「学校選びの道しるべ」 開設5周年を迎えました

2015年1月5日 月曜日

2015年も当ブログ「開成教育グループ 入試対策課 学校選びの道しるべ」をどうぞよろしくお願い致します。

さて、当ブログは昨年12月1日に開設5周年を迎えました。これもひとえに、平素から当ブログをご覧頂いている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。

そんな当ブログですが、過去5年間のアクセス数は次のように推移してきました。

一説によりますと、「一ヶ月で5万ヒットあれば一人前のブログ」と言われているようです。それを真に受けるのであれば、当ブログは2013年の一年間12ヶ月のうち、半分の6ヶ月で5万ヒットを記録しました。

ということで、当ブログはやっとこさ「半人前」といった所にまで来たかな、という思いです。

今後も読者の皆さまのお役にたつような記事を掲載していき、名実ともに「学校選びの道しるべ」となりたい、と改めて心に誓う次第です。

これからもご愛顧をよろしくお願い致します。

 

 

関西大 2014年も併設中高合同説明会を開催

2014年6月23日 月曜日

関西大学系列では、来る7月4日(金)に系列の3中高が一堂に集まって合同説明会を実施されます。関西大学の併設校である関西大学第一中高・関西大学北陽中高・関西大学中高の教育方針や入試概要が一度にわかるという、大変貴重なチャンスです。詳しくは次の通りです(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


関西大学併設中学校・高等学校 合同説明会

日時:2014年7月4日(金)18:00~20:00 【開場17:30~】
場所:ハービスOSAKA 地下2階 ハービスHALL(JR大阪駅(桜橋口)から徒歩7分)
内容:中学校説明会、高等学校説明会、個別相談、資料配布コーナー、制服展示コーナー
定員:中学校説明会300名、高等学校説明会300名
申込締切:2014年6月26日(木)
※ただし、定員になり次第、申し込みを締め切られます


関西大学併設中学校・高等学校が全校集まる説明会です。夕方18:00からの説明会ですので、お仕事帰りの保護者の方でも参加しやすいと思います(ただし、金曜日の開催なので、お仕事の後の「ちょっと一杯」のご予定と重なる方も出てくるかもしれません)。

当日は、各校の説明の他にも制服展示や資料配布も行われるようです。

「進学指導特色校 文理学科フォーラム」 今年も開催!

2014年5月30日 金曜日

大阪府の公立高校入試においては2011年度より10校が進学指導特色校に指定され、「文理学科」が創設されました。大きな変革の時期を迎えていることから、開成教育グループでは保護者の皆様を対象として進学指導特色校「文理学科」の入試制度や入試状況、授業内容などにつきまして、各校のまとまった情報提供の場が必要であると考え、2010年より毎年開成教育グループ主催「進学指導特色校 文理学科フォーラム」を開催しております。

今年につきましては、下記の日時で開催することとなりました。当フォーラムにおいては、進学指導特色校10校のうち数校の校長先生によるパネルディスカッション、卒業生・在校生インタビュー及び文理学科入試状況・入試制度解説、進学指導特色校10校の取り組みのご紹介を予定しております。

詳細は以下の通りとなっています。


進学指導特色校 文理学科フォーラム

開催日:2014年6月15日(日)
開催時間:午前の部 10:00~12:15、午後の部 13:30~15:45
開催場所:アクセス梅田フォーラム(大阪富国生命ビル12階)
JR「大阪駅」、阪急電鉄、阪神電鉄、地下鉄御堂筋線「梅田駅」、地下鉄谷町線「東梅田駅」、地下鉄四つ橋線「西梅田駅」各駅より地下街を通じて直結
内容:
①進学指導特色校校長によるパネルディスカッション 
(午前の部 参加予定校:北野高・豊中高・茨木高・四條畷高)
(午後の部 参加予定校:大手前高・高津高・天王寺高・生野高・三国丘高)
②卒業生・在校生のインタビュー
③文理学科入試状況・入試制度解説、学校取り組みの紹介
対象:文理学科を目指す中学生および保護者
申込:こちらから(https://www.kaisei-group.co.jp/entry_event/


