大阪薬科大 2015/3/21土 オープンキャンパスの様子

2015年3月31日 火曜日

大阪薬科大が2015年3月21日(土)に開催されたオープンキャンパスにお邪魔させて頂きました。

当日は薬学系進学・その後の就職などに関する講演と、キャンパスツアー、個別相談といったものが主なプログラムとなっていました。

講演会の様子です。薬系大学の選択のポイント、就職状況も含めた業界の今後の見通し、入試科目や入学時の偏差値が薬剤師国家試験や就職とどの程度リンクしているのか、といったお話が聞けました。

アンケートに協力した参加者には赤本がプレゼントされるなど、参加者にはお得感があるオープンキャンパスになっていました。

 

 

2016年度中学入試 狙われそうなトピックス

2015年3月30日 月曜日

中学入試、特に社会においては各校とも毎年「時事問題」を出題してくる傾向が強く、入試が近い年末年始になると受験生の皆さんは対策に追われています。

もちろん、入試直前期に「この1年で起こった出来事」をおさらいすることは大変重要なのですが、年の初頭の段階で「これは狙われるだろうな」と思われることについてはあらかじめリストアップしておき、その出来事が起こった時にしっかりと知識をつけてしまう、というのも必要かと思います。

そこで、2015年に行われることが予定されている様々な出来事などについて、まとめてご紹介をしようと思います。

開成教育グループ 入試対策課が厳選をした、「2016年度中学入試 狙われそうなトピックス」は以下の通りです。

入試において出題される「時事問題」は、大きく分けて・・・

①この1年に起こった事
②今年でちょうど○○年が経過した「過去の出来事」

の2つがあります。

「①この1年に起こった事」に関しては、「選挙」などの各種イベントのように「あらかじめ起こることがわかっていること」に加え、事件・事故のような「前触れなく突然起こること」もあります。前者であれば年頭から準備をしておくことが可能ですが、後者に関してはいつ何が起こるか誰にもわからないので、突然の出来事に関してもその都度知識を集められるよう、常にアンテナを張っておくべきです。

つまり、「常に社会の出来事について関心を持っておくこと」が、時事問題対策の最大のポイントになる、ということになります。

もう一つ、「②今年でちょうど○○年が経過した「過去の出来事」」についてもよく出題されます。

これは、タイムリーな話題についての知識や考えを問う、ということが「時事問題」と言うのであれば、若干そこから外れている気がしないでもありません。しかしながら、特定の出来事から一定の時間(きりの良い年数)が経過した今となって思い返す・振り返った時に「何が残っているか」「今にどう影響を与えているか」といった点に思いを巡らせる、ということも大切なことです。

中学入試の時事問題においては上述のように、特定の出来事から10年・20年・100年など「きりの良い年数」となっているものが選ばれる傾向にあります。

開成教育グループ 入試対策課が調べたところ、上の画像にあるような出来事からきりの良い年数が経過しているようです。これらの出来事についても押さえておく必要があるのではないでしょうか。

本命は「山陽新幹線 開業」ではないでしょうか。今年開業の「北陸新幹線」と抱合せの出題も考えられます。開業当時の運転区間と今の運転区間の違いなど、押さえておくことはたくさんあるでしょう。

忘れてはならないのが、時事問題は「出来事の中身に関するもの以外に、そこから派生する物事についても押さえておく必要がある」という点があります。出来事そのものについて問われるのは「初歩的な問題」であり、その周辺や派生した出来事について問われるものは難易度も高めで、合否を分ける問題になる可能性も高くなります。

先ほどの「山陽新幹線 開業」の話題ですと、運転区間各地の名産品・特産物・農産物、運転区間内主要都市の特徴(人口の動きや天候)、などは必ず押さえておくべきだと思われます。

このように、「時事問題」と一言で表しても奥が深いものです。その分、突き詰めて(調べて)いけば「面白い」「楽しい」と思えることもたくさん出てくると思います。

 

2月時点就職内定率 女子またまたアップ・理系ダウン!

