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開成教育グループ


2018 年 6 月 のアーカイブ

梅雨と夏至の効用と成長

2018 年 6 月 25 日 月曜日

1学期の中間テストが終わったのも束の間、6月下旬となり、あっという間に1学期期末テストが近づいてまいりました。高校生の皆さん、定期テストとその先にある大学受験に向けての準備は順調に進んでいますでしょうか。

近畿圏では例年並みの6月6日頃に梅雨入りし、雨の日が多く蒸し暑い日が続いています。6月は梅雨と共に二十四節気の一つ「夏至」の月でもあります。夏至は北半球では一年で最も昼が長い日となります。今年は6月21日でありましたが、来年は6月22日になるそうで年によって若干のずれがあるようです。

この6月は、雨が多く昼間の時間が長くなり、草木も成長著しい時期であるようです。庭や畑の雑草なども放置しておくと、知らぬ間に恐ろしいほどの背丈となりおののくことがよくあります。太陽運行の関係で言えば、一説によると植物は昼の長さと夜の長さを葉で感知しているそうで、夜の長さで花を咲かせる準備をするそうです。また、太陽光については、可視光線の中で青色と赤色を葉は最も吸収しているそうです。かつて京都・西京高校の入試問題にも出題されましたが、緑色は葉の中で乱反射を繰り返し透過するそうです。植物にもまるで視覚があり、色好みをしているみたいで面白いですね。

 

ところで、背丈の伸びる緑色植物の成長のしくみとは、どのようなものなのでしょうか?

 

緑色植物は、動物のように有機化合物の供給を自分以外の生物に依存せず、炭素同化によって無機物から有機物を合成しており、独立栄養生物と言われます。また、炭素同化によりつくられた有機物を化合させ、必要不可欠なアミノ酸をつくる窒素同化も同時に行っています。

皆さんもご存知の通り、緑色植物は「光合成」という炭酸同化のはたらきで有機物を合成しています。有機物は生物の成長にとって欠かせないものと言えますが、反応前後だけを見ると以下のようになります。

光合成のプロセスはとても複雑な5つの反応系から成り立っています。葉緑体の中にはチラコイドとストロマがあり、チラコイドでは以下の①~④、ストロマでは⑤の反応が起こります。植物の体内では複雑な電子移動を伴った化学反応が次々に起こっています。

①光化学反応・・・光エネルギーのとりこみ。

②水の分解反応・・・水の分解による酸素の発生とNADPH2の生成。

③光リン酸化反応・・・ADPからATPを合成。

④高エネルギーの電子を有するHの生成

⑤カルビン反応・・・二酸化炭素をとりこみ、ブドウ糖を合成。

ここで①と②では、光エネルギーと水を思う存分に吸収し活用しています。その後③④へ連鎖し、⑤の反応で生きるためのエネルギーと細胞の元となるブドウ糖(グルコース)の合成に成功しています。一連の反応は、驚きに満ちたしくみとなっています。

緑色植物は、巧みな術で梅雨の雨水と太陽の光エネルギーをふんだんに取り入れ成長に役立てているようですね。

 

人間の体も植物と同様、驚異的で複雑巧妙なつくりとしくみから成り立っていると言われます。

 

高校生の皆さんも大いなる可能性を秘めている高校時代に、科学的・効果的な学習習慣をしっかりと身につけ、十分な知力の源泉を吸収し成長していってほしいと思います。学習は、継続することで脳内での化学反応(?)によって、大いなる成長を遂げる時が必ず訪れます。あきらめず自らの糧となるものを吸収し学び続けてほしいと思います。

 

大学受験を通し、真の学力と将来につながる知力を大いに養い育てていかれることを願っております。

 

 

 

 開成ハイスクール 大槻 隆史

アジサイ(紫陽花)あれこれ

2018 年 6 月 18 日 月曜日

6月の花といえば、思い浮かぶのは「紫陽花」でしょうか?アジサイ(紫陽花)は、英語でhydrangeaです。発音はちょっと難しく、カタカナ表記で「ハイドレインジァ」が近い発音になります。これは、ギリシア語の「ハイドロ:水」と「アンジェイオン:容器」が組み合わされて「水の器」と解釈されたのが由来のようです。雨の多い地方ではmillion dollar flowerと呼ぶ人もいるそうです。直訳すると 「1,000,000(100万)ドルの花」です。花びらがたくさんあるのでそれをお札に例えているのでしょうか。