このイベントは、どんな情報誌や説明会よりも、深く文理学科を知ることができるイベントとなっています。来春文理学科受験をお考えの受験生のみなさま・保護者のみなさまにとって有意義な情報を多数ご提供いたします。ぜひご参加ください。

大卒後の年収 学力検査を課されて入学した人は高い

2014年5月2日 金曜日

大学入試において、昔に比べて現在は入試制度が多様化していることは大学受験生やその保護者の皆さんでしたら周知の事実であると思います。

大学入試に存在する多種多様な入試制度は、以下のように大きく「学力検査を課す入試」と「学力検査を課さない入試」に二分できます。

学力検査を課す入試
一般入試、センター試験利用型入試

学力検査を課さない入試
指定校推薦入試、公募制推薦入試、AO入試、附属校・系列校からの内部推薦入試

「公募制推薦入試」が学力検査を課さない入試に入っていることに違和感を感じる方がいると思います。少し補足をしておきますと、公募制推薦入試の中には「スポーツ推薦」「一芸一能」といった、特定の分野に秀でた生徒をほぼ無試験で選抜される入試を含んでいるケースが結構あり、こちらに入れています。

よく聞かれる話として、「AO入試で入学した生徒の入学後の成績はあまり良くない」「一般入試で入ってきた学生はその後の成績や就職でも良い結果を出す傾向にある」といった、入試の種類とその後の「学力」「就職先」といった所の流れについてのものはありますが、社会に出て以降の入試制度別の評価についての話というものはあまり見かけません。

そんな中、興味深いデータを見つけました。この度ご紹介するデータは、上記の「学力検査を課すor課さない」の違いでその後の年収に違いがあるのか?について調査されたものになります。

以下は、「45歳以下の就業者」を対象として調査された、学力検査を課すあるいは課さない入試を経て入学・卒業した人たちの年収を、国公立・私立それぞれにおいて文系・理系別に集計をしたものです(画像をクリックすると拡大します)。

「45歳以下」といいますと、1970年代以降の生まれ、となります。1990年代以降、AO入試に代表されるような大学入試制度の多様化が急速に進みましたが、今回集計対象となった45歳以下というのは、この多様化の中で大学入試を経た世代となります。「学力検査なし」の入試区分で大学に合格した学生が多くなってきて以降が調査対象なので、「学力検査なし」のサンプル数も豊富にあると思われます。

上記のグラフをご覧頂きましたらすぐにお分かりの通り、学力考査を課す入試制度による入学者の年収は学力考査を課さない入試制度による入学者のそれよりも高くなっていることが示されています。この傾向は特に国公立大理系学部出身者で顕著に出ています。

学力考査を課さない入試制度による入学者の年収が低い理由、について考えてみたいと思います。

一番先に思いつくのは、AO入試に代表されるような「学力考査を課さない入学制度」の多くは高3の秋には合格が決まるので、その後3ヶ月~半年ほどはほとんど勉強しないことです。一方で、年明けの一般入試で入学を目指す受験生は集中的に勉強します。その差が大学入学時の学力差を生むこととなり、ひいては入学後の学習の達成度に影響を与えている可能性がある、ということでしょうか。

例えば、立命館大では指定校推薦枠を削り、AO入試や公募制推薦入試からも脱却を果たし、これまで以上に一般入試に募集定員を配分することで「入学者の質の担保」に動いています。他にも、京都橘大の説明会でも2014年度入試からAO入試の実施学科を大幅に減らすことを明言されていたなど、AO入試に関して見直す大学が出てきています。

朝日新聞と河合塾による共同調査「ひらく日本の大学」によりますと、一般入試を拡大し、推薦入試とAO入試を縮小したい、と考える学長が多いことが記されています。設置者別では、特に私立大で一般入試の拡大を望ましいとする割合が41%と高く(国立大20%、公立大23%)、AO入試については、「拡大・増加の方向」と答えたのは回答全体の14%であるのに対し、「縮小の方向」と答えたのは30%となりました。