2015年3月27日 金曜日

文部科学省および厚生労働省はこの程、大学・短大等の就職内定状況を発表しました。今回のエントリーは、2月時点の大学卒業者の就職内定率データと状況をご紹介いたします。

下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

今回発表されたのは2015年3月卒業予定で就職を希望している大学生の就職内定率です。

青色の折れ線グラフが示しておりますとおり、2015年2月1日現在での内定率は86.7%となっており、昨年同時期82.9%のから3.8ポイント増となり、谷底だった2011年度の77.4%から4年連続のポイントアップとなっています。

厚労省の推計値によると、大学の2014年3月新卒予定者数は56万人(14年56万3千人・13年55万5千人)。この内、今回のこの調査時点での大学就職希望者数は43万1千人(14年42万8千人)となっています。

この大学就職希望者数というのが、年間数回の調査を重ねる度に減っていくのが毎年の流れなのですが、その減り幅が3年前(2012年)を軸にして考えると、2013~2015年の3年間は過去に比べて若干緩やかになっています。以下、今年度数度に渡って調査された際の大学就職希望者数です。参考までに、過去3年分の値と比較しながら見てみましょう。

10月1日調査時点
15年44万4千人(14年44万1千人 13年42万5千人 12年42万5千人)

12月1日調査時点
15年43万8千人(14年43万3千人 13年42万3千人 12年41万6千人)

2月1日調査時点
15年43万1千人(14年42万8千人 13年41万7千人 12年40万6千人)

10月から2月の差
15年1万3千人(14年1万3千人 13年8千人 12年1万9千人)

10月から2月の間に実に約2万人も減っていた2012年度に比べ、2013年度は8千人、2014・2015年度とも1万3千人の減少に留まっています。3年前はまだまだ不況感が強いこともあって企業各社が新卒採用に積極的ではなく、新卒予定者の中で就職を諦めたり、大学院や専門学校などへ進学するなどの進路変更をした、という方が多く出ていた反面、2013年以降からは就職にまっすぐ向かった学生が多く出ていることが推測されます。

2008年以降は国公立大・私立大それぞれの内定率についても表示しています。国公立大89.3%(前年から4.4ポイント増)・私立大85.8%(同3.5ポイント増)となっています。国公立大の伸びが目立って見えますが、昨年は全体の内定率が上がっているにもかかわらず国公立大単体の内定率が下がっている(しかも2年連続)という「不可解」な状況になっていましたので、その分の反動もあるのかと思われます。

ここで、棒グラフでは現れていない国公立大・私立大、それぞれ男女別の就職内定率を見てみたいと思います。

国公立大
男子86.8%(14年82.8%・13年85.8%) 女子92.1%(14年87.2%・13年87.1%)

私立大
男子84.9%(14年82.1%・13年80.0%) 女子87.0%(14年82.5%・13年80.3%)

国公立・私立とも男女共に昨年から値を上げていますが、男子の上がり幅と女子のそれを比較すると、女子の方が上がり幅が大きくなっていることがわかります。ここ数年続いている「女子有利」の状況は変わらないどころかますます加速しているように思えます。

男子の厳しい就職状況について、数字をまとめておきたいと思います。以下の数値は、男子・女子に分けて集計した就職内定率状況です。

男子全体 85.3%(14年82.2%・13年81.3%・12年80.7%)
女子全体 88.3%(14年83.7%・13年82.0%・12年80.3%)

男子は昨年から3.1%の上昇であるのに対し、女子は4.6%もの上昇となり、男女差も昨年1.5%から今年は3.0%にまで開いています。

3年前の調査では男子の就職内定率が女子よりもかろうじて高かったのですが、3年連続で男子の伸び幅よりも女子の伸び幅が上回り、今年を含め3年続いて男子よりも女子の就職内定率が高く出ています。

年を追うごとに、女子の強さが光っていっています。

続いては文系・理系どちらが強いのか?についてです。今回はグラフでのご紹介はしていませんが、文系・理系別の就職内定率も明らかになっています。

文系 86.2%(14年81.2%・13年80.4%・12年79.4%)
理系 88.7%(14年90.7%・13年87.5%・12年85.6%)

2012年で約6%の差をつけて理系が有利だったところから続いて2014年まで理系が有利になっていましたが、今年はなんと文系が内定率を大きく上げたのに対して理系が内定率を下げているという、これまた分析に苦労する結果が出てきています。

