佛教大 看護学科での入試裏事情

2012年7月17日 火曜日

佛教大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

まずは、大学の取り組みで特徴的なものをいくつかご紹介します。

入学直後である1年次の2つのセメスターに特に力を入れておられ、20名前後での「入門ゼミ」ではPCの使い方、文献の調べ方、e-ラーニングの活用法、レポートの書き方といったことを学び、4年間の学びの基礎を作り上げることを目的としています。

年間約1,500名が卒業する同大ですが、そのうちのべで1,300名が何らかの資格を取って卒業しているそうです。中でも教育学部があることから、教員免許を取って卒業される方が多いのではないでしょうか。

その教員免許に関することですが、通信制課程を持っていることでも佛教大は有名です。小学校教諭の免許が取れない学部の生徒であってもこの通信制を併用して免許を取ることが可能となっているそうで、そういった通信制を活用して小学校教諭免許をとる生徒は年間80~90名ほどいるそうです。ただし、通常の学科卒業に向けた学習・研究もやりながら、その上で通信制で小学校教諭免許を取る、ということは並大抵の努力では難しいものです。この道を選ぶ方は覚悟をしておきましょう。

成績不振者への対応についてですが、学期末に単位が一定以上取れていないなど成績不振の学生をリストアップし、面談を実施されているそうです。そのおかげか、退学率は2~3%に留まっているとのことでした。

では、2012年度入試結果です。

こちらのエントリー「佛教大 公募推薦入試を終えて」で詳しくご紹介していますので是非お読みいただきたいですが、今年度公募推薦における1人当たりの併願数は2.9だったようです。

また、今年は龍谷大で心理系学科が新設されたこともありますので、佛教大では臨床心理学科の人気ダウンを予想されたようです。「龍谷大に逃げられても充分な入学予定者数を確保できるように」とのお考えがあってか、公募推薦では合格者数を多めに出しておいたようですが、予想に反して多くの受験生に手続きしてもらえたようです。その結果、一般入試で合格者を絞り込む必要が出てしまい、特に一般入試Aでは昨年から大きく倍率上昇となる12.5倍となってしまっています。

ただ、恐らくは来年度はこのような12倍というような高倍率にはならないでしょうから、安心して受験してほしいと思います。

佛教大は今春から看護学科が新設されています。注目された看護学科のトータルの倍率は5.9倍でしたが、特に大規模な募集定員・受験者数が集まる入試として一番最初に行われた公募推薦入試ではなんと13.5倍、受験生にとっては悪夢のような入試となった一方で、一般Aではその反動もあって3.7倍という拍子抜けするぐらい普通の倍率となる入試になりました。

定着率が読めない手探りの中での入試で大学の方々が大変ご苦労された様子がこれで伺えますが、実は高校や予備校で進路指導をしている先生方にとってもこの佛教大の看護学科のレベルは中々読みづらいものがあったようです。複数の高校の先生から「保健医療系のレベルが高い佛教大なので看護も高いレベルになると予想し、大阪府立大の看護学類に代表されるような国公立大の滑り止めとして受験を薦めていた」という声を聞かせていただいたこともありますが、どうやら国公立大との併願者が多かったようです。

事実、看護学科では国公立大の合格発表以降入学辞退者が続出し、その後追加合格を多く出されたそうです。一般B受験者からの追加は「合格最低点が70%を下回ることは避けたい」とのことで2~3名に留め、一般Aの受験者から多くの追加を出したということを今回の説明会でお教え頂きました。

今年の結果も踏まえて来年度に向けて進路指導されることになりますから、来年度はもう少し妥当な併願パターンとなり、こういった追加合格がたくさん出ることもさほど期待できないと思います。