浪速高 理数科を廃止し「文理S1」コースを新設

2015年4月30日 木曜日

新東館が2014年3月に完成し、2015年7月の新校舎中央館竣工に向けて準備が進められているなどますます勢いに乗る浪速中高ですが、この程高校でコース制を変更予定であることが正式に発表となりました。

現在の理数科を廃止し、普通科の中に新たに「文理S1」なるコースを新設される、というものです。

新コース「文理S1」についてご紹介されている文書を以下に添付します(画像をクリックすると拡大します)。

浪速高の理数科は設置から30年を超えているなど、浪速高の進学実績の「核」として機能をしてきたという歴史があります。理数科の中にも文系志望者がいることもあっていろいろと選択授業などでご対応になられてきたご様子ですが、制度上より好ましい形とするべく、理数科を廃止して普通科の中に新たに最上位コースとして1つ設ける、というアプローチをされました。

新たに設置される「文理S1」は、国公立大理系・文系を目指すコースとなり、2年間で基礎科目である5教科を高レベルで養い、3年次には理系希望と文系希望で理・社を分け、集中的に実践力を養う、ということになっています。

なお、普通科Ⅰ類・普通科Ⅱ類・普通科Ⅲ類に関しては従来通りのお取組みとなるそうです。

 

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雲雀丘学園中高 学園を知る会を開催

2015年4月28日 火曜日

雲雀丘学園中高が一昨年から開催している「雲雀丘学園を知る会」が今年も開催されます。

例年開催されている西宮プレラホールに加えて、今年はアクセス梅田フォーラムにおいても開催されることになり、対象地域を広げておられるのが特徴です。また、昨年は土曜日の開催でしたが、今年は2会場とも日曜日の開催となっているのも変更点です。

詳細は以下の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


雲雀丘学園中高 雲雀丘学園を知る会

日時・場所:
2015年5月24日(日)10:00~11:30 西宮プレラホール
2015年6月14日(日)10:00~11:30 アクセス梅田フォーラム
内容:今年度の入試結果報告、素顔の雲雀丘学園(卒業生との対談)、雲雀丘学園の目指すもの、来年度入試の展望


一昨年初めて学校以外の施設を使って説明会を開催された同校ですが、反響が大きかったらしく、昨年・今年と引き続いて開催されています。中高とも年々難易度が高くなる一方の同校かつ、特に中学入試では今春より「コース制廃止」に踏み切られたこともあり、どの程度の難易度になったのかについても大変注目が集まる所です。その辺りについてもご説明頂けるものと思います。

受験を予定されている方は必ず参加して、いろいろと聞いてくるべきでしょう。

 

 

京都成章高 ゼネラルを廃止し「メディカルスポーツ」を新設

2015年4月27日 月曜日

京都成章高の塾対象説明会が早くも実施されました。

このエントリーのタイトル、及び上の写真にもございますとおり、新クラスを設置されることが発表されました。

現在、ゼネラルクラスは男子のみ60名が在籍し、9割以上が野球部とラグビー部の所属となっており、ほとんどの生徒はスポーツをするために入学しているものの、上記2つのクラブ以外は積極的に勧誘されていないのが実情となっています。

そんなゼネラルを廃止し、野球・ラグビー以外にも全国大会を目指す多様なクラブを有する共学クラスである「メディカルスポーツ」を新設されます。

専門学科ではなくあくまでも「普通科」内に設置ということから、専門科目(添付資料参照)は3年間で15単位に留まる。スポーツ医学の知識等は、自らの競技力の向上やアスリートとしての教養を身につけ、より健康で優れた競技選手になるために学ぶものとされています。それ以外の科目は大学受験に対応したものとなります。

ということもあり、将来の進路に関しても「体育科」「体育教師」を目指すものではなく、文系・理系どちらの大学・学部にも進学できるようなカリキュラムとされています。

この度新規に立ち上げるクラブもいくつかあり、既存のものも含めて一部はMSクラスを中心として強化しようと考えているクラブ(先頭に☆印つきのもの)となります。なお、クラブの強化は目指すものの、野球部・ラグビー部も含めて「未経験者でも入部可能」としている上に、MSに所属しているからといって必ずクラブに所属する必要もない、ということで、クラブ活動に関しては柔軟性を持たせているのも「スポーツコースではない」という意味からも、特徴的です。

