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開成教育グループ


2012 年 8 月 のアーカイブ

プラスアルファの自分へ

2012 年 8 月 27 日 月曜日

 先日、ある生徒から、職業についてインタビューを受けました。それは夏休みの宿題らしく、「どんな仕事をしているか」「なぜその仕事を選んだのか」「毎日どのような生活リズムで過ごしているか」といった、生徒たちに、働くことを身近に考えてもらおうというものでした。そのインタビューを受けることで、私がこれまで働くことを通じて経験してきた「喜び」を再確認できたように思えます。

 その日、学生時代のアルバイトのことや、社会人として仕事をし始めた頃のことをたくさん思い出しました。そして、学生の頃の経験は、何らかの形で将来の仕事へとつながっているんだ、ということを強く感じました。
 学生の頃、よく「こんな勉強をしても、将来何の役にも立たない」と思っていました。もちろん、大学入試に関わるので仕方がないとも思っていましたが、それだけではありませんでした。例えば、一生懸命取り組むことは、「どんなことにもチャレンジし、努力できる自分」というものを形成してくれます。苦手な科目であるとか、面白くないなどという理由で消極的になっていては、そうした自分に成長することはできません。時にはしんどい思いをしながらも、しっかりと向き合って取り組むからこそ、得られるものは大きいのです。そうして手にした積極的な姿勢は、今後の自分に計り知れないほど大きな影響を与えていきます。大学入試、就職活動、そして仕事など、これからの生活のすべてに関わり、良い効果を生んでいくものなのです。
 勉強や部活など、様々なところで頑張っているみなさんには、今後まずます成長していけるたくさんのチャンスがあります。日々の中でその意味に気づくことは、とても難しいことかもしれません。しかし、一瞬一瞬を一生懸命に生きることで、そのチャンスを少しでも多くつかんでください。そうすることで、必ずや新しい自分と出会えるはずです。将来の夢のため、また、これから抱く夢のために、どんどん大きくなっていってください。
  
開成ハイスクール数学科 光畑雄策

物理学は21世紀の主役にもなりうるか?

2012 年 8 月 20 日 月曜日

 2012年になって,物理学の世界ではいろいろなニュースが飛び込んできています。1月には、ハイゼンベルクが1927年に提唱した「不確定性原理」をより精度のよいものとした「小澤の不等式」(発表は2003年)を裏付ける実験結果が発表されました。このときは小さくではありましたが、新聞の1面に掲載されました。物理学や数学に関する研究成果が新聞の1面に掲載されるということは、ノーベル賞の受賞者の決定以外では極めて珍しいことです。
 しかし、7月になってもっと大きな事件が起こりました。「ヒッグス粒子」が発見された(かもしれない)というニュースです。前述の「不確定性原理」の精度を高める「小沢の不等式」については、日本人が関連したニュースだったがゆえに新聞の1面に掲載された可能性もありますが、今回の「ヒッグス粒子」については(日本人が全く関与していないわけではないのですが)、そういうことを越えた大きなニュースでありました。
 この「ヒッグス粒子」は、1964年にイギリスの物理学者ヒッグスによって提唱された「ヒッグス機構」の中で導入された素粒子です。この「ヒッグス機構」は、2008年にノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士の「自発的対称性の破れ」の考えに基づく理論仮説であり、素粒子に質量を与えるメカニズムを示したものです。その中で、万物に質量を与える素粒子とされたのが「ヒッグス粒子」です。素粒子物理学の世界では、その基盤となる理論に登場する素粒子は「クォーク」や「ニュートリノ」など全部で17種類ありますが、この中で唯一の未発見の粒子が「ヒッグス粒子」であったわけです。
 私自身、これ以上わかりやすく詳しく語るだけの知識も能力もありませんが、この「ヒッグス粒子」(らしきもの)の発見は、物理学が新たな段階に入り、さらなる飛躍につながると見られています。昔も今も何もかもを統合するのが大好きな物理学者が今、目指しているのは、自然界に存在する4つの力(電磁気力、強い力、弱い力、重力)をすべて説明する超大統一理論の構築ですが、この「ヒッグス粒子」(しつこいようだが、らしきもの)の発見は、それにもつながる「神の粒子」(そう呼ばれたこともあるそうです)の発見でもあります。もしかしたら、この発見は、21世紀の主役も物理学が張れるきっかけになるかもしれません。
 20世紀、とくにその前半期は物理学の世紀でした。19世紀までにニュートン力学とマクスウェルの電磁気学が登場し、古典物理学は完成していましたが(残念ながら高校で学ぶ物理はここまでです)、20世紀になって、アインシュタインによる相対論、プランク、ボーア、ハイゼンベルク、シュレディンガーらによって量子論という現代物理学の2大理論が登場し、パラダイムシフトが起こされました。しかし、21世紀は生物学の世紀になるであろうと言われています。これは、物理学において大きな発見がなされなくなり、生命を扱う学問である生物学が学問の社会への貢献が要請される現代の状況に合致することが背景にあると言われていました。東日本大震災もあり科学への懐疑も広がっています。しかし、ひょっとすると今回の発見は、新たなるパラダイムシフトへつながるかも、と期待されます。
 歴史を紐解いてみると、19世紀末、すなわち相対論、量子論が登場する直前の状況も現代と非常に似ていました。物理学では、ニュートン力学と電磁気学の完成を受けて、もうマクロな現象はすべて説明されると考えられ、もはやこれからの解くべき問題は小数第5位、第6位の世界だけかと言われていました。ニーチェは「神は死んだ」と言い、科学も行き着くところまで行き着いたと言われていたぐらいです。科学への懐疑も強く、人は電燈の明るさに感動しつつも電燈から電気が漏れ出して人類は滅亡しないかと恐れてもいました。そのような中から、物理学は次々と新たな発見をし、主役の座を得たわけです。また、歴史は繰り返されるのでしょうか?
 最後に余談ですが、ひょっとするとこの発見のニュースは来年度の大学入試にも影響を及ぼすかもしれません。もちろん物理や数学、あるいは化学といった自然科学系の科目に影響を及ぼすことも考えられますが、英語の読解問題にも影響を及ぼす可能性があります。大学を問わず、英文読解に自然科学分野の英文が出題されることが増えていますが、とりわけ物理学に関する英文が増える可能性があります。最近では、2005年がアインシュタインの相対性理論発表から100周年、アインシュタイン没50周年にあたる年でしたが、それを受けてかこの年は、アインシュタイン、あるいは物理学(宇宙物理学などもふくむ)に関する英文の出題が多かったように思えます(あくまで印象論です。統計的な裏付けはしていません。あしからず)。
ちょっとは予備知識があった方が、物理、化学、数学はもちろん英語にも有利になるかもしれません。