大学としても、学力検査を課さないAO入試を縮小し、一般入試のような学力検査でしっかりと選抜する方法で学生の「質の担保」を目指したい、ということなのがこれで明らかです。

その考えの根底にあるのは、まずは大学での学業面と就職実績なのでしょうが、今回ご紹介したような「社会に出てからの活躍」の部分も薄々とは(ひょっとすると「はっきりと」なのかもしれませんが)感づいておられるのではないか、と思います。

進路講演会で高校にお邪魔しています(2014年4月)

2014年4月25日 金曜日

「社会貢献活動」の一環として、開成教育グループ 入試対策課はご依頼を頂いた高校に出向き、大学受験に関する講演会を担当させて頂いています。

過去に実施した講演会等でごく最近のものについては以下でご紹介をしています。

2013年度末「あちこちで進路講演会をしています
2014年2月「進路講演会で高校にお邪魔しています(2014年2月)

それらに続きまして、2014年4月にも立て続けに「2つの高校での進路講演会」に加えて「1ヶ所の大学合同説明会でのブース参加」をしましたので、こちらでその様子をご報告いたします。

まずは、大阪府立阪南高へ講演をしてきました。

当日は高3生で国公立志望の方を対象とした講演を担当し、センター試験の話題を中心として50分間たっぷりとお話をさせて頂きました。

参加された皆さんは静かに聞いて頂いている中にも闘志?やるき?を感じさせる方が多く、とてもお話がしやすかったです。

私立大阪夕陽丘学園高にもお邪魔をしてきました。

大学進学を志す高3生の皆さんに向けて「学習法」「受験生としての心得」などについてお話を致しました。

そして、複数の大学が集まる合同説明会において「受験対策コーナー」の担当としても着席致しました。

主に「勉強の進め方」に関する質問が多かったのが印象的です。

と、このようにいろいろなところで講演やブースでの相談を行っています。5・6月にもまた参加させて頂くことが決まっています。

皆さんがお通いの学校で「開成教育グループ 入試対策課」が講演などをしにやってくるかもしれません。その時はどうぞよろしくお願いします。

日経キッズプラス 取材協力した記事が掲載されました

2014年4月22日 火曜日

日経BP社が発行している「日経キッズプラス」という雑誌の、以下画像が表紙の最新号で、開成教育グループ 入試対策課が取材協力をした記事が掲載されました。

取材を協力した記事は、「関西の中学受験で拡大中 プレテストってなんだ?」というタイトルの、4ページからなるもので、記事の中のあちこちで「開成教育セミナー」という名前が出てきています。

元々は、インターネット上で公開されている「日本経済新聞 電子版」の記事として取材協力し、すでに昨年秋に公開をされた記事だったのですが、「記事が大変好評で、読者様からの反響もあったため(取材をご担当された方のお話)」とのことで、今回系列出版社である日経BP社の雑誌「日経キッズプラス」に再掲載頂くこととなった、というのが掲載の経緯です。

今回は誌面の都合で「日本経済新聞 電子版」で掲載されている記事から原稿量が削られておりますが、基本的な内容は全く同じものです。

今回の取材協力でお話差し上げた内容が、読者の皆さんのお役に立てば幸いです。

2014年度薬剤師国家試験 大学別合格率

2014年4月16日 水曜日

去る2014年3月31日に、第99回薬剤師国家試験の合格発表が行われました。

大学別の合格率は次の通りとなっています(画像をクリックすると拡大します)。

上の画像内、左側のかたまりに並んでいる大学は全て「平均合格率60.8%以上」の所となります。右側のかたまりの中に、私立大平均の60.1%という記載が黄色くされていますが、私立大だけの平均合格率は国公立大も含めた全体の平均合格率60.8%を少しだけ下回っている、ということになります。

今回の結果について、簡単に以下に列挙します。

・合格率60.84%で、昨年の79.1%と比べ18.26ポイント低下
・男女別合格率は、男60.57%、女61.03%
・国・公・私立別合格率は、国立が70.0%、公立が71.0%、私立が60.1%
・近畿地区で高い合格率となっているのは以下の通り
5位:京都薬科大学 81.6%
6位:大阪薬科大学 80.0%
8位:近畿大学 79.2%