既存のクラブ
野球部(男子)、ラグビー部(男子)、☆バスケットボール部(男女)
☆剣道部(男女)、男子バレーボール部、硬式テニス部(男女)
卓球部(男女)、陸上競技部(男女)

新しく立ち上げるクラブ
☆女子バドミントン部、☆女子ソフトテニス部、☆女子ソフトボール部
☆女子バレーボール部、☆ゴルフ部(男女)

ゴルフ部については京都学園が廃部にしたことで翔英のみの設置となることから、積極的に設置に動いたとのことでした。

すでに新しいクラブも立ち上がっており、「クラブに参加出来ない」という条件付となっている特待生が特待生の権利を返上してまで入部したり、AS・アカデミーは水・土・日の週3日活動と制限が入るにもかかわらず入部したり、とクラブの反響は大きいそうです。

クラブを退部しその後どのクラブにも所属しなくてもMSクラスに所属して大学進学を目指すことが可能ですが、ASやアカデミーとはカリキュラムが大きく異なることもあり、編入は不可とされています。

MSクラス専用の新校舎を建設予定とされているのも大きなニュースです。この夏着工し、来年3月には完成予定となっています。

気になる「入試難易度」については、従来のゼネラルと同じくらいとなるのではないかとされており、MSクラスのみの定員は特に定めない方針だそうです。また、AS・アカデミーと共通の入試問題を使用し、野球部・ラグビー部各3名の特待生枠も設けられることになっています。

1点だけ「未定」となっているのが、AS・アカデミーからの回し合格についてです。こちらは現在検討を重ねておられる、ということです。

最後に、大学合格実績について簡単にご紹介します。

国公立大(現役)合格者数は156名となり、134名だった昨年から1割強の増加となっています。

関関同立(現役)は446名で、昨年377名から大幅増。特に同志社大の合格者数が昨年の倍ほどとなる111名出ていますが、同志社大と日程がバッティングしている関西大へと志望が流れがちとなっていたところを同志社大受験に向かうようにご指導された結果、今回の増加につながった、というお話でした。

京大クラス1期生(15名)が今春卒業していますが、京大2・阪大2・神大1・京都工繊2・浪人8という結果になりました。同クラスから京大があまり出なかったことと、同クラス以外のASなどからも国公立大に多数合格していることから、同クラスの取り組み内容の見直しが必要となっているのではないかと思います。

京都成章高の新クラス「メディカルスポーツ」に関する内容を中心に展開された、同校説明会の様子をご紹介しました。

 

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京都成章高 厳しかった「併願戻り」

 

 

薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側③

2015年4月24日 金曜日

先ごろ発表になりました第100回薬剤師国家試の合格率などについて、前回を含めた3回のエントリーで詳しくご紹介をしているシリーズです。

1回目のエントリー「薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①」では、薬剤師国家試験の合格率推移についてご紹介をし、2回目となる前回のエントリー「薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側②」では、国試合格率と出願者のうちの何%が実際に受験しているかという「受験率」を大学ごとにご紹介をしました。

今回のエントリーでは、各大学で差が出ている合格率の裏側に潜む「ある事実」を検証してみます。

今回のテーマは「入試科目と薬剤師国家試験合格率の間に関係はあるのか?」です。次にご紹介する画像には、主要な大学・薬学部の入試科目のうち数学・理科に関してまとめたものです(画像をクリックすると拡大します)。

上の画像のうち、左側には数ⅡBまで必要であるなど「数学が重めに課されている」大学を並べており、反対に右側に紹介している大学・薬学部に関しては「数学が不要である」所を集めるなど、比較的入試科目としてはヘビーさを感じない所となっています。

最新の薬剤師国家試験合格率も合わせて並べていますので、入試科目の重たさと国試合格率の「相関」が分かるようになっています。

やはり、左側に固めている「数学が重たい大学」は、紹介している大学のほとんど全てで「平均63.2%」の値を大きく超えています。その反対に、右側に固めてご紹介をしている「数学が不要な大学」では、「平均63.2%」を下回っている所が多数となっています。

