大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①

2010年3月3日 水曜日

今年の大阪府公立高校入試ですが、2月23日(火)に行われた前期選抜の合格発表が3月2日(火)に行われました。前期選抜で残念な結果に終わり後期選抜も受験することになった受験生もたくさんいると思いますが、気持ちを切り替えて後期選抜までのあと2週間を前向きに、効率の良い学習を進めてほしいと思います。

後期選抜は3月16日(火)に行われますが、出願締切は10日(水)となっています。それまでの間、自分が進むべき道について納得のいくまでしっかり悩んでください。

当然、開成グループの各教室では公立高入試に向けて「最後の追い込み」に全力投球するわけなのですが、受験生個人としては「残り2週間の家での学習をどう進めていくのか?」についても、受験校の決定と同じように大いに悩むところです。

今回から数回に分けて「あるデータ」をご紹介していきますので、効果的な勉強をしてもらう手助けにしてもらえればと思います。

その「データ」とは一体何なのでしょうか?

毎年、公立高校後期選抜の合格者を調査対象としていろいろと分析されたものが大阪府教育委員会から出されています。どういったものが公表されているのかというと・・・

①教科別の平均点(80点満点を100点満点に換算した点)
②各小問題で答えが書かれていないものの割合(無答率)
③各小問題での評定段階別の正解率
④問題についてのコメント

といったものです。これらのデータを活かせば過去問を解く上で「絶対に正解しておかないといけない問題」「出来なくてもそれほど心配ない問題」といったことや「試験を受けるにあたって注意すべき点」がわかります。

ただ、このデータを見るときには1つ注意点があります。「合格者の無作為抽出標本調査」という方法が採られているという点です。・・・簡単に言うと「後期選抜を受験した受験生の全員のデータではない」ということです。「合格者だけ」、それも「全員ではない」という点がポイントです。

今回は「教科別の平均点」についてご紹介します。下の表には各教科の過去3年分の平均点がグラフで示されています。ご存じのとおり、大阪府公立高校後期選抜はどの教科も80点満点となっています。下の表に出ている数字はそれを100点満点に換算して計算したものになっていますので、ご注意ください。

国語を例にとって見てみると、2009年度(昨年)は「58.6」とありますので、それを80点満点に換算すると

80×0.586=46.88

となります。ですから、去年の国語は80点満点中大体47点が合格者の平均点だった、ということになります。それを踏まえた上でグラフを見てください(クリックすると拡大します)。

科目別平均得点

グラフの中に数学・英語それぞれに「A」と「B」があります。数学と英語はそれぞれA問題とB問題のうちから各高校が自由に選択することになっています。次の後期選抜ではどの学校がどちらの問題を選ぶのか、については当日にならないとわかりません。

さて、毎年作られる入試問題は出来るだけ問題の難しさを一定に保つように工夫はされていますが、どうしてもその年その年で難しさが少しずつ異なります。ですから、問題が難しかった年、逆に簡単だったという年、が起こってしまいます。

上のグラフを見てみると、国語・社会・理科の3教科については最近3年間の中で去年が一番平均点が低かった年になっています。「赤本3年分やったら去年の問題が一番点数が低かった、やばい!」という受験生も多いかもしれませんが、去年の国・社・理の3教科については全体の平均点が低いことを考えれば自分の点数が低いのも「ある程度までならば」仕方がないと判断できます。

去年の過去問を解いて落ち込んでいた受験生の皆さん、どうでしょうか。少しは気が楽になりませんか?

同じように過去3年間の平均点(100点満点に換算されたもの)と自分の各教科の出来とを比較して冷静な判断をするようにしてください。

次回以降では、去年の5教科それぞれについて小問題ごとの正解率や簡単なコメントなどを順番にご紹介していきます。大阪府公立高 後期選抜を受験する受験生はこのブログから目が離せませんよ!

龍谷大学 後期入試に向けて

2010年3月2日 火曜日

龍谷大の後期(C日程)入試向け対策講座に参加してきました。

後期一般・センター利用共にすでに出願が締め切られていますが、今回も「最後まであきらめずに頑張る」受験生の皆さんのために、いろいろな情報をお届けしたいと思います。

龍谷大の今年の入試の状況ですが、大きく経済学部の志願者数が減っているようです。前期一般であるA日程で約2割減少、同じく前期一般のB日程では3割減っている、とのことでした。他の大学と同じように、やはり「資格・就職に直結する学部が良い」ということで、特に法学部などに受験生が流れてしまっているものと思われます。

今回の説明会では英語の対策講座も行われました。それについてお伝えしたいと思います。

龍谷大の英語は大問4つで構成されており、試験時間は70分となっています。解きにくい問題があるという訳ではなく「ごくごく標準的なレベル」の問題、かつ、問題量も適切な量となっており、比較的対策のしやすい内容となっています。ですから、この後期入試で初めて龍谷大を受験する方でもすぐに傾向になれることが出来ると思います。

さて、大問ごとの出題内容・問題数・理想的な解答時間などについて表にまとめてみました。

龍谷大 C日程英語

大問全体の配点については大学から発表になっていますが、1問あたりの配点については公表されていません。よって、その部分についてはあくまで「予想」だということをご了解ください。