ここ数年続いている「女子が強い」という傾向に変わりはありませんが、理系の内定率ダウンを受けて「文系と理系の差が縮まっている」とまとめられます。

 

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京都女子中 5月・6月にオープンスクールを開催

2015年3月26日 木曜日

京都女子中が、5月と6月にオープンスクールを開催されます。

すでにHPやFAXでの参加申込が始まっています。参加ご希望の方は以下の画像をよくご覧頂き、急ぎお申込み下さい(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


京都女子中 オープンスクール

日時:2015年5月10日(日)と6月7日(日) 共に9:30~、14:00~
対象:小学3~6年の女子
内容:学校・コース説明、体験授業、校内見学、クラブ見学、個別相談
定員:250組(各回とも)
申込:京都女子中HPより、もしくは、添付のPDF内にある申込書式に必要事項を記入したものをFAX


昨年までは小5・6年生のみが参加可能、とされていましたが、今年は小3・4年生にも門戸が広げられています(ただし、体験授業は「宗教」「図書館探検」のどちらかのみ)。

また、申込定員についても昨年の200組から今年は250組と、大きく広げられています。

体験授業については、各講座とも定員超過の場合はご希望に添えないこともあり得るようなので、出来るだけお早目のお申し込みをオススメします。

 

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佛教大 2015/3/15日 オープンキャンパスの様子

2015年3月25日 水曜日

佛教大が2015年3月15日(日)に開催されたオープンキャンパスにお邪魔させて頂きました。

当日は紫野キャンパスと二条キャンパスの両キャンパス同時開催、ということでしたので、二条Cにお邪魔をさせて頂きました。

佛教大と言えば、教員免許を筆頭として「資格が取れる」というイメージが強い大学ですが、上の写真の通り、実際に入学された学生の間でも「資格取得に役立つ授業が多い」という点が高く評価されていることがわかります。

実際に取得可能、あるいは受験資格を得ることが可能な資格、については上の写真の通りです。

紫野C・二条Cの2キャンパスには7学部14学科が設置されているのですが、「経済」「法」といった学部が無く、教育や福祉といった学部があるため、就職先についても上の写真のように「一般企業」が占める割合が他大学と比べて低い、というのがこの大学の特徴の一つでもあります。

取得した資格を活かした就職先となっている、という感じですね。

佛教大のオープンキャンパスの様子をご紹介しました。

 

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近畿大 2016年設置の新学部は「国際学部」

2015年3月24日 火曜日

近畿大が2016年4月に第14番目の学部として、東大阪キャンパスに新たに外国語・国際系学部の開設を構想している件はすでに当ブログでもこちらのエントリー「近畿大 日本一の志願者数に加え16年度には新学部誕生予定」ですが、正式な学部名が・・・

国際学部

となることが発表になりました。

以下、近畿大HPに掲載されている情報を基に、新たに設置される国際学部についての詳細をご紹介致します。

この国際学部は、全世界でビジネスパーソンへの高度な語学学習を提供するベルリッツコーポレーション(以下ベルリッツ)との連携協力に基づき、グローバル人材の育成をめざします。

国際学部の特徴は次の通りです。

・入学定員は500名。
・15人以下の少人数語学授業。入学時から能力別の語学教育を徹底。
・学生全員が1年次後期から1年間、海外に留学。留学前の語学集中トレーニングと「留学セミナー」等の留学準備教育でスムーズに留学できるようサポート。
・世界最大級の語学・グローバル人材育成企業であるベルリッツと連携。多くのビジネスパーソンを育ててきた語学教育ノウハウを生かし、社会で通用するビジネス英語を身につける。

また、同学部内には「国際学科」1学科のみが置かれ、その1学科内には以下2つの専攻が置かれることになっています。それぞれの専攻の名称及び取り組み内容は次の通りです。

グローバル専攻
アメリカに1年間留学。留学後は文化・地域・コミュニケーションなどを英語で学べるだけでなく、ベルリッツのノウハウを生かしてビジネス英語も徹底的に学ぶ。4年間でビジネス英語力、コミュニケーション力、異文化への対応力を身につける。

