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開成教育グループ


直感と確率

突然ですが、私は「超」がつくほどの晴れ男です。小さいころから大切なイベントで雨が降ったことはほとんどありません。周囲の人にそれを自慢げに話すも、たいていの場合反応はイマイチ。そんなのはあくまで偶然だよと。ふむ、偶然ですか。

偶然といえば、みなさんは「誕生日のパラドクス」というのをご存知ですか。この場合のパラドクスというのは「矛盾」というより「直感と結論が大きくかけ離れている」という意味で使われています。みなさんのクラスに同じ誕生日だという2人がいるでしょうか。およそ365日ある誕生日がピッタリ合うなんてことはそうはありません。もし、クラスに同じ誕生日の2人がいれば「すごい偶然だ」と思うことでしょう。しかし、理論上の確率はというと、誕生日が同じ2人がいるのは、例えば40人のクラスだと90%。23人以上で50%を超えます。直感と全然違うのです。

人は直感に囚われがちです。次に「モンティ・ホールの問題」というのをご存知ですか。目の前に3つのドアがあり、1つのドアの後ろには景品の新車が、残りの2つのドアの後ろにはハズレのヤギがいます。あなたはそのうち1つのドアを選びますが、そのドアを開ける前に私が残り2つのドアからハズレのドアを1つ開けます。そして、もう一度あなたに問います。「あなたは今選んだドアを開けますか。それとももう1つのドアに選びなおしますか」と。確率的には「選びなおす」が正解です。しかし、人はこの直感から逃れられず、多くの人が「そのまま最初に選んだドアを開ける」という行動に出ます。何度でもチャンスがあれば選びなおすこともできるでしょうが、一度しかチャンスがなければそれができないのが人というものです。選びなおして間違えるのが悔しいからです。最後に信じるべきはやはり自分なのでしょう。

直感は物事を決断するうえでとても大切な要素です。しかし、はずれてばかりの直感など信じることはできません。正解を繰り返すことでやっと信じることができるのです。いざというときの直感を信じるためには、練習段階でたくさんの正解を得る必要があります。

練習段階では「なんとなく」を捨て、より合理的に正解への確率の高い道を選ぶべきです。そうすることで失敗の中にもより多くの成功を体験することができます。そういう「経験に裏付けられた直感」は、「自信」を伴い「確信」へと変わります。私が自身を晴れ男だと思うのは、それを裏付けるだけの経験をしてきたからにほかなりません。こんなことでさえ、私に自信を与え、確信を持たせているのです。みなさんの努力による成功体験はきっとみなさんに大きな自信を与えることでしょう。そして、最後には「合格できるかも」の直感は確信に変わることでしょう。

 

木村智一郎


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