万葉集に

「紫陽花の八重咲くごとくやつ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ」橘諸兄

(アジサイの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて下さいよ。花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう。)とあるように、紫陽花は日本でも古くからなじみのあった花のようです。また、江戸時代に日本に来たドイツ人医師シーボルトは、日本の紫陽花を、恋人お滝の名から、「otakusa」と名付けヨーロッパに紹介し様々な品種改良を行って、現在の西洋紫陽花を作り出したともいわれています。

アジサイの花言葉は「移り気」これはもちろんアジサイの花の色が、青からピンクまで多彩に変化することに由来するのですが、その変化は、土の酸度(pH)による変化です。“同じ場所で育てているのに年々色が変わっている”、“同じ品種なのに場所によって色が違う”これは、土の酸度が影響して花色が変わっている証拠です。お店に並ぶアジサイの中で、『城ヶ崎』や『ダンスパーティー』など、同じ品種なのに店頭では青色とピンク色の2色が並んでいることがあります。これは生産農家さんが土を調節して、違う花色に仕立てているからなんです。土の酸度によって変えられるなら、私たちだってもっと美しい花色にできるハズ!と思いますよね?どんなメカニズムかと言うと、アジサイの花色は、アントシアニン系色素がはたらいて、青色やピンク色が発色します。青色は、土中のアルミニウムが吸収され、色素と結合して発色します。逆に、アルミニウムが吸収されないと、ピンク色が発色します。アルミニウムは酸性土壌でよく溶け、アルカリ土壌では溶けません。だから、土を酸性にすれば青花になり、中性~弱アルカリ性の土壌ではピンク花になるんです。また同じ株の中でも色が異なることがありますが、これは運ばれるアルミニウムの量が異なるためだと考えられています。

身の回りにありふれているものにも、実は科学的な事象が関わっていることもあります。皆さんにも、なぜ?どうして?をぜひ考えてみてください。

 

開成ハイスクール英語科 松本 泰雄

そこに喜びはあるか

2018 年 6 月 11 日 月曜日

今日はお勉強内容とは少し離れて、私の高校時代の先生のお話です。

高校に入学し、中学校と明らかに違っていて戸惑ったことが「予習の重要性」です。もちろん中学校でも予習は大切です。しかし、高校の予習の意義は中学校のそれとは明らかに違っていました。そもそも、予習をしておかないと授業についていけません。とくにそれを痛感した教科が、私にとっては「英語」と「古典」でした。その「古典」の先生について少しばかり。

文系教科はあまり得意でなかった私。高校の授業を受けたときは面食らいました。「速い。」そのスピードたるや中学校の比でない。必死に予習をしました。しかし、追いつかない。私の予習は文章を完全に日本語訳(現代語訳)するというもの。私が1日にできる量は英語ならせいぜい5~10ページ弱。授業では速ければ10ページを1日で超えることがありましたから、授業の後半で先生に英訳を尋ねられたときには、予習が追い付かず答えられないことも多々ありました。せっかく予習をしているのに自分はできない。「英語」という教科に関して私はそれで挫折したことがありました。

一方「古典」。古典の先生は学校でも厳しいと有名な先生。周りのみんなは先生に質問されてもすらすら答えます。一方私の訳たるや、直訳中の直訳。辞書の単語をただただつなげただけのような無骨な訳でした。答えるのが恥ずかしいくらいの。ある日の授業のこと、クラスメイトが先生に教科書の文の訳を尋ねられ、私が聞いて惚れ惚れするくらい美しい訳を答えました。しかし、それを聞いてその先生は大声で怒鳴りました。「その訳はどこかで聞いたことがある。どこの大学生の訳や、どこの出版社の訳や、言うてみい」と。クラスメイトは下を向き黙ってしまいました。どこかの本にある訳をそのまま読んでいただけだったのです。奇しくもそのすぐ後に訳を尋ねられたのが私でした。恐る恐るいつもの、ただ単語をくっつけただけの無骨な訳を顔を真っ赤にして答えました。「何やその訳は」と先ほどの勢いに任せて怒鳴られるかと思いきや、先生は目を瞑り静かに言いました。「俺はお前の訳が好きや。へったくそやけど、そこにお前の努力のあとを感じる。無骨なお前の訳が俺は好きや」と。素直に嬉しかった。おかげで私は「古典」という教科が好きになりその後も継続して学習することができました。大切なのは「予習」という行為そのものにはないということです。それによってその後得られる「達成感」とか「喜び」にあるのではないでしょうか。あなたの学習の先には「喜び」はありますか。