東アジア専攻(中国語コース・韓国語コース)
中国・韓国・台湾のいずれかに1年間留学。アジア地域に関する分野の知識をみにつけ多面的な視野が持てるよう養成。留学中、帰国後も、英語もしっかり学習することで3か国語を操るグローバル人材を目指す。

他大学・学部とは一線を画す特徴的な点としては、「ベルリッツとの連携」「1年次後期からという早期からの留学体験」の2点が挙げられます。

また、1学年の定員が500名、というのも驚きです。関西外国語大、京都産業大並びに摂南大の外国語学部、この辺りからの受験生の流入がメインとなりそうで、志願動向にも注目が集まります。

 

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京都産業大 2015/3/29日にオープンキャンパスを開催

2015年3月23日 月曜日

京都産業大が、2016年度入試に向けたオープンキャンパスを早くも開催されます。

詳細は次の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


京都産業大 オープンキャンパス(3/29日)

日時:2015年3月29日(日)10:30~15:30
場所:京都産業大
主なプログラム:大学紹介・入試説明、進路支援・就職実績紹介、学部紹介・模擬授業・研究室公開、学生企画、キャンパスツアー、個別相談


自然豊かなキャンパスに、同大が持つ文系・理系の全ての学部が揃う「ワンキャンパス」であることが、この大学の大きな特徴です。その規模の大きさをぜひとも体感してきてほしいと思います。

 

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2015年も開催! 神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

2015年3月20日 金曜日

神戸海星女子学院・松蔭・親和・甲南女子という、神戸市の東に位置する女子中高一貫校4校が今年も合同説明会とされることになりました。

詳しくは以下の通りとなっています(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


神戸市東地区女子中高一貫校 合同説明会

日時:2015年3月30日(月)10:00~11:40(受付9:30~)
場所:東灘区民センターうはらホール
(JR・六甲ライナー「住吉」駅 南へ徒歩約2分)
※ご予約は不要


案内チラシには以下のような文言が記載されています。

神戸市東地区の灘区・東灘区は、長い歴史と伝統をもつ私学が六甲山麓に集まる、学びの環境がととのった地。そのなかで、仲間との出会いと素敵な女性へと成長する場を提供してきた、女子中高一貫校四校が女子教育の魅力と各校の特色を紹介します。

 

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関西大 2015/3/28土にオープンキャンパスを開催

2015年3月19日 木曜日

関西大では、2016年度入試に向けた1回目のオープンキャンパスを3/28土に千里山キャンパスで開催されます。

詳細は以下の通りです(画像をクリックすると拡大します)。


関西大 オープンキャンパス(3/28土)

日時:2015年3月28日(土)10:00〜16:00
場所:千里山キャンパス
主なプログラム:関西大学概要説明、関大生によるオリジナルプログラム、保護者対象説明会、入試説明会、AO入試説明会、学部イベント、進学相談コーナー、関大生への質問コーナー、資料配布コーナー


やはり、実際に関西大に通われている学生の皆さんからお話を聞ける機会が一番参考になると思いますので、その点からいうと「関大生によるオリジナルプログラム」「関大生への質問コーナー」の2つは必ず参加したいところです。

 

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文部科学省 253大学に改善を求める

2015年3月18日 水曜日

過日、こちらのエントリー「私立大 「定員超過厳格化」が受験生にもたらす影響」では、都市圏にある大学だけに学生が集中することを防ぐため、文部科学省は今後「定員超過」に対してより厳格に対応していく方針である、ということをお知らせしました。

私立大は国から補助金の交付を受けており、定員(入学定員:1年次の入学定員/収容定員:4年または6年課程全体の定員)の充足率に応じて基準額が調整され、定員超過率が一定以上(つまり「入学生の取り過ぎ」)になっている場合は、補助金が「減額」または「不交付」になります。

このように「入学生を取り過ぎ」ると大学は怒られますが、反対に「定員割れ」も一定の割合を超えてしまうと補助金の減額・不交付の対象となるようです。

補助金にも影響を及ぼすため、著しい定員割れを起こすことが無いよう各大学は知恵を出し、様々な入試制度を創設するなど、あの手この手で学生を確保すべくご努力されています。中には、大学生として相応しいと思われる学力に到達していない受験生もお預かりになっている、そんな大学もあるようです。

