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開成教育グループ


2018 年 10 月 のアーカイブ

新高3生対象 受験勉強ガイダンス開催

2018 年 10 月 29 日 月曜日

開成ハイスクール各教室ではこの秋、現高校2年生を対象とした様々なイベントを実施しますが、私が管理するハイスクール草津駅前教室におきましては、生徒を対象とした『受験勉強ガイダンス』を今週末の11月3日(土)に開催します。

この『受験勉強ガイダンス』では、主に以下のテーマを説明します。
①現在の多様な入試制度の解説
②志望する大学に合わせた受験戦略を組み立てることの重要性
③受験勉強を早期にスタートさせることの意義
④開成ハイスクールにおける高3生指導の方針
また、当日は当教室に併設している開成教育グループ代ゼミサテライン予備校草津教室にて、代ゼミサテラインの体験会も予定しております。

毎年恒例にしているこのイベントですが、参加した生徒の多くがこの日を境に変わります。勉強に取り組む姿勢が一変し、自習室を利用して勉強する生徒や理解できない問題を質問にくる生徒、さらには進路を真剣に考える中でその相談にくる生徒が増えます。一年後に迫った受験がいよいよ現実味を帯びてきて、皆さんのやる気もアップし、『真の受験生』になるべく、その一歩を踏み出すのでしょう。

ちなみに今回、草津駅前教室で開催する『受験勉強ガイダンス』は、当教室にお通いでない一般生の方の参加も募集しております。開催時間は以下の通りとなります。

現高2理系生対象 19:00~21:00 /現高2文系生対象 20:00~22:00

当日、飛び込み参加でも構いません。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

さて、今回は草津駅前教室での『受験勉強ガイダンス』を取り上げましたが、もちろん開成ハイスクールの各教室にて進学ガイダンスも定期的に開催しております。今回、興味を持たれた方は最寄りの各ハイスクール教室までぜひお問い合わせください。
みなさんの志望校合格にむけて応援しています。

開成ハイスクール 草津駅前教室長 中澤 宏尚

秋の色彩

2018 年 10 月 22 日 月曜日

天高く馬肥ゆる秋、高校生のみなさん、目標に向かい懸命に勉学に勤しんでいますでしょうか。今夏の猛威的な暑さとはうって変わり日々涼しくなり、学習に取り組みやすい季節となりました。

食欲の秋、読書の秋、芸術の秋。山並みの紅葉と青く澄み渡った青空。秋の景色は目の保養、心の安らぎにも良い影響を及ぼしてくれます。秋は、他の季節とは一味違った多様な色合の環境を私たちに与えてくれます。山々を美しく彩る紅葉の赤色は暖かな印象を我々に与えてくれますが、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンという物質が活躍しているのだそうです。

澄み切った空の青色は清々しい気持ちにさせてくれますが、こちらの方は、何が作用しているのでしょうか。調べてみますと、気圧と空気中の粒子などが関係しているようです。秋に発達する高気圧は大陸よりのものなので、水分が少なく空気が乾燥していることが色の発現に影響しているようです。太陽光は一般に空気中の粒子に当たると散乱しますが、粒子の大きさが光の波長より小さくなると、波長の短い青色の光が波長の長い赤色の光よりも多く散乱します。この季節の空高く青い空色は、レイリー散乱と言われる現象で、ほかの季節より空気中の水分子やチリ・ホコリが少ない分、青色の波長より1/10ほどの大きさである水素や窒素分子に太陽光線が当たり乱反射し、生じるのだそうです。空の青色が映えるのは、空気中の分子と光の乱舞の様相によるもののようです。秋の夜長に「へーそうなんだ」と一人納得し、わかることの喜びをまた一つ実感できました。

色彩は、人間の心理にも影響を及ぼしています。一説によれば赤色は、「交感神経」を刺激し、情熱・活力・エネルギーを醸し出し、やる気・元気・自信を取り戻したいときに有効となるのだそうです。青色は、「副交感神経」を刺激し、心身を落ち着かせ、集中力を助け頭脳労働に役立つ色なのだそうです。

身近な彩りを学習環境にうまく取り込んでみるのも良いのではないでしょうか。勉強の合間に時折、樹々の紅葉と秋空を眺め気分転換するとともに、勉学に向かう集中力にも役立て、さらなる高みに果敢にチャレンジしていってほしいと思います。

