畿央大 看護士・管理栄養士は2年続けて国試合格率100%

2015年7月6日 月曜日

畿央大の高校予備校対象説明会にお邪魔させて頂きました。

開学から13年目を迎える、資格系の学部・学科を中心に2学部5学科を揃えた、女子比率が高い大学です。

ここ数年で大阪府からの入学者が増えています(占有率は昨年47.4%・今年51.3%)。大阪に次ぐ2位は奈良(28.8%)となっています。

在籍生に対し「勧めたいと思いますか」と聞いたデータでは、大学全体で「YES」が84.8%であるのに対し、学科別に看護医療学科のみ「YES」が72.1%と極めて低い値となっています。これは、国公立残念組の不本意入学が多いことに起因している、と分析されていました。

2011年度入学者の学科別退学・留年率が公開されています。大学全体で退学21名・留年34名となっており、特に理学療法学科で退学8名・留年13名と高率になっています。思っていたのと中身やしんどさが違う、といったものが主な理由になっている様子です。退学・留年防止策として「チューター制度」で支援を実施する、というものが挙げられていました。

学科別の特徴や現況は以下の通りとなっています。

理学療法 関西初の四年制私立大で、これまで約570名の理学療法士を輩出し、9期生までの就職率98.1%で、ほとんどが病院への就職を果たしている
看護 4期生まで卒業。保健師は20名程が可能で、助産師は院で1年の学習が必要
健康栄養 2年次からコース分けをし、臨床栄養・スポーツ栄養・食品開発の3つに分かれる
人間環境 2年からコース分けをし、建築まちづくり・インテリアデザイン・造形デザインに分かれる
現代教育 入学時にコース分けをし、学校教育・幼児教育・保健教育の3つに分かれる(定員なし)

畿央大が強みを発揮している、就職・資格取得実績についてです。

今春卒業生の就職率は96.4%(14年度95.5%・13年度97.9%・12年度91.2%)で、学科別就職率は以下の通りとなりました。

理学療法98.1% 看護医療98.7% 健康栄養95.9% 人間環境94.4% 現代教育95.7%

資格面ですが、看護師・保健師・管理栄養士それぞれの国家試験合格率が100%となり、特に看護士・管理栄養士は2年続けて100%を達成しています。また、昨年100%だった理学療法士は今年98.1%と、少し残念な結果になりました。

同大では「100%の進路保障を目指す」という目標で活動されており、その証拠として就職未決定者全員の理由まで把握していることを公表されていました。驚きのデータです。

2015年度入試結果についてです。

のべの志願者数は今春9,071名。昨年8,235名から約10%の増加となり、一昨年9,199名規模に戻り、一昨年に次ぐ過去2番目に多い志願者数となりました。その結果、近畿地区で16番目(昨年17番目・一昨年17番目・3年前18番目)に位置する志願者の多さとなっています。

のべの志願者数は上記のような結果となりましたが、理学療法・看護医療で「実志願者数」が昨年から減っている模様です。

公募制推薦は、昨年は5つ全ての学科で志願者数が増加(特に健康栄養と現代教育は13~14%増)しましたが、今年は理学療法と看護医療で志願者数減となっています。

中期と後期での志願者の増加率が高く、最後まで頑張るストイックな受験生がたくさん集まっているのが今年の最大の特徴となったようです。

看護医療は一般前期・センター前期・センター中期でも志願者数減となり、周辺大での看護学科新設の影響を大きく受けたことがわかります。併願私立の1位が例年は大阪医科大だったそうですが、今年は同志社女子大だったとのこと。また、この学科は国公立大との併願が多いとのデータもあり、受験生のレベルの高さもうなずけます。

センター利用の合格最低得点率についてですが、理学療法と健康栄養は80%台の場合もあるとのことで、こちらもかなりのレベルの高さを維持しています。

2016年度入試に向けた主な変更点は以下の通りです。あまり大きな変更点はありません。

①AO入試において、「課題論文方式」を廃止、「自己推薦方式」を「リーダーシップ方式」に変更、「グローバル方式」を新設
②公募推薦における「プラス小論文方式」を廃止
③一般前期(A~C日程共通)における「2科目型T方式」を廃止

 

関連記事:
畿央大 2015/3/29日 オープンキャンパスの様子
畿央大 理学療法士・看護師・管理栄養士全て合格率100%!

