きくご紹介を致します。

まずは、関関同立の合格状況です。

推薦入試を含まない関関同立合格者数は109名(推薦等も含めると135名)となったそうです。同じ基準で算出した所、大阪薫英女学院高の109名を上回る合格者数を出している大阪府内女子校は以下の3校だけが該当します。

四天王寺高(371名)・大谷高(185名)・大阪女学院高(168名)

2006年度のデータを見てみますと、女子校においては四天王寺高に次ぐ2位で300名弱の合格者がありました。それを考えると少々寂しい数字ではありますが、大阪府内の女子校の中では合格者数としては健闘している方ではないでしょうか。

こんなデータもご紹介下さいました。今年の春、関関同立を1回でも受験した生徒は95名おられ、その内61名が合格をしたそうです。合格率にすると64%になる計算ですが、今後はこの率を上げていきたい、「関関同立に行きたい」という子には全員に行ってもらえるような学校にしたい、と力強く宣言されていました。

国公立大合格状況についてです。国公立大は14名という合格者数となり、昨年の5名から大きな飛躍を遂げています。今春は「1年間の留学」を伴わないS特進コースの1期生が卒業をした年です。それも含めて、今春卒業した中高一貫生の入学時の偏差値(ベネッセ学力推移調査4月時点)と6年後の進学先を公開いただきましたので、下にご紹介いたします。

大阪薫英女学院中高 中高一貫生のデータ

ご覧のように、中高一貫生の奮闘ぶり、あるいは6年間での成績上昇の様子が良く分かる資料となっています。入学直後の偏差値が40ちょっとだった生徒でも国公立大や薬科大に進学している、という点が驚異的です。

もう少し表を詳しく見てみますと、先にご紹介した「1年間の留学を伴わない」S特進の進学先が、国公立大ですと大阪市立大・大阪府立大、私立大でも同志社大といったかなり高いレベルのものばかりが並んでいることがわかります。このS特進生の大健闘もあって、単に「国公立大14名」という数字に留まらない、インパクトのある結果となっています。

ちなみに、今後の国公立大合格者数の目標は「30名」と言われていました。来春は高校の理系特進コース1期生が卒業することもあって、来年の2012年度入試に向けては国公立大に本格的に挑戦する年にされるそうです。

近年は受験生の間での「共学校志向」に加えて、「留学の敬遠」「英語が出来ないとついていけない学校」「進学実績の乏しさ」といった点から大阪薫英女学院中高は人気面で低迷を続けていますが、今回のこの大学合格実績は今後女の子のお子さんをお持ちのご家庭にとっては無視できないものになるでしょう。

京都成章高 エテルナ(関関同立文系特化クラス)募集停止へ

2011年6月21日 火曜日

京都成章高の塾対象説明会にお邪魔をしてきました。

京都市内の西の端となる京都市西京区にある同高は、近年は進学校としてその名を広く知られるようになってきています。

設立されたのは1986年、当時は男子校としてスタートしました。設立間もなく、野球とラグビーの強豪校として知られるようになりますが、そんな京都成章高が2003年にはアカデミークラスを男女共学化にしたり、大学進学に注力を始めたりと、徐々に進化を遂げていきます。

ちなみに、今春の大学合格実績を簡単にご紹介しておきますと、国公立141名(うち浪人10名)・関関同立307名(うち浪人12名)となっています。「現役合格」に力点を置いたご指導をされておられますので、浪人率の低さが際立ちます。しかし、特に関関同立については以前は600名弱の合格者数を出していたことを考えると少し今年の数字も寂しいものに感じます。

コース別の国公立・関関同立の進学率もご紹介いただきました。

AS 国公立65%・関関同立11%
アカデミー 国公立12%・関関同立46%

ASの国公立大進学率が65%となっていますが、将来的には70%にすることが目標であるらしく、そのために更に教育力を高めるおつもりであることが発表されていました。

また、今回数字はご紹介していませんが、ゼネラルクラスは在籍生の90%が野球・ラグビーで埋めているというコースの特性からクラブ推薦等で大多数の方が大学進学を決めるそうです。

さて、タイトルにもあります「エテルナの募集停止」についてです。

2008年度に「関関同立文系特化クラス」として設置されたエテルナですが、今春の入学者をもって募集停止となります。気になる理由ですが、「入学者が増え続けており、これ以上増えるとコースコンセプト(入学時にそれほど高くない成績層の子を3年間で関関同立レベルに引き上げる)が守れなくなる」ということだそうです。

少しエテルナに関する歴史をひも解いてみますと、このコースを設置する前年である2007年度の大学入試結果において、関関同立合格者数が前の年の580名から333名へと激減しました。また、様々なご事情があって特にゼネラルの受験者数が一時の2/3程度にまで減ってしまっていました。

そういった様々なことがあってでしょうか、「入学時より成績を大きく伸ばして3年後には関関同立へ送り出す」という進学校としての原点に立ち返ることを選択されたのが、このエテルナの設置でした。

教える先生方、勉強する生徒たち、それぞれに大変なご努力があったこともあり、今春卒業したエテルナ1期生の実績(進学先)としては次のような形となりました。

滋賀大 1名、慶應義塾大 1名、学習院大 1名、青山学院大 1名、法政大 1名
関西大 5名、立命館大 3名、関西学院大 1名 など

さて、エテルナの募集停止にあたって「エテルナに入りたかったのに」と考えている受験生たちの行き先が心配になります。来年度入試からはそういった受験生たちもアカデミーに入学して、2年次から私大文系クラスに入ることで関関同立への進学を目指すことになります。これまでエテルナに振り分けられていた募集人数がそのままアカデミーに振られることになると思いますので、これまでよりも少しだけ低い力でもアカデミーに合格出来るようになると思われます。