そんな状況の中、この程文部科学省は講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。

定員割れを防ぐために各大学が講じている策、無理して入学させたがために学内で歪みを起こしている例、そんな数々をご紹介します。まずは、過日に日本経済新聞が報じたものです。


253校に改善要求 文科省、新設大学など調査
(2015年2月19日(木)日本経済新聞 より)

文部科学省は(2015年2月 筆者補足)19日、新設された大学や学部などが申請通りに運営されているかどうかを調べる2014年度の「設置計画履行状況調査」の結果を発表した。今回調査した502校のうち、253校に対し改善を要求。教員数が基準を下回っていたり、低いレベルの授業で単位を認定したりしていた31校には、早急に見直しを求める「是正意見」を出した。

調査は卒業生をまだ出していない新設の大学や学部、大学院などを対象に05年度から実施。従来は「留意事項」という表現で改善すべき点を指摘していたが、今回から「改善意見」として対応を求め、さらに法令違反など重大な問題があれば「是正意見」を出すことにした。

是正意見に応じない場合は、設置者からの新たな認可や届け出を認めないなどのペナルティーを科す。

是正意見では、教員の質や数に対する指摘が目立った。07年度に開学した岐阜保健短大(岐阜市)は看護学科で教員の退職が相次ぎ、13年度末時点で約5割が入れ替わっていたため、教育の質を担保するよう求めた。純真学園大(福岡市)は大学設置基準上で必要な教授数を満たしていなかった。

教育課程への是正意見も多く、千葉科学大(千葉県銚子市)は環境危機管理学科の「英語1」などが、「大学教育水準とは見受けられない」と指摘された。大学がホームページで公開しているシラバスによると、英語1は「英語論文を理解するためにトレーニングを行う」として、be動詞や一般動詞の過去形などを学習内容に挙げている。

北翔大(北海道江別市)が是正を要求されたのは大学院の学生の募集要項。「可能な限り受け入れる」などの表現について「適切な入学者選抜が行われていない印象を与える可能性がある」と指摘があった。法政大(東京・千代田)に対しては、大学院で定員の超過が続いているとして是正意見を出した。

大学の組織や教育内容を点検する仕組みとしては、今回の調査のほか、すべての大学を対象に、独立行政法人や公益財団法人などの評価機関が7年に1度チェックする制度が04年度から導入されている。文科省は今回の調査結果を参考として各評価機関に提供する予定。


文部科学省は調査結果を事細かにまとめられ、今回の報道の基となる「設置計画履行状況等調査の結果等について」という文書を公表しています。

筆者もその文書を読みました。

今回、改善を求められている大学の多くが「学生が集まっていない(定員を充足していない、0.7倍未満)」「教員にお年を召した方が多い」という指摘なのですが、中には少し驚くようなことも含まれています。

近畿地区の私立大に関してのみ、今回日本経済新聞が報じられた例以外で一部をご紹介しますと・・・
(設置計画履行状況等調査の結果(文部科学省)より抜粋)

・教員免許の取得のためには他学科の授業科目を履修する必要があるにもかかわらず、大学案内等には本学科の授業科目のみで教員免許の取得が可能であると受け取られかねない表現が記載されている(東大阪大 こども学部 アジアこども学科)

・アグリーメント入試について、学生と大学が同意に達したら入学を許可するものとの説明であるが、同意以外の大学側の合否の判断基準が明示されておらず、どのように合否を決定しているのか不明(太成学院大)

・留年生が多数生じており、また、在籍学生の学年ごとの評定平均が下の学年ほど低くなっていることについて、教員が面談を行ったり補習、補講を実施して対応しているとのことである。その一方で、学生確保のためにAO入試の募集定員を増やしていることや、設置計画における進級要件では進級できない学生が多く出てしまうため設置時より進級要件を緩和し、「仮進級」という制度を新たに設けている学科があることを踏まえると、アドミッションポリシーに沿った入学者選抜が実施されておらず、教育研究の質が担保されているのか疑義がある(宝塚医療大)

18歳人口の減少に対し、大学の数や定員数は減るどころか増えていく一方の大学入試の世界。学生を確保しようとするあまり、無理が生じてしまっている大学が少なからず現れているようです。

 

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