薬学部を目指している受験生の皆さんの進学先選びの参考になれば幸いです。

受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?④

2014年3月20日 木曜日

当シリーズでは、スマートフォン(スマホ)がもたらした多くの「功罪」のうち、教育・学習にもたらした「負」の部分にスポットをあて、特に中高生にスマホあるいはそれを介したインターネットなどと上手に付き合うことを推奨するものです。

初回のエントリーである「受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?①」では、文部科学省が全国学力テスト実施時に行ったアンケート結果と成績との相関関係を分析したものをご紹介し、ネット依存の傾向が強い生徒ほど学力テストの成績が低い、という事実をお知りいただきました。

2回目となるこちらのエントリー「受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?②」では、1日のスマホ利用時間が長ければ長いほどテストの平均点が低くなっている、という例をご紹介しました。

3回目であるこちら「受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?③」は、これまでご紹介してきた「学力低下」という悪影響のうちのほんの一部に関する話から少し視野を広げ、「成績低下」は一つの「結果」であり、スマホ依存が引き起こす成績低下の「過程」には、「睡眠時間が短くなる傾向にある上、入眠困難など睡眠の質が悪い、午前中に調子が悪い、楽しい日常生活を送れなかった、いつもより気分が落ち込む」といった日常生活・健康・精神の面で問題が起こっている、ということに目を向けなければならない、という点について認識を新たにしました。

最終回である今回は、これまでご紹介した話をまとめ、受験生・保護者の皆さんにスマホとの付き合いについて改めてお考え頂きたいと考えています。

知らない・わからないこともすぐに調べられますし、大事な一瞬もデジカメという別な物体に頼らず記録できますし、なんだったら机の前に座っていない状態でも動画やアプリで勉強を進めることだってできるなど、スマホは大変便利な道具です。

スマホの技術が発展することも良い事でしょう。過日には、2016年の実用化を目指し、パナソニックが大手自動車メーカーと連携し、ラジコンの要領でドアの開閉やエンジンの始動・停止のほか車庫入れの運転などをスマホで操作できるシステムを開発する、という報道がありました。「近未来」という言葉がすぐそこに迫ってきている、そんな感覚です。

普及が進むことも基本的には良い事だと思いますものの、特に中高生に何の教育もなくただスマホそのものを渡すだけ、ということには疑問が残ります。

そう思わせるものは何なのか?ということで、こんな例をご紹介します。いずれも、スマホを買ってもらったら・買い与えたら「負」の方向へ行ってしまった、というものです。

①大阪のとある私立進学校(高校)での話。例年よりもレベルが高い生徒が多数入学した学年であるにもかかわらず、その学年は赤点の生徒が例年よりも多い。赤点の生徒全員と面談をした結果、そのほとんどが「高校入学のお祝いにスマホを買ってもらった」という生徒だった。

②「スマホを持っていなくていじめられる(かもしれない?)からスマホを買ってほしい」と言われて子どもに買い与えたら、スマホを介したインターネット上で子どもがいじめにあってしまった。

10~18歳の子どもと同年代の子を末子に持つ保護者を対象に実施した携帯電話・スマートフォンのフィルタリングなどに関するインターネット調査結果によると、子どものスマートフォン利用率は30.6%になり、前回調査の14.4%から2倍以上の増加。スマートフォンを利用していない子どもでも56.8%が今後使用したいと回答しています。

子どもたちからの「熱烈なお願い」は避けて通れないと思います。各ご家庭では「ネットリテラシーを教える」「機能を制限する」といったネットあるいはスマホそのものについて対策を講じたり、「親との約束は守る」「携帯代の○○○○円を稼ぐ大変さ」といったネットやスマホから離れた、もっとベースとなる部分での教育が必要だったり、といろいろと対応すべきことがあると思います。