今年の高校入試においても京都公立高の御三家の併願者が前年度よりも増えたそうです。この事からも京都成章高は着実に進学校としての階段を上り続けています。「確実に成績を伸ばす高校」をお探しの受験生は、ぜひ一度京都成章高をご検討下さい。

各地の高校で講演会をしています

2011年6月20日 月曜日

開成教育グループ 入試対策課は、高校での進路指導行事や学校合同説明会における相談ブースなどにも積極的に参加させていただいています。「社会貢献活動の一環」ということで遠くても、参加される生徒さんの数が少なくても、お話をいただいた学校については出来るだけ参加させていただくようにしています。

そんな教室外の活動ですが、1学期が始まった4月以降で10回以上講演会・相談会に参加させていただきました。その中から今回は5月末~6月にかけて各地の高校で進路講演会をさせていただきました様子をご紹介したいと思います。

5月末には3年生を対象として進学講演会を実施された滋賀県立高島高に参加してきました。

高島高

この日は国公立大受験希望者と私立大受験希望者の2つに分かれての講演となりました。国公立大は60名程度、私立大は200名近くの希望者がおられました。中には受験生の保護者の方々の姿も見られ、受験生以上に熱心に聞き入っておられた方がおられたのも印象的です。

続いては、大阪府立美原高での進路講演会の様子です。

美原高①

美原高②

3年生100名ほどを対象とした講演で、主に推薦入試や夏休みの学習ポイントについてコンパクトに説明してきました。

美原高は昨年も同時期に同じ内容で講演会をさせていただきましたが、昨年に引き続いてまたこうしてご指名いただいたことを光栄に思います。

こうして教室を飛び出して各地の高校で講演会をさせてもらう度、その時々で内容は様々ですが、いろいろと気付かされることがあります。その意味ではこういった機会を通して私どもも勉強させていただいているということで、貴重な機会になっているのは確かです。

これからも積極的に講演会や相談コーナーなどに参加してまいりたいと考えていますので、これをご覧の高校(あるいは中学)の関係者の方はぜひご用命下さい。

立命館中高 ADC・MSC 1期生の進学を迎えて

2011年6月17日 金曜日

2013年に長岡京へのキャンパス移転を発表している立命館中高が、この度塾対象に説明会をご実施下さいました。

立命館中高 説明会会場

昨年と同じ、JR二条駅前にある学校法人立命館の本部機能がございます、朱雀キャンパスでのご実施でした。

なお、昨年の塾対象説明会の様子はこちらのエントリー「立命館中高 来年の入試に向けて」でご確認下さい。

その昨年のエントリーに載せた写真と今回のエントリーの写真が良く似ていることがわかります。昨年と今年とで私はどうも同じような場所に座ったようです。特に何も意識していないのですが、こういう所に人の性格・特徴が出るものですね。

それはさておき、立命館中高のご紹介を進めてまいります。

「高い学力」「豊かな人間性」「社会貢献出来る自立した人間への成長」を願い、日々の教育に取り組まれているのが立命館中高の大きな特徴です。

理想の学校に近づくべく、「新しい附属校」の姿を目指して次々と改革を実施されています。以下、ここ数年で行われた(行われる予定の)メジャーなトピックスです。

2008年 中学にADC・高校にMSCを設置
2009年 週6日制へと移行
2010年 併設小からの内部進学1期生を迎えた
2011年 コアSSHに指定
2013年 長岡京にキャンパスを移転させる予定

やはり、2013年のキャンパス移転が大きなニュースですね。現在、以下の点を基本設計として新キャンパスを作られているそうです。

・全てに安全でエコな学校
・最新IT教育機器の導入
・国際交流の施設・スペースの確保
・プレゼンテーション施設の充実
・理科実験室の拡充
・図書室・自習室などの整備
・芸術・体育活動の施設拡充

長岡京に移転に際しては「新しいキャンパス像」としてメディアセンター(総合学習センター)の充実に力を入れており、図書室やIT機器を集約させるという点が目玉となるそうです。

ちなみに、現キャンパスと新キャンパスの比較についてもご紹介いただきましたが、校舎棟で1.4倍・体育館棟で1.6倍・延床面積1.7倍となるようです。

今回のキャンパス移転をきっかけとして更に高い学力層の生徒に来てもらいたい、と意気込んでおられる様子が説明会の端々から伺い知ることが出来ました。

さて、タイトルにもございます通り、今年は2008年より中学に設置されたADC・同年高校に設置されたMSCの1期生たちがそれぞれ高校・大学へと進学していった年です。

中学のADCの内部進学状況ですが、MSCに42名・SSC に18名・総合に8名がそれぞれ進学したそうです。半数以上が医学系や難関国公立大への進学をサポートする、と謳ったMSCへと進学しています。

そのMSCも今春1期生が大学入試を迎え、無事卒業されています。

1期生は20名が卒業したのですが、その中で医学部医学科を受けたのは4名、その内2名が合格して残り2名は浪人した、というご報告をして下さいましたが、その他16名の受験先や合格校についての詳しい報告がなく、がっかりしました。

関西私立大の雄である関関同立の一翼を担う立命館が「併設大への進学ではなく、外部大を積極的に受験させる」という意気込みが当時衝撃的だったこと、それに期待をして高いレベルの生徒たちが集まったこと、それらを考えるともう少し詳しい説明をしていただきたかった、というのが本音です。

ただ、同コースに在籍している高3(16名)に今年浪人した方々を加えると、来年度の大学合格実績は今年以上のものが出ることは今から期待されているようです。

まだまだ始まったばかりのADC・MSCの取り組みですが、今後更なる実りとなることを願ってやみません。