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開成教育グループ


2016 年 10 月 のアーカイブ

普段の姿勢

2016 年 10 月 31 日 月曜日

こんにちは。

みなさんは普段、授業や自学習での問題演習に、どういった態度・姿勢、どの程度の気力・集中力で取り組んでいますか。

みなさんが、その持つすべてを駆使し、最高のパフォーマンスで問題に対すべきは、もちろん「入試本番」ですね。しかし、それを可能にするのは本番での「意識」ではなく、つまり、当日の気合や意気込みなどといったもので、実力をすべて発揮できるものではありません。

入試当日のパフォーマンス、その度合いを決するのは、良くも悪くも、問題に対する「平素からの取り組み方」です。そう、毎日の姿勢が、当日にそのまま表れるのです。だからこそ、本番で、全てを出し尽くす最高のパフォーマンスを可能にするには、普段の演習において、それがいかなる時や場所であろうと、「常にすべてを出し尽くす構え」で臨まなければなりません。一方で、常々「ただ問題を解いているだけ」「何となく解いている」「与えられた課題だから解いている」―もちろんこれも、正解を得るために真剣に取り組んでいるに違いないのでしょうが、普段のこうした対し方が入試の本番で通用するはずもなく、また、「自分は本番だけは違う」など、望むべくもないでしょう。

目の前の問題に正答することへの強いこだわり―どんなレベルの問題であろうと、いつ何時であろうと―その集積こそが、入試当日の成果として表面化するのです。

 

開成ハイスクール 英語科

It’s a piece of cake!

2016 年 10 月 24 日 月曜日

A: Could you unlock the car for me?
B: It’s a piece of cake!
A:「車のロックを開けてくれない?」
B:「お安い御用さ!」

It’s a piece of cakeは直訳すると「それは、一切れのケーキだ」で、「簡単なことだ」という意味になります。また、同じような意味の表現として、as easy as pie「パイみたいに簡単だ」という表現もあります。要するに、パイもケーキも食べるのは簡単だということなのでしょうか。
日本語にも食べ物を使って簡単であることを表す表現に「それは、朝飯前だ」というものがありますが、これは「朝食をとる前に簡単に済ませられる」とか「空腹な時にでもできる」とかいう意味のようです。

また、意味は通じても使う人は減っていると思いますが、「お茶の子さいさい」という表現もあります。「お茶の子」は、①お茶菓子、②仏事に配る菓子・供え物、③(お茶菓子が腹にたまらないことから)容易にできること、という意味で、「さいさい」は、はやしことばの「のんこさいさい」をもじったもの(『日本国語大辞典 2』、『暮らしのことば新語源辞典』より)。この表現もお菓子なら簡単に食べられることに由来しているようです。

英語では、ケーキやパイ、日本語でもお菓子を使って「簡単なこと」を表しているのは興味深いですね。おそらく、その背後には何らかの共通性があるのでしょう。例えば、お菓子は子どもが好むものであり、そこから子どもでも食べられる、子どもでもできる簡単なことといった発想があったのかもしれません。

 

さて、受験生にとっては、入試までもうあと数か月、現役生はこれから力が日ごとについていきます。「試験どう?」”It’s a piece of cake!”「楽勝さ!」と言えるように頑張りましょう。

開成ハイスクール 英語科 松本泰雄

睡眠のメカニズム

2016 年 10 月 17 日 月曜日

みなさんは普段、どのくらい睡眠時間をとっているでしょうか。

最近では、子供も大人も就寝時間が遅くなったり、不規則になったりする傾向がありますが、心身を健康に保つためには、十分な睡眠をとるべきです。

睡眠は、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の異なった2つの睡眠状態で成り立っています。
ノンレム睡眠は、「脳の休息と体のメンテナスのための睡眠」です。ノンレム睡眠中の脳は完全に休んだ状態になり、起きている間に得た情報の中から不要な情報(怖かったことや不愉快なことなど)を眠りながら緩和・消去しています。また、起きている間に傷ついた体のメンテナンスも行われています。傷ついた細胞の修復や疲労の回復、体の成長などを担う「成長ホルモン」は睡眠中にしか分泌されませんが、その分泌量は眠り始めて最初のノンレム睡眠に最も多く分泌されます。
それに対して、レム睡眠の最大の特徴は、眠りながら非常に速い速度で眼球が動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)が見られる点で、この頭文字から「REM Sleep(レム・スリープ)」と呼ばれています。