このことから、国家試験合格率の高い・低いは「入試段階で数学を課しているかどうかにかかっている」のではないか、と推測できます。

「薬剤師国家試験の受験資格が得られれば、大学なんてどこでも良い」と思っている受験生の皆さん。そんなことはなさそうなので、注意しましょう。そして数学から逃げず、「数学はⅡBまで必要」となっているようなヘビーな科目設定となっている大学を出来るだけ受験できるよう、今から準備を進めて欲しいと思います。

 

関連記事:
薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①
薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側②
2014年度薬剤師国家試験 大学別合格率

 

 

京都私立中学校フェア 2015/4/26日 開催

2015年4月23日 木曜日

京都の私立中学校24校が一同に会する説明会が開催されます。

詳細は以下の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


京都私立中学校フェア

日時:2015年4月26日(日)10:00~16:00
場所:メルパルク京都6F
内容:個人相談コーナー、ミニ説明会(各校30分×2回実施)


個別に相談できる学校別のブースで細かい相談を受けることも可能ですが、そこまでまだ学校を絞り込めていない、という方にはミニ説明会で概要をお聞きになることがオススメです。各校間の比較も出来ますので、積極的にミニ説明会での情報収集に努めて下さい。

 

 

私立中学校入試結果報告セミナー 4月24日(金)開催

2015年4月22日 水曜日

毎年4月下旬に西宮で実施されます、「私立中学校入試結果報告セミナー」ですが、今年も開催されることが発表されました。早速ご紹介いたします(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


私立中学校 入試結果報告セミナー

日時:2014年4月24日(金)10時半~14時半
場所:西宮市フレンテホール(JR西宮駅南側すぐ)


地元である兵庫県の学校が多く参加されているのはもちろんですが、遠くは奈良県・京都府の学校、それもどこも人気・有力校ばかりが参加されているのがポイントです。一昨年から参加されている洛星中は今年も引き続きご参加されています。

注目点は、今年初めての参加となる四天王寺中と、昨年から参加されている神戸女学院中ではないでしょうか。ブースでの参加だけでなく、ミニ講演会でもお話をされることになっています。

今回のこのセミナーですが、各校の教育内容や入試結果などについてコンパクトに知ることが出来る「ミニ講演会」も魅力です。

開成教育グループ 入試情報室はここ数年、毎年お邪魔させていただいていますが、このミニ講演会で思いもよらない「ウラ情報」や新年度入試に向けてまだ発表されていないネタなどが聞けるなど、たいへんありがたい会となっています。

今年はどんな爆弾情報が飛び出すでしょうか、今から楽しみです。

 

 

畿央大 2015/3/29日 オープンキャンパスの様子

2015年4月21日 火曜日

畿央大が2015年3月29日(日)に開催されたオープンキャンパスにお邪魔してきました。

設立13年目を迎える、2学部5学科に2000名弱が在籍する大学です。昨年から募集定員が増やされているので、在籍生数が2,000名を超えるのはもうすぐではないかと思います。

全体の2/3を女子が占めるという女子が多い大学で、しかも、年々女子が増えているそうです。栄養・看護といった女子向けの学科があるのが大きな理由かと思います。

通学時間は2時間前後となっている学生で1/4を占め、近年は地元率が高くなってきていることから下宿生が減っているそうです。

資格面ですが、小学校教員は今年71.4%となり、前年の54.5%から大幅な増かつ過去最高の値。上位大でも中々この数値は出ないのではないでしょうか。

理学療法士国家試験は、今年は53名が受験し52名が合格、合格率は98.1%(昨年は100%)で、全国平均89.1%(新卒のみ)を上回っています。しかし、理学療法士の試験は全国的に平均の合格率が下がって(=難化)しており、今後も試験の難化が予想されるため「これまでのようには行かない」ことを知った上で理学療法を選ぶべきかと思います。

2015年度入試結果についても簡単にご報告がありました。

昨年は6年ぶりの志願者数減となりましたが、今年は大学全体では志願者数が907名増となったものの、看護の新設ラッシュの煽りを受け、看護学科のみ志願者数が-229名となっています。