高校生の皆さんの成績向上と志望校合格に向けた努力の成果が実を結びますことを心より願っております。

 

開成ハイスクール数学科 大槻 隆史

「動的平衡」・・変化こそが生きていること

2018 年 10 月 15 日 月曜日

生物学者の福岡伸一さん、生命とは”動的平衡状態”にあるものである。つまり、生命は見かけ上は平衡状態にあるようでいて、動いているのである、と。

「平衡」とは変化が起きているのだが見かけ上は変化が起きていないような状態を言います。例えば、私たちは生まれて以来、「自分」であることは変化していませんが、体は大きく変化しています。人間は約60兆もの細胞で形成されていますが、この体を構成する細胞は、毎日少しずつ変化しています、そして1年も経てばすべての細胞が入れ替わってしまうのです。それでも「自分であること」には変化は起きていません。決して別人になることはありません。つまり生物が生きていることとは、日々変化しながら自分であり続けるけることだというわけです。確かにこう言われると、子どものときの「自分」と比べて、今の「自分」は体の大きさも違い、面影はあるものの容姿も随分変わってしまっています、好きなもの、嫌いなものも違います。ピーマンやニンジンが食べられなかった子どもが、今はそれらが好きになっています。自分を知らない人から見れば全く別人になったかのような変化です。しかし、「自分であること」は一貫していて、何らの変化も起きてはいません。これが生きていることの本質であるというわけです。機械はその部品を全て違う部品に入れ替えると、違う機械になるかもしれませんが、生き物はその細胞が全て入れ替わっても同じままなのです。

これを逆に考えてみると、落ち込んだ「自分」がいるときには、落ち込んだ細胞が増えているだけ、それは変化します。明日のあなたは、同じあなたではあっても同時に、今日のあなたとは少し違うあなたになっているのです

高3生は、入試まであと4ヶ月ほど、この4ヶ月で急激に変化することでしょう。毎年、成績が急上昇する人を多く目にしています。「4ヶ月後のあなたは、決して今のあなたではない。」そのときまで、最後のひと踏ん張り。頑張りましょう。

 

開成ハイスクール英語科 松本 泰雄

直感と確率

2018 年 10 月 8 日 月曜日

突然ですが、私は「超」がつくほどの晴れ男です。小さいころから大切なイベントで雨が降ったことはほとんどありません。周囲の人にそれを自慢げに話すも、たいていの場合反応はイマイチ。そんなのはあくまで偶然だよと。ふむ、偶然ですか。

偶然といえば、みなさんは「誕生日のパラドクス」というのをご存知ですか。この場合のパラドクスというのは「矛盾」というより「直感と結論が大きくかけ離れている」という意味で使われています。みなさんのクラスに同じ誕生日だという2人がいるでしょうか。およそ365日ある誕生日がピッタリ合うなんてことはそうはありません。もし、クラスに同じ誕生日の2人がいれば「すごい偶然だ」と思うことでしょう。しかし、理論上の確率はというと、誕生日が同じ2人がいるのは、例えば40人のクラスだと90%。23人以上で50%を超えます。直感と全然違うのです。

人は直感に囚われがちです。次に「モンティ・ホールの問題」というのをご存知ですか。目の前に3つのドアがあり、1つのドアの後ろには景品の新車が、残りの2つのドアの後ろにはハズレのヤギがいます。あなたはそのうち1つのドアを選びますが、そのドアを開ける前に私が残り2つのドアからハズレのドアを1つ開けます。そして、もう一度あなたに問います。「あなたは今選んだドアを開けますか。それとももう1つのドアに選びなおしますか」と。確率的には「選びなおす」が正解です。しかし、人はこの直感から逃れられず、多くの人が「そのまま最初に選んだドアを開ける」という行動に出ます。何度でもチャンスがあれば選びなおすこともできるでしょうが、一度しかチャンスがなければそれができないのが人というものです。選びなおして間違えるのが悔しいからです。最後に信じるべきはやはり自分なのでしょう。

直感は物事を決断するうえでとても大切な要素です。しかし、はずれてばかりの直感など信じることはできません。正解を繰り返すことでやっと信じることができるのです。いざというときの直感を信じるためには、練習段階でたくさんの正解を得る必要があります。