開成ハイスクール 片岡尚樹

語彙は英語の生命線

2012 年 8 月 16 日 木曜日

 こんにちは。
 皆さん、夏休みの宿題は進んでいるでしょうか。私たちの夏期講習では、英語長文を扱う講座もありますが、私が担当しているクラスでは、高1・2生ともに苦戦している生徒も多いようです。
 英語の生命線は「語彙」であると言っても過言ではありません。大学入試センター試験では、通常4500語レベル、国公立2次試験では5500語レベル以上の語彙力が必要とされると言われます。いくら文法の知識や読解のテクニックを学んでも、核となる語の意味を知らなければ、それらを培う努力は水の泡となってします。
 とはいえ、4500語レベルの語彙力を獲得するには相当な物理的時間と、心理的・肉体的労力が要求されます。まして、これを高3の一年間でやるのは事実上不可能であるとも言えるでしょう。時間の余裕を持って、計画的にコツコツと積み上げるよりほかありません。
 草津駅前教室では、夏期講習に先立って「サバイバル英単語」というイベントを実施しました。朝10時集合で、与えられた語数(高1は600語、高2は1200語、高3はそれ以上)の語彙テストに合格するまで帰宅が許されない、という過酷なイベントでしたが、夏期講習で長文演習を実施した際に、「あ!この単語覚えている」「サバ単の成果が出ているなぁ!」という声が多く聞かれます。
 私は、こうした言葉が生徒から出るのを大変うれしく思います。「覚えている!」はもちろんのこと、「見たことがある」の状態でも、英文読解の際の効率は非常に高くなります。比喩的に言えば、「0から1を生み出す労力より、1にかけ算をして増やすほうがはるかに容易である」ということです。
 1・2年生からしっかりと単語を覚える習慣をつけておくと、高3になってから必ず得をします。先を見据えて、今こそ貯金を作っておいてくださいね。
 
 
開成ハイスクール英語科

夏休みの常識

2012 年 8 月 6 日 月曜日

 夏休みの真っ最中、暑い日が続いていますが、体調管理は大丈夫でしょうか。
 さて、この夏休みという制度ですが、ここ数年変化しつつあることにお気づきですか。

 そもそもなぜ日本には夏休みがあるのでしょう。諸説あるとは思いますが、学校の校舎に冷房設備がない場合が多く、やむを得ず休みになっているのも理由の1つだそうです。そう言われてみれば、私が高校生の頃は、校舎にエアコンなどはなく、冬になると教室にストーブが設置される程度だったと思います。
 今の高校にはエアコンが完備されている所が多くなってきたせいか、8月いっぱいまで休みにする必要がなくなったようで、8月中に新学期が始まる学校が増えてきました。
 先日あるクラスで、昔は8月31日には宿題に追われて遊びに行けなかった、という内容の話をしたところ、生徒たちは何を当たり前のことを言っているの、というようにキョトンとしていた理由がわかるような気がします。

 今年は日本中で節電が求められていて、必ずしも毎日快適に暮らせているとも限りませんが、いつの時代の学生にも宿題だけは山ほどあるようで、苦労されている生徒をたくさん見かけます。塾の自習室などを利用して早めに自由な時間を確保してもらいたいです。

 そしてそこからが本当の競争の始まりです。これも昔と変わりありません。

 
開成ハイスクール英語科 濱田健太郎