志願の増え幅に対し合格者数が大幅に増やされており(昨年1,668名⇒今年1,926名)で、トータルの倍率は昨年6.8倍⇒今年6.3倍と大きくダウンしました。特に看護の倍率は昨年7.1倍から今年6.2倍と大きくダウンしています。

入試問題は、公募推薦は少し易しめに、一般入試はセンター試験と同程度のレベル設定にして作問しているそうです。ご参考に。

当日は、上の写真のように保護者向けの説明会も行われました。多くの保護者に混じり、受験生本人もちらほらと見かけました。

畿央大オープンキャンパスの様子をご紹介しました。

 

関連記事:
畿央大 理学療法士・看護師・管理栄養士全て合格率100%!

 

 

大阪大 大きく変わる兆しが見える②

2015年4月20日 月曜日

大阪大が大きく変わろうとしています。

先日はこちらのエントリー「大阪大 大きく変わる兆しが見える①」で、2017年度入試から導入予定とされている「世界適塾入試」を通して多様な資質、能力を持った人、目的意識や意欲に溢れた人を集めるご予定であることについて、概要をお伝えしました。

今回のエントリーでは、大阪大が変わろうとしている姿勢を示す「もう一つの理由」についてご紹介を致します。

それは、「春にオープンキャンパスを開催する」ということです。

この度、春のオープンキャンパスを大学祭(いちょう祭)期間中に春のオープンキャンパス開催されることになりました。春のオープンキャンパス開催は初めてのことだそうです。

詳細は次の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


大阪大 オープンキャンパス(5/2土)

日時:2015年5月2日(土)10~16時
場所:大阪大 豊中キャンパス 文理融合型研究棟
内容:研究室見学、スタンプラリー、大学説明会、現役大学生による受験生相談コーナー


オーソドックスな大学説明会のほか、現役大学生による受験生相談コーナーを設けられ、171もの研究室が趣向をこらして研究の魅力を伝えるべく、施設を開放しています。しかもこの研究室見学は、今回の「春のオープンキャンパス」でしか実施されない、とのことなので、要注目です。

また、阪大オリジナルグッズと交換できる研究室スタンプラリーも開催されます。

このように、これまでは夏休みに事前予約制で実施をしているにとどまっていたオープンキャンパスを、春、しかも5月2日という極めて早い日程で実施するところに、大阪大の「大きな変化」を感じ取ることが出来ます。

受験生の皆さん、ぜひ大阪大に足を運んで頂き、「変化」をご自身で体感してみて下さい。

 

 

薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側②

2015年4月17日 金曜日

先ごろ発表になりました第100回薬剤師国家試の合格率などについて、前回を含めた3回のエントリーで詳しくご紹介をしているシリーズです。

前回はこちらのエントリー「薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①」では、薬剤師国家試験の合格率推移についてご紹介をしました。

今回と次回のエントリーでは、大学別合格率を中心にしてご紹介しつつ、合格率の裏側に潜む「ある事実」に軽く切り込んでみたいと思います。

何はともあれ、大学別の合格率をご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

今年の合格率と昨年のそれを並べて記載しています。画像の左側に並べている大学群はすべて「平均合格率である63.2%を超えている」大学となっており、反対に右側に配置した表は全て平均を下回っている、あるいは全くの同率となっている大学、ということになります。

近畿地区で高い合格率(ベスト10入り)となっている大学は以下の通りとなっています。

5位:近畿大学 83.1%
9位:立命館大学 79.5%
10位:京都薬科大学 79.3%

さて、今回ご紹介をしている上の表内には「受験率」なる数値が掲載されています。

合格率をアップさせるために各大学が行っているのではないか?という噂として・・・

「卒業生数をコントロールしている」
「出願しても受験させない」

といったものがあります。

実際の所、入学者数や入学定員と比べて6年後の国試受験者数が大きく減っている大学が多く見受けられ、上のような噂は絶えないというのが事実です。

それに向けた対策なのかどうかはわかりませんが、今回の大学別合格状況を公表する文書には「出願者数」も合わせて発表されています。

これは驚きのデータです。

詳しく見てみますと、100%の受験率になっているのが岡山大・大阪大・九州大といった国立大、90%台の受験率になっている所も多くみられる一方で、なんと受験率60%台という、出願者の3名中2名しか受験していない大学も3大学(いずれも私立大)あります。