また、既にネット依存状態になってしまった子どもについては、親との信頼関係が崩れてしまっている場合が多いそうです。反対に、普段から「子どもの話をちゃんと聞く」ことに代表されるような「精神的な交流」を子どもと持てているのであれば、スマホを買い与えても特段問題は無いかもしれません。

これを機会に、保護者の皆さまの子どもとの接し方や携帯・ネット利用についても一度振り返ってみる、というのも必要かもしれません。

長々と続けてきました当シリーズもこれで終了とします。

受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?③

2014年3月11日 火曜日

当シリーズでは、スマートフォン(スマホ)がもたらした多くの「功罪」のうち、教育・学習にもたらした「負」の部分にスポットをあて、特に中高生にスマホあるいはそれを介したインターネットなどと上手に付き合うことを推奨するものです。

初回のエントリーである「受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?①」では、文部科学省が全国学力テスト実施時に行ったアンケート結果と成績との相関関係を分析したものをご紹介し、ネット依存の傾向が強い生徒ほど学力テストの成績が低い、という事実をお知りいただきました。

2回目となるこちらのエントリー「受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?②」では、1日のスマホ利用時間が長ければ長いほどテストの平均点が低くなっている、という例をご紹介しました。

3回目となる今回は、これまでご紹介してきた「学力低下」という悪影響のうちのほんの一部に関する話から少し視野を広げ、スマホ依存が中高生にもたらす悪影響の全体像あるいは実態について迫ってみたいと思います。

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スマホ普及で中高生「ネット高依存」増える 親はどう対処すべきか
(2013年12月1日J-cast News 一部抜粋)

警視庁は2013年11月28日、中高生の携帯電話、インターネットの利用等についてのアンケート調査結果を公表した。

調査は13年7月1日から20日まで、都内の中学、高校の2・3年生4249人を対象に行い、有効回答率は97.8%だった。

スマホの保有率は、中学生で42%、高校生では74%と高い割合となった。

「手元にないと不安」「インターネットをしているとほっとする」など携帯電話への依存を示す15項目のうち、4項目以上当てはまる「高依存」状態にある生徒は31%で、そのうち82%はスマホ利用者だった。

高依存の生徒は、携帯を使うことで「寝る時間が遅くなった」(61%)、「メールをいつも気にする」(50%)、「成績が悪くなった」(32%)、「家族との会話が減った」(22%)など、生活に悪影響を受けたと回答する割合が高くなっている。

さらに、保護者との約束を破る、夜遊び、家族の金品を盗るなど問題行動の経験では、6項目全てで高依存の生徒の方が低依存の生徒より経験率が高く、ネット依存が日常生活に悪影響を及ぼしていることが浮き彫りになった。

中高生のネット依存の傾向を示す調査結果はこれまでにもあった。

厚生労働省の研究班が13年8月に発表した、12年度の中高生のインターネット利用状況に関する調査結果では、「インターネットに夢中」「インターネット離脱症状がある」「インターネット使用による生活支障がある」など8項目の質問のうち3~4項目に該当する生徒を「不適応使用」、5項目以上に該当する生徒を「病的使用」に区分したところ、不適応使用は全国で104万7000人、病的使用は51万8000人という推計が出た。

不適応使用、病的使用の生徒は、睡眠時間が短くなる傾向にある上、入眠困難など睡眠の質が悪い、午前中に調子が悪い、楽しい日常生活を送れなかった、いつもより気分が落ち込むことが多かったと回答する割合が高くなっている。

リクルート進学総研が13年6月、全国の高校生800人を対象に実施した調査では、スマートフォン所有者440人のうち、利用シーンで「起床後すぐに」「布団・ベッドに入ってから寝るまで」と回答したのはそれぞれ49.8%、53.0%だった。

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多くの情報がぎっしり詰まった記事です。

前半部分は「携帯電話への高依存状態にある生徒のうち82%はスマホ利用者」ということと、その高依存状態にある生徒は「生活に悪影響を受けたと回答する割合が高くなっている」という事実が記載されています。