 

木村 智一郎

数学と科学・技術 その19

2018 年 6 月 1 日 金曜日

皆さん、こんにちは。今回は「面積・体積」ということを切り口に話を進めたいと思います。皆さんは、面積の公式というと、三角形の面積公式、「(底辺)×(高さ)÷2」を思い出すでしょうか?それとも円の面積公式「(半径)×(半径)×(円周率)」を思い出すでしょうか?ひょっとしたら、高校で三角比を習ったときに出てきた


を思い出す人もいるかもしれませんし、ヘロンの公式などが出てくる人もいるかもしれません。高校の数学になると面積の公式も様々な形で出てきます。また、数Ⅱになれば、三角形だけではなく、放物線と直線によって囲まれた図形の面積、


それを「6分の1公式」として知られている積分を使って計算できるようになりますね。このように、高校になると、数学を使って扱える範囲が広がってくるのですが、ところで皆さん、小学校のときに次のような問題「下の図のような池の(およその)面積を求めよ」を扱ったことがあるのを覚えているでしょうか?


実際の池などは、三角形や、放物線のような簡単に数式で表すことができないため、面積の公式などを作ることができません。では面積は一体どうすれば測れることになるのでしょう?実は、上の小学生のときの問題にヒントが隠されています。図には1メートル四方の正方形が書かれていますが、もしそれが1センチメートル四方の正方形にしてマス目の個数を数えたらどうなるでしょう?1メートル四方のときよりも、より本当の池の面積に近づくと思いませんか?さらに1センチメートル四方を1ミリメートル四方にしたら、もっと小さく1マイクロメートル四方にしたら、さらに小さく原子1個分の大きさにしてしまったら、・・・。このように考えていくと細かく分けていくことで、より正確に面積を計算できるということが想像できると思います(実際に実行するのは手間がかかりますが)。そして実はこの考え方こそが、高校で習う「積分」の起源になっています(数Ⅲを履修すれば、「区分求積法」のところでその考え方を学びます)。より細かく分けて、それらを積み上げること、そうすることで、古代ギリシャの時代には

など、小学生のときに習った公式の不思議な数、3分の1や、3分の4が導かれています。当時は、微分も積分もなく、数式すらなかった時代ですが、その考え方の道理は今現在でも「なるほど」と思えるものだと思います。単なる公式だけの暗記で終わらないよう心掛けてください。
ところで、この細かく分けて、それらを積み上げる=積分という考え方は実用でも使われています。上の説明では、長さを細かくわけて計算する、という考え方を説明しましたが、では時間を細かく分けて計算する、と発想を変えてみたらどうなるでしょう。例えば、電気料金は1か月ごとに使用した電気量に従って請求されますが、その電気量はどうすれば正確に測れるのでしょう?上の説明と同じように、1日単位で測る⇒1時間単位で測る⇒1分単位で測る⇒1秒単位で測る⇒・・・、とどんどん細かく図る単位を変えていけばいいのです。家庭で使用する電気量は、電気メータで測られていますが、何か円盤のようなものが回っているのを見たことがある人もいると思います。ほんの少しの時間で、使った電気量に応じて円盤が少しまわる、そういったことを連綿と繰り返すことでメーターの数字が少しずつ増えていって、最終的に1か月の使用料を計算しています。このように細かく分けて考えることで、様々なものが正確に理解できてしまうのです。身近なものにもこういった仕組みはいろいろなところで使われています。少し回りを探してみて考えてみるのもいいかもしれませんね。

開成ハイスクール数学科 村上 豊