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開成教育グループ


2016 年 8 月 のアーカイブ

夏の模試結果をどのように受け止めるべきか

2016 年 8 月 29 日 月曜日

多くの高3生が、この8月にマーク式の模試を受験したと思いますが、結果はどうだったでしょうか。本番の入試と相関性が高いといわれる試験だけに、直前の雰囲気は本番さながらだったのではないでしょうか。前回より○○点アップという目標を掲げ、それに向けて各自が力を入れるべき科目を考え、準備していた姿を見ると、非常に頼もしく見えました。そして、自己採点の結果を翌日には多くの生徒が報告に来てくれていました。今回のマーク模試は全体として、国語が易化し英語が難化したと感じた生徒が多かったようです。
皆さんにとって大切なのは、この後です。受験した直後は誰しもが次にどうするべきかを考え、計画を立てたはずです。ところが、今、それを継続できているかどうかを確認してみてください。もし、計画が一過性のもので終わっていたら、模試を受けた効果も最大限には活かしきれていません。自分ができなかった問題が、次に出たときにはできるようにする、そのための準備を日々行う。単純ですが、結局はそうするしかないと思います。
皆さんの手元には、志望校判定の入った帳票が返却されている頃だと思います。そこで、もう一度、夏の模試結果を振り返ってみてください。何をするべきか考えてください。そして、それを必ず実行に移してください。
センター試験当日まではもう150日をきりました。時間は平等に与えられています。今回の模試結果をふまえ、どのように行動すべきなのか。しっかりと考え、即実行してください。皆さんが本気で笑える日のために。

開成ハイスクール英語科 濱田健太郎

英単語暗記について

2016 年 8 月 15 日 月曜日

ドイツの心理学者・エビングハウスが「忘却曲線」というものを提唱しているように、記憶というのは忘れられて当然のものだ。エビングハウスによると、人は記憶した情報を「20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%忘れる」という。忘れて当然、ということは、繰り返し復習する必要がある、ということだ。

英単語の覚え方の話になると、「黙読で覚えるのか」「声に出すのか」「書きながら覚えるのか」という議論になりがちだが、これは人によるものだ。単語帳をジッと見つめて覚える高校生もいるし、ブツブツ呟きながら覚える生徒もいる。私はと言うと、なかなか覚えられない単語を、紙に書き出して覚えたりしていたものだ。だから、「見る」「声に出す」「書く」というスタイルについては、人それぞれ、自分に合ったものを選べばいい。ただ、暗記のスタイルがどうであれ、肝心なのはインプットとアウトプットを組み合わせるということだ。例えば、

 

ステップ1(インプット)

英単語を見る 日本語の意味を頭の中で繰り返す

ステップ2(アウトプット)
日本語を隠して、もう一度その英単語を見る 日本語の意味を言ってみる

 

1時間でインプットできる単語数の目安を掴むことも必要だ。最初は30個でもいいし、50個~100個の間なら上出来だろう。ポイントは、確実に覚えられる個数を目安とすること。継続できなければ意味がない。「これくらいなら毎日(定期的に)続けられそうだな」という自分なりのペースを知っておこう。

英単語の勉強は、これだけでは終了しない。最後に必ず「確認テスト」をしよう。1時間に50個が自分のペースだとすれば、50個をひと通り学習した直後に、その50個を本当に覚えているかどうかテストをする。このとき、暗記できていなかった単語をピックアップしておこう。そして、翌日にもしっかりと復習する。これは、前日に覚えた単語の意味を確認するだけなので、さほど時間はかからないはずだ。さらに、数週間~1か月後くらいにも、同じ範囲を復習する。こうして、英単語の定着は、より堅固なものとなっていく。

「英単語をなかなか覚えられない」と言っている人の多くは、そもそも暗記に十分な時間を費やしていなかったり、反復を怠っていたりする。暗記作業は時間と労力のかかることなのだから、まずは効率の良さを求めずに、成果を実感できるまで、とにかく根気よく続けてみよう。