レム睡眠中の脳は、起きている時以上に活発に活動しています。起きている間に得た大量の情報から必要なものと不要なものを眠りながら整理し、必要な記憶の定着や記憶を引き出すための索引作りを行っていることが、近年の研究で明らかになっています。つまり、昼間に体験した出来事や、学習によって得た知識などの大切な情報を、レム睡眠中に整理しながら記憶として脳に焼き付けているのです。脳が活発に動いているので、この時に目覚めると気分がすっきりします。

私たちの睡眠は、これら性質の異なる2種類の睡眠で成り立っており、約90分周期で一晩に4~5回、一定のリズムで繰り返されています。
睡眠直後の3時間はノンレム睡眠の割合が多いため、ホルモンの分泌や疲労をとるためには、最低でも3時間の睡眠は必要です。しかし、13~18歳の心身ともに成長する時期は、睡眠も多く取る必要があります。

それらを含め、学生にとって理想の睡眠時間は6時間か、7時間半といったところでしょうか。起床したい時間から逆算して何時に寝れば睡眠時間を快適に保てるか考えることも必要ですね。
人間の頭が働くのは起きて約3時間後だと言われています。特にテスト当日は、1時間目が始まる前に脳を最高の状態にしておくべきだと思います。1時間目が8時半に開始するとして、起きるのは5時半、6時間睡眠をとるのであれば23時半、7時間半睡眠をとるのであれば22時に寝れば、翌日のテストはいい状態で臨むことができるでしょう。
不規則な生活をおくっているのであれば、まずは生活習慣を見直してみることから始めるべきです。
テスト前日に徹夜するのは、無意味だといってもいいでしょう。テスト直前期は体調管理も必須です。慌てることがないよう、常に日頃の学習を大切にしたいですね。

開成ハイスクール数学科

数学と科学・技術 その12

2016 年 10 月 10 日 月曜日

いきなりですが、皆さんにお願いです。次の100個の「ハイスクール!」(7文字)

の中から、

コレと同じ色の「ハイスクール!」を見つけてもらえないでしょうか?

さて、みなさんはどのような解き方を考えるでしょうか?

一番素朴なやり方は、左上から順番に、一つ一つチェックしていくというのがありそうですね。探しているものの最初の色は赤紫色だから、一つ目は違うな、その下も違うな、上から7番目のものは、2文字目まで色があっているけど、その後が違うな、と上から下へ、下までくれば隣の列へ、と探していくと、左から2列目の上から15行目に同じ色のものが見つかるのがわかりますよね。「やったー」ですね。「それじゃ、今度はこの順番のものをさがしてください」と言われたらどうでしょう。

「よし、やるぞ」と思ってくれた方、ありがとうございます。そうですね、左から4列目の上から4行目に欲しいものがあります。しかし、さらにまた、別の色が示されて、「次、これお願い!」と言われたらどうでしょう。

いい加減、目がチラチラしてきて、つらくなってくるでしょうか。まだ付き合ってくださった方、ありがとうございます。答えを言うと、実はそんな色順のものはありません。「えっ!!」と思うかもしれませんが、容赦なく、さらに「今度はこれを見つけてください」と言われたら、いい加減うんざりでしょうか。