後半部分には「依存」とはまた別の言葉として、「不適応使用」「病的使用」という、インパクト大のワードが出てきています。ここまでくると、前半部分で記載があるような悪影響の例とは比較にならないような、健康面あるいは精神面の不調という大変深刻な状況にまで陥っているようです。

「成績低下」は一つの「結果」であり、スマホ依存が引き起こす成績低下の「過程」には、上の記事で記載があるような「睡眠時間が短くなる傾向にある上、入眠困難など睡眠の質が悪い、午前中に調子が悪い、楽しい日常生活を送れなかった、いつもより気分が落ち込む」といった日常生活・健康・精神の面で問題が起こっている、ということに目を向けなければならない、ということがこの記事からわかります。

これまでの「~①」「~②」のエントリーでは「スマホ依存が成績低下を引き起こす」という新聞記事をご紹介しましたが、「問題」はそれらの記事では触れられていないもっと深刻で根深い所にある、ということを改めて知る必要がありそうです。

次回のエントリーでは、このシリーズを簡単にまとめたいと思います。

受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?②

2014年3月5日 水曜日

受験生・保護者は必見 スマホ依存は学力低下を招く?①」に続くエントリーです。

当シリーズでは、スマートフォン(スマホ)がもたらした多くの「功罪」のうち、教育・学習にもたらした「負」の部分にスポットをあて、特に中高生にスマホあるいはそれを介したインターネットなどと上手に付き合うことを推奨するものです。

初回のエントリーでは、文部科学省が全国学力テスト実施時に行ったアンケート結果と成績との相関関係を分析したものをご紹介し、ネット依存の傾向が強い生徒ほど学力テストの成績が低い、という事実をお知りいただきました。

2回目となる今回もまた、スマホの過度な使用が学力に悪影響を与えている、という例をご紹介します。

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長々スマホ、学力に悪影響 仙台市教委と東北大、中学生調査
(2013年12月19日河北新報 一部抜粋)

仙台市教委と東北大でつくる「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト委員会」は、子どもがスマートフォン(多機能携帯電話)やテレビゲームを長時間利用した場合、勉強時間の長さに関係なく学習効果が薄れる可能性があるとの調査結果を公表した。

4月に市内の中学生約2万4000人を対象に実施した生活・学習実態調査を基に分析した。1日当たりの利用時間を「ゼロ」から「4時間以上」までの6段階、家庭での学習時間を「30分未満」「30分~2時間」「2時間以上」の3段階で回答してもらい、市標準学力検査の数学の平均点との相関関係を調べた。

家庭学習を2時間以上している層で見ると、携帯電話の利用を1時間未満にとどめている生徒の平均点は75.0点なのに対し、利用が4時間以上は57.7点で、17.3点の開きがあった。ゲームも1時間未満が74.1点、4時間以上が59.1点で大きな差が出た。

家庭学習が30分未満の層についても、携帯電話を4時間以上利用する生徒の平均点は47.8点で、1時間未満の63.1点を大幅に下回った。ゲームは1時間未満が62.4点、4時間以上が50.4点だった。

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記事の引用部分に貼り付けた画像を見ている限り、スマホを全く利用しない層よりも1時間未満で利用している層の平均点がやや高くなる傾向があるように見えますが、この辺の理由等は今一つよくわからないものの、1日のスマホ利用時間が長ければ長いほど平均点が下になっていることは、誰の目にも明らかです。

スマホを1日に4時間以上利用・・・。一体そんなに何をやることがあるのだろうか?と思う所もありますが、彼らには「やりたいこと」がそこにあるようです。ただ、度が過ぎる状態が長く続くと、「スマホが手に無いと落ち着かない」などのネット無しの生活に戻れなくなる「ネット依存」状態に踏み入ってしまうことになるでしょう。そうなると「成績下降」だけではなく、日常生活にまで支障をきたすような深刻なことにもなりかねません。

次回のエントリーでは、スマホあるいはネット依存が「中高生の間でどれほど(あえて言います)蔓延しているか」や「日常生活に悪影響を及ぼしている例」をご紹介します。