練習段階では「なんとなく」を捨て、より合理的に正解への確率の高い道を選ぶべきです。そうすることで失敗の中にもより多くの成功を体験することができます。そういう「経験に裏付けられた直感」は、「自信」を伴い「確信」へと変わります。私が自身を晴れ男だと思うのは、それを裏付けるだけの経験をしてきたからにほかなりません。こんなことでさえ、私に自信を与え、確信を持たせているのです。みなさんの努力による成功体験はきっとみなさんに大きな自信を与えることでしょう。そして、最後には「合格できるかも」の直感は確信に変わることでしょう。

 

木村智一郎

数学と科学・技術 その20

2018 年 10 月 1 日 月曜日

みなさん、こんにちは。すっかり秋めいてきましたが、この夏は、台風が何度も来て大変でしたね。みなさん、大丈夫でしたでしょうか?日本は、大小さまざまな自然災害が起こるので、日々警戒心を忘れないようにしないといけませんね。災害の中に大雨があります。気象庁からよく「1時間に○○ミリ」という形で発表され、次のような解説がされています(一部抜粋)。

 

(ア)   1時間に 20ミリ以上…強い雨。どしゃ降り。

(イ)   1時間に 30ミリ以上…激しい雨。バケツをひっくり返したような雨。

(ウ)   1時間に 50ミリ以上…非常に激しい雨。滝のような雨。

(エ)   1時間に 80ミリ以上…猛烈な雨。息苦しくなるような圧迫感、恐怖を感じる雨

 

1時間に 80ミリ以上ともなると、恐怖を感じる猛烈な雨とのことですが、実際どれくらい雨が降るのでしょうか?経験してみないとわからない部分ももちろんありますが、災害が起こってからでは遅いので、ここで少し考えてみましょう。1時間に80ミリというのは、雨の中におおよそ直径20センチメートルの円筒状の容器を置けば、1時間で水深が 80ミリ、すなわち8センチメートルの深さになるということです。そこで、少し身近なもので8センチになるものを探してみました。すると私の場合、指を閉じた状態で小指と人差指の間の幅を図るとおよそ8センチになりました。女性の方の場合は、手はもう少し小さいかもしれませんが、1時間かけておよそ手の幅くらいの水が降ってくるのが、1時間に80ミリの猛烈な雨だということがわかります。ついでにその手の幅で、靴裏から足首までの高さを測ってみるとほぼ同じ長さになりましたので、雨のなか、靴がびしょ濡れになることも、うなづけることだと思います。けどこの程度だと「大したことないな」と感じる人もいるかもしれません。たった8センチですからね。そこで今度は、体積で考えてみましょう。まず、人間が立っている状態で使用する面積はどれくらいになるでしょう。大柄な人もいれば、小柄な人もいるので大小さまざまですが、消防法によれば、『立見席を 0.2平方メートルとする』という記述があるので、ここではそれを参考にします。ちなみに、0.2平方メートルはおよそ、1辺が 45センチメートルの正方形になります。さて、この0.2平方メートルに80ミリの雨が降るとはどういうことでしょう。単位計算が苦手な人もいるとは思いますが、次のようになります。

 

 

 

つまり、1Lのペットボトル16本分の水を頭の上からじゃぶじゃぶ浴びる量が、猛烈な雨ということになります。こう考えると非常に大変な雨だと感じられるでしょうか?さらに雨というのは1人の頭の上にだけ降るものではありません。他の人の頭の上にも降るわけです。立見席でいっぱいになっているコンサート会場で、全員がペットボトルの水16本分を頭から浴びる、そんな光景を想像すると、もうそこらじゅうが水浸しになることは、想像に難くないでしょう。さらに雨はコンサート会場の外、人がいないところ、地域全体に容赦なく降り、しかも降って終わりではなく、降った雨水は低いところに流れていくわけですから、これは、かなりの大災害になることも理解できると思います。

さて、今回は雨量について取り上げました。災害は全ての人に分け隔てなくやってきます。現在は様々な予報も発達してきていますが、最終的な判断は個人によらざるを得ないことは変わりありません。そして、判断するには知識が必要になります。自分の頭で判断できるよう、普段から頭を鍛えることを忘れないでください(自戒も込めて)。

開成ハイスクール数学科 村上 豊