総じて、私立大での受験率の低さが目立ちます。

やはり、噂となっている「出願しても受験させない大学がある」というのは、本当なのではないかと思わざるを得ないデータです。

さて、最終回となる次のエントリーでは、合格率の高い・低いと密接な関係にある「あるもの」についてご紹介します。お楽しみに。

 

関連記事:
薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①
2014年度薬剤師国家試験 大学別合格率

 

 

大阪府教委 内申決定統一ルールに「学力テスト」を活用②

2015年4月16日 木曜日

こちらのエントリー「大阪市教委 「真の絶対評価」に向けた方針を発表」でご紹介をしましたとおり、大阪市では「絶対評価」を出来るだけ公平・公正なものとするための「独自の方針」を打ち出し、先ごろ公開をされました。

大阪市のこの動きを受け、大阪府では「府内統一ルール」を近々示すとの見解を示していましたが、4/10金の大阪府教育委員会議にて正式にルールが決定し、発表されました。

前回のエントリーであるこちら「大阪府教委 内申決定統一ルールに「学力テスト」を活用①」では、取り急ぎ「府内統一ルールが発表になった」ということと、その中身に関して一部報道等で指摘をされている問題点についてご紹介を致しました。

今回のエントリーでは、いよいよその「府内統一ルール」についてご紹介を致します。今回発表された内容を、下の画像1枚にまとめてみました(画像をクリックすると拡大します)。

より簡単にまとめますと、以下のようになりますでしょうか。

特徴点
・1月に実施される「チャレンジテスト」の結果を基にして「府全体の評定平均」を定める
・「全国学力・学習状況調査結果」の平均正答率を活用し、大阪府全体の平均と各中学の平均の「比」を計算し、各中学校の「評定平均の目安」を定める
・その「評定平均の目安」の±0.30以内を「評定平均の範囲」とし、学校全体の平均がその範囲に収まるように各中学校で評定を確定する

ということで、今回発表された「全国学力・学習状況調査結果」はあくまでも「各中学校の評定平均の範囲」を決めるために活用されるにとどまり、個人個人の得点等がダイレクトに自身の内申へ反映される、ということではありません。

また、上の画像内でご紹介をしている「評定平均の範囲」については、各中学校に指定された範囲に9教科全てを収めるのではなく、9教科トータルの評定平均が範囲内にあればよい、ということになっています。

同じ画像内には「評定平均の範囲 ステップ」という表も用意しました。これは、全国学力・学習状況調査で平均正答率がどれぐらいあれば「評定平均目安」「評定平均範囲」がどの程度になるか、を一覧にしたものです。

大阪府全体の平均正答率60%あれば「2.92~3.52」の範囲で評定平均が収まりますが、そこから平均正答率が9%上がる(69%)と評定平均範囲が「3.40~4.00」となり、反対に9%下の51%となると評定平均範囲が「2.44~3.04」にまで下がります。

平均正答率が約10%変わると、これほどまで評定平均範囲が変わります。

さて、この大阪府教委からの発表を受け、こちらのエントリー「大阪市教委 「真の絶対評価」に向けた方針を発表」でご紹介をしました大阪市教委の方針がどうかわるか?についても注目が集まるところです。

読売新聞の2015年4月10日(金)夕刊には次のような記載がありました(一部抜粋)。


内申に学テ 文科省「逸脱」
(2015年4月10日(金)読売新聞夕刊)

大阪市教委は「高く評価している」と歓迎。市独自の統一テストを行う方針は変えないが、内申点の学校別平均は、府教委が定めた範囲内に収めるとしている。


ということで、大阪市教委は一部基準の見直しは行うものの、市独自の統一テスト実施については撤回する予定はないようです。

今回の府教委からの発表を受けても統一テストを実施する方針を変えない大阪市教委。この動きを見て他市町村の教育委員会がどのように動くか、についても今後は注視する必要があるように思います。

 

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大阪府教委 内申決定統一ルールに「学力テスト」を活用①