 

 

金光大阪中 大学合格実績向上の影に6年一貫生の奮闘

2015年7月4日 土曜日

金光大阪中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

今春の大学合格実績が大幅に向上しています。

国公立大11名(昨年8名)  関関同立98名(昨年54名)
産近甲龍佛139名(昨年130名)  薬学看護医療系17名(昨年15名)

大学合格実績をコース別に見た場合、以下のような割合で6年一貫生が占めています。特に、関関同立の合格実績の半分を6年一貫生が占めていますが、母数を考えますと圧倒的に6年一貫生が少ない(1学年で恐らく50名弱?)中での過半数超えとなっていることから、一貫生の健闘が光ります。

関関同立 一貫文系44%・一貫理系7% ⇒ 一貫生51%
産近甲龍佛 一貫文系32%・一貫理系13% ⇒ 一貫生45%

従前は「クラスは混合、授業は6年一貫生と高校入学生を分けて実施」という形だったものを、今春卒業した学年より「クラス分けそのものから6年一貫生と高校入学生とを分割し、授業もこれまで通り分けて実施」という形にされています。それが奏功したのでしょうか。

2015年度入試結果についてです。

中学入試では入学者数は31名となり、昨年に過去最高をマークした49名から大きくダウンとなり、一昨年の34名に近い数となってしまいました。ただ、古い資料によると、2002年度は11名の入学者数だった模様なので、それに比べると多くはなっています。

昨年は開校以来初めて入学者数のうち半分以上(49名中25名)が女子となりましたが、今年は23:8で男子比率がまた高いという、これまでの比率に戻ってしまいました。

 

関連記事:
金光大阪中 入学者数過去最高+女子過半数超えも初

 

 

京都文教中高 中学は新コース体制「ACT」が始動

2015年7月3日 金曜日

京都文教中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

中学校では、新コース体制「ACT」が始動となります。

詳しくは後述しますが、今春の京大医歯薬コース非開講もあり、コース制度を一新し、「ACT」という名称とされます。ACTは「Active 自ら学び」「Creative 自ら創り」「Thinking 自ら考える」の頭文字をとり、思考力・判断力・表現力を育む教育内容とするものです。

αとβに分けて募集をし、中1終了時点で全員αに引き上げることを目標とされます。α・βとも英国数の徹底指導に注力されます。

α 基本事項を確実に定着させ、自ら演習に取り組む習慣を身につける。
β 規則正しい生活の定着、基本的な内容を覚える。身につけた事項の活用。

中2・3進級時は、それぞれ前年次の学習定着度(定期考査の評定、実力テスト、学習活動の様子、出欠状況)によってクラス分けをされます。また、中2で英検3級以上、中3では英検準2級以上の取得を目指すとのことです。

高校における各コースの重点ポイントは以下の通りです。

特進(クラスA・B) 国公立大・難関私立大合格者数の増
特進(国際英語専攻) TOEIC目標の達成
進学 中堅私立大以上の合格者数増(放課後特別授業の実施、モーニングクイズの徹底・充実)、学校生活の充実(放課後特別講座の実施、部活動の充実、行事の充実)

大学合格実績についてです。

卒業生272名中、大学には179名(65%)が進学されたそうです。他、短大13%、専門学校14%、就職1%、19名(7%)が浪人となっています。

国公立大15名(昨年11名)、関関同立41名(昨年26名)、産近甲龍佛61名(昨年52名)という合格者数。全般的に合格実績が上向いているだけでなく、国公立では初の医学部医学科合格が出るなど、医歯薬・獣医にしっかり通るようになってきているのが特徴です。

京大医歯薬コースは3期生が今春卒業。国公立合格者数は1名となり、卒業生数が年々減っていることもあって、昨年5名・一昨年8名と年々落ちてしまっています。

京大医歯薬以外のコース別の進路先状況は以下の通りです。

特進(クラスA) 四年制大68% 京都文教大4% 専門4% 浪人24%
特進(クラスB) 四年制大62% 京都文教大5% 短大2% 京都文教短大2% 専門18% 浪人11%
国際英語 四年制大75% 京都文教大5% 専門10% 浪人10%
体育 四年制大77% 京都文教大3% 短大2% 京都文教短大2% 専門14% 就職2%
進学 四年制大38% 京都文教大19% 短大5% 京都文教短大19% 専門17% 就職1% 浪人1%

併設の京都文教大には29名が合格されたとのことでした。

2015年度入試結果についてです。

中学入試では、志願者数150名(昨年210名)に対し、71名(昨年93名)が入学となりました。

B日程終了時点で京大医歯薬コースの非開講を決定し、C日程では募集をしないというご決断をされたそうです。それまでの同コース合格者にもその旨を伝達し、入学の際は特進コースでの入学とすることとし、それを承諾の上で1名がご入学となったそうです。

高校入試では、内部進学も含めた入学者数は308名となり、ここ約10年で最も入学者数が多かった昨年の372名から大きく減少となりました。

特に最も定員・志願が多い進学コース入学者数(外部)が162名で、併願戻り率が昨年8.96%から今年3.74%にまで減り、併願入学者数が昨年93名⇒今年40名と大きく減少しています。

2016年度入試に向けた情報です。

中学入試では、前述の通り、コース制を一新。ACT αとACT βでの募集とされます。

入試日程は1/16土AM・1/16土PM・1/19火・2/3水 の4回の設定となっています。

1/16土AM・1/19火は算国+理or社の3科受験とし、他2回は2科での受験となっています。ただし、2科受験の2回に関しては通知表の点数化が課されることになっていますので、ご注意ください。

午後入試のみ面接は課されませんが、その他3回の入試では面接が課されることになります。

高校入試に関しては特に発表はありませんでした。

 