大問1の長文が全配点の約半分を占めており、ここが合否を分けるポイントであることがお分かりいただけると思います。この大問では15問出題されていますが、「熟語を問う」という基本的なもの、「複数の意味を持つ単語について、この場合の適切な意味を選ぶ」というような単語・語法に関するもの、長文問題らしい「文脈に関する問題」など、実にいろいろな角度から出題されます。試験時間の半分をかけてでも、丁寧に取り組んでほしいと思います。

同じ長文の大問2は、大問1とは異なり長文自体が短く、出題内容についても単語・熟語・文法といった細かいことは問われずに文脈把握などの読解に関するものが出題されています。

大問3の会話と大問4の整序は、共にセンター試験で類似した問題が出題されていますので、そちらも合わせて解いておくと良い対策になると思います。

龍谷大の後期一般(C日程)入試は3月7日(日)に実施されます。それまでの残された時間は、これまで使ってきた単語集・熟語集・問題集と赤本、場合によってはセンター試験問題も合わせて、対策を進めていきましょう。

立命館大学 後期入試に向けて

2010年3月1日 月曜日

立命館大の3月入試説明会に参加してきました。

立命館大 3月入試説明会

3日間・5会場で実施されたこのイベントですが、大学の方がおっしゃるには「昨年よりも参加者が多い」とのことです。大学入試の終盤戦、3月という最後の最後まで頑張り通して立命館大を狙う受験生たちがこの説明会にたくさん集まっていたわけですが、大学の方から「指定校や推薦などで年内で合格を決めてしまう受験生よりも3月まで頑張った受験生の方が入学後のレベルが高いことが多いので、皆さんに期待しています」との言葉がありました。

立命館大の一般後期の実施日は3月5日(金)、残念ながら一般後期の出願は2月24日(水)で締め切られていますが、センター利用型の入試については3月4日(木)までの受付となっています。インターネットでの出願も可能です。

さて、今回の説明会で仕入れてきた情報としては

①今年の前期一般試験の志願動向
②後期一般入試に向けての対策ポイント

の2点です。順番にご紹介を致します。

①今年の前期一般試験の志願動向
今年の立命館大は志願者数が全体的に減っており、昨年の「91.3%」の志願者数、人数にして約6000人の減少となっています。簡単に言うと「狙い目」になっています。今年は「スポーツ健康科学部」が新設されたのでその分の志願者数の上乗せがあるので、普通に考えれば全体としては志願者数が増えるはずなのですが・・・。どうやら、極端に受験生が集まっていない学部があるようです。

次の表は前期一般入試において昨年よりもどの程度の志願者数を集めているのか?というものを学部別に示したものです。100%よりも高い数値となっているところは昨年よりも志願者が集まっている、つまりは人気があるということになります。逆に100%を下回っている学部は今年は昨年よりも人気がない、ということになります。

立命館大 前期志願状況

表を見てみると、極端に志願者数が増えた学部というのは無い一方で、昨年から2割以上も志願者数が減っている学部がいくつもあることに気がつきます。大きく志願者数が減っている学部のいくつかについて、考えられる原因を説明してみたいと思います。

政策科学と映像は、共に「募集定員が少ない」という共通点があります。「定員が少ない=合格しにくい」と受験生が判断し、敬遠したのでしょう。

経営も大きく志願者数を減らしています。これは「昨年の合格最低点が高すぎたので、受験生が嫌がった」という見方が一番有力でしょう。他にも、不況を受けて「資格・就職に結びつきやすい学部に志願者が流れた」ということもあると思います。

②後期一般入試に向けての対策ポイント
今年の入試から、これまで100分だった試験時間を80分に短縮した一方で問題の難易度・量はこれまで通り、ということになっている英語についていくつかご紹介したいと思います。

いきなり大問1と2で出てくる長文についてです。大問1は「文章が長いわりには設問が少ない」という特徴があります。ここは読む時間を出来るだけ短時間で済ましたいところです。「本文を読む前にあらかじめ設問に目を通しておき、その設問を解くカギとなる言葉をつかんでおく」ことが効果を発揮します。

大問2も長文です。これは「空所補充」の問題となっていますが、文法などの「知識」だけでは正解を出すことは出来ず、文の論理関係・前後の流れなどをつかんだ上で答えを導きだす必要があります。文脈把握の力を養っておきましょう。

その他の問題については正直それほど難しい問題とは思えません。大問3以降のすべてを30~35分という短時間で解答を終えることが出来るように心掛けておいてください。特に大問5の語句整序問題は、龍谷大や武庫川女子大にも同様の問題が出題されていますので、そちらも合わせて解いておくと良い練習になることでしょう。

先日のエントリー「まだあきらめるな!私立大後期入試に向けて」でもご紹介しましたが、推薦~前期一般では全く手が届かなかった大学・学部でさえ、後期一般で合格しているケースがたくさんあります。立命館大に限って話をしても、前期一般よりも後期一般の方が合格最低点が低かった、というケースがいくつか見られます。

後期一般に出願した受験生の皆さん、ご自分の対策の中身をもう一度見直して後期入試に臨もうではありませんか!