開成ハイスクール英語科 松本泰雄

模試の活用法

2016 年 8 月 8 日 月曜日

高3生の皆さんは、今後も多くの模試を受けることになるでしょうが、結果が返却されて、その判定に一喜一憂している姿をよく見かけます。それで終わっては、せっかくの模試も活用しきれているとは言いえません。そこで、今回は、模試を受けた後の活用法を紹介します。

模試を受けた後、一番大事なことは、その『復習』をすることです。
模試は、良問の予想問題の集まりです。重要な問題が偏りなく出題されています。
そして、模試の復習には「解説」をしっかりと活用することが重要です。解説には、完成度の高い解答の根拠が、とても丁寧に記されています。

その中でも特に活用して欲しい科目は、国語の解説です。国語は点数を伸ばすのが難しい科目だと言われます。それは、多くの受験生が「何となく」解いているからです。その「何となく」の状態からレベルアップするには、「正しい選択をするための根拠の見つけ方」をマスターする必要があります。模試は、その格好のトレーニングになります。解説と、自分の判断とを照らし合わせることで、読解力を磨くことが出来ます。どんな問題だったか、自分がどう解いたかという記憶が大切なので、当日中の復習が重要です。

もちろん他の教科についても、問題に対する自分の印象が残っているうちに解き直しましょう。模試という緊張状態の中で、本気で向き合った問題は、復習を行うことで、様々な効果をもたらしてくれます。

これからが受験勉強本番です。
私たちも一生懸命サポートしてきます。
体調管理にも気を付けてください。

開成ハイスクール 数学科

数学と科学・技術 その11

2016 年 8 月 1 日 月曜日

みなさん、こんにちは。暑い夏がやってきましたね。受験生にとっては、勝負の夏です。気持ちで負けないよう、頑張ってください。
さて、少し前に、日本初の新元素の発見と、その元素への命名「ニホニウム」のニュースがありました。今回は、元素の話をすることにしましょう。元素といえば、何よりも周期表です。高校の化学の最初の方で登場する、下のような表です。

「水平、リーベ、僕の船・・・」と覚えている人もいるでしょうか。元素をある順に並べると、周期的に同じ性質をもつ元素が現れる、という表でしたね。ところで、この表を初めて見たとき、どのように思ったでしょうか。実は、私は、「周期的といっても、かなり表が凸凹していて、それほど規則正しくはないのでは?」と思ったものですが、みなさんの感想はどうでしょうか。確かに、周期表は真四角の表ではなく、一見凸凹していますが、実は隠された規則性が潜んでいます。表の一番右側の元素を見てみてください。それらの原子番号を取り出してみましょう。
2,10,18,36,54,86,118
これは、どういう性質の数字でしょう。ぱっと見でわかるのは、すべて偶数だということです。そこで 2 で割ってみましょう。
1,5,9,18,27,43,59
別に何も変わらない、と感じる人もいるでしょうか。ところで高校の数学では、数字の並びのことを数列と名付けて、その性質を学びます。その中で、一見規則性はないけど、隣り合った数字の差を計算したら規則性が出てくるようなものを学びます。階差数列という考え方ですが、それを今の場合、計算してみましょう。5-1,9-5,18-9 とかを計算してみるのです。
4,4,9,9,16,16
あれ、綺麗な数字が出てきましたね。null ですから、まさしく規則的なわけです。さらにこの二乗で出てくる数字には次のような不思議な性質があります。
4=1+3
9=1+3+5
16=1+3+5+7
奇数を順番に足すと、二乗の数になるのです。高校数学のシグマの公式を使えば、
null
であることが分かりますが、絵で説明すると、下のようになります。
null
三つ目の絵で説明すると、赤:1個、青:3個、黄:5個を足せば、四角形の面積 3×3=9 になるという式です。
どうでしょうか。周期表には不思議な規則性が含まれていることに、納得できたでしょうか。実は、途中で2で割った理由や、なぜ奇数の和なのか、といったことについても、一般的に、すでに知られています。意欲的な高校の化学の先生に、「電子軌道」ということを習った人もいるかもしれませんが、詳しくは、大学に行ってから、の話になります。このように、数学は隠れた規則性を理解するのに利用されることがよくあります。よく学び、自分の知識の範囲を広げていってください。

開成ハイスクール数学科 村上 豊