 

大阪青山大 今春より看護学科新設

2015年7月2日 木曜日

大阪青山大の高校予備校対象説明会にお邪魔させて頂きました。

上の画像にもあります通り、同大には今春より看護学科が開設されており、健康科学部1学部内に健康栄養学科・子ども教育学科・看護学科の3学科の構成となっています。

既存学科のご紹介です。

健康栄養学科は管理栄養士養成課程(必修88単位)となっており、充実した基礎教育・キャリア教育を土台とし、調理技術習得にも注力しながら人間栄養学の実践指導者を養成することが目的となっています。

その健康栄養学科からの今春の管理栄養士国家試験の合格率が100%となりました。以前は受験者40名中合格がわずか18名で合格率45%だったことがあったという事実を考えると、飛躍的な上昇となっています。

子ども教育学科は開学科時から「健康子ども学」の視点を持ち、初年次教育・キャリア教育での徹底した少人数制・チームティーチング、上級年次生の初年次教育参画、ピアリーダー制度の運用といったことを実践。キャンパス内に子育て支援室を設置し、箕面市との連携を行うなど地域貢献も果たしておられます。

そして、今春開設の看護学科では、必修115単位の看護師養成課程となっており、看護実践能力の育成を軸とし、伝統文化の学びも含めて基礎教育に幅広さをもたせ、治療食や病児保育についてなどの他学科との連携についても注力するなどされています。

就職状況です。

今春卒業生の就職率は97.5%。健康栄養学科90.0%、健康こども学科(現 子ども教育学科)98.6%、といった状況です。

求人件数が一般企業805件⇒1280件、保育・教育職1169件⇒1331件と前年度から飛躍的に伸びており、景気回復がここでも見て取れます。

2015年度入試結果ですが、新設で注目された看護学科は定員80名に対して志願269名・合格130名。推薦入試では1.06倍と落ちついた倍率でしたが、一般では3.04倍となり、1倍台である他2学科と比べて高い倍率となっています。

2016年度入試に向けた主な変更点は以下の通りです。

①公募推薦入試に「専願優遇制度」を導入
②一般入試A日程で2方式選択制を導入
③看護学科においてセンター利用型を新導入
④AO入試における出願資格の変更

 

関連記事:
近畿地区主要私立大 注目の新設学部・学科 最新偏差値①

 

 

大阪樟蔭女子大 キャンパス統合・新校舎で人気大幅増

2015年7月1日 水曜日

大阪樟蔭女子大の高校予備校対象説明会にお邪魔をさせて頂きました。

大阪府下初の女子大として開学し、現在では3学部7学科を擁する大学です。今春より関谷キャンパスから小阪キャンパスへ学部を移転させ、キャンパス統合を果たしています。同時に、移動してきた健康栄養学部には新棟が用意され、最新の設備の下で学ぶことが可能となっています。

学部・学科構成は次の通りです。学芸学部は複数学科を持ちますが、他2学部はコースや専攻で分かれています。ただし、学芸学部内各学科(化粧ファッション学科除く)に関しても2年次や3年次にコース選択するようになっています。

学芸学部
国文学科・心理学科・化粧ファッション学科(現 被服学科)・国際英語学科・ライフプランニング学科

児童学部
児童学科(子ども芸術表現コース・子ども心理教育コース・臨床保育福祉コース・教科教育コース)

健康栄養学部
健康栄養学科(管理栄養士専攻・食物栄養専攻)

健康栄養学科 管理栄養士専攻では管理栄養士国家試験合格率が2年連続100%を達成し、4年間で平均98.6%と安定した合格実績となっています。

児童学科では5年間で300名以上がトリプルライセンスを取得するなど、西日本で最も伝統と実績がある児童系学科となっています。

大学全体の取り組みとしては、「専任教員1名に対して学生6.7人」「アドバイザー制度」「オフィスアワー制度」といった、徹底した少人数教育の実践により学生と教員がコミュニケーションを図りながら学べる環境を確保している、という点が魅力です。

2015年度入試結果です。

志願者数が大幅増となりました。キャンパス統合と新校舎による効果であろうと推測します。

AO入試は対前年比128%で、特に児童・被服で増加。推薦A スタンダード型だけを見ても対前年比145.5%と大幅増となり、特に志願者のうち70%(管理栄養士専攻は75%)が高得点型と併願しているようです。

管理栄養士専攻では推薦入試においては歩留り率が大幅に上昇するなど、第一志望者が増えた様子です。

そして一般入試でも125.3%と志願増となりました。

管理栄養士専攻センター利用型3科では合格ラインに届かない出願ばかりだったので、合格を出していないそうです(想定では70%がラインだったとのこと)。

2016年度入試についてです。

全入試でネット出願が可能に。ネット割は行わないものの、検定料自体を35,000円から30,000円下げ、2回目以降も10,000円とするなど、複数受験も受けやすくなっています。

1回の出願で第3志望までの出願が可能で、入学検定料は1回分で可能となっているのも特徴です。