仏の顔も三度まで、というくらいですから、「いったい、いくつあるんだ、あるかどうかもわからないのを探すのはもう嫌だ」と思っても仕方がないでしょう。根気のある人はまだ付き合ってくれているかもしれませんが、どうももう少し別の方法を探した方がよさそうです。実際、色の並び方は7の7乗で823543通りもありますから、せっかく探しても100個の中には見つからない可能性が高く、しかし、人間ですから、見落としている可能性もあって、その結果、何度も探し、何度もチェックする羽目に陥りそうです。よりうまいやり方が必要ですね。どんなやり方がいいでしょうか?
一つの答えを書く前に、こんなことがなんの役に立つのかを伝えておきましょう。現在は、情報化社会と言われていて、情報をいかに利用するか、ということが大事になってきています。その中には、情報をいかに手早く手際よく見つけるか、という問題も含まれています。上の例では、100個の色データでしたが、世の中には、何千、何万というデータが飛び交い、その中から、必要なものを検索し、調査、利用するということが行われています。人間の手でデータを一つ一つ調べていたらキリがありませんね。ですから、コンピュータでの処理が行われています。けれど、コンピュータにどのように処理するよう命令するのでしょう。実は、この命令の仕方として、高校数学で習う「集合論」のアイデアが使われることがあります。集合というと「ものの集まり」と習ったと思いますが、うまい「ものの集まり」を見つけてくることで、問題を解決します。最初の問題を例にして説明しましょう。色全部をチェックするのではなく、最初の色だけに注目しましょう。最初の色が赤紫色ですから、そういうものだけをまず全部集めてきます。この段階で、次の17個が抽出されます。

次は、二つ目の色が薄い藍色のものをさらに抽出します。集合論では、  A∩Bとか書くものですね。

わずか6個に絞られました。こうして、順繰りにたどっていくことで最終的に欲しいものが見つかるのです。集合論でいう、A∩B∩C∩…ということをしていくわけです。最終的な結果は、次のようになります。

おや、どうやら探していたものは2つあったようです。
人間の手で上の抽出作業をすると大変で手間がかかりますが、コンピュータはこの種のことを容易く疲れることなくやってくれます。そして、このように「問題を切り分けて処理する」ことで、たとえ、複雑な問題に変わっても(たとえば、「一文字目は水色か緑色で、4文字目は黄色以外のものを探して来い」等)、同じようなやり方でできるのです。もう少し身近な例で考えるなら、皆さんがネットで検索するときを想像してみましょう。キーワードを複数指定したり、除外したいものをマイナス検索したりすることがあると思いますが、それは「集合論」の言葉でいうと、「かつ」や「補集合」にあたるものになっているのです。
さて、このように、科学・技術の中にはいろいろな数学的考え方が隠れていることがあります。人間は、慣れ親しまないと物事を理解できない面がありますから、高校の間、勉強をおろそかにしないようにしてください。いずれ、困難な問題や、より高度な問題に直面したときに、それに立ち向かい、解決していくための基礎体力になります。

開成ハイスクール数学科 村上豊

高3生諸君へ ~最高の結果を残すために~

2016 年 10 月 3 日 月曜日

いよいよ10月になった。来年1月14日と15日実施のセンター試験までほぼ3か月。また公募推薦入試を受験する生徒にとっては、過去問演習に全力で取り組むべき時期となっている。これまで地道に勉強を続けてきた全ての受験生にとって、これからの勉強はただ一点、本番で「結果を残すこと」のみに結実させていかなくてはならない。

一部の私大入試を除き、高校のいわゆる評定平均値は合否結果に全く関係がない。合格判定は全て当日の得点のみによってなされる。全国から受験生が集まり、しかも現役・浪人を問わず、入学を希望する者全てに門戸を開いている大学入試は、非常に厳しいものであるが、一方で極めて公平でもある。受験生一人ひとりが置かれてきた環境、歩んできた歴史は当然のことながら千差万別である。しがしながら大学側はそうした受験生の個々の状況を斟酌したりはしない。「当日の試験で合格最低点をクリアーした者に合格通知を与える」だけである。

どんな世界であれ、最後は「結果」が要求される。それまでどれだけ努力を積み重ねたとしても当日「結果」が出せなければ、合格という評価を得ることはできないのである。我々教える側は、これからの時期、個々の受験生の状況を充分に把握しながら、試験当日「如何に結果を出させるか」のみに意識を集中させる。

「結果」を出すために必要なことは何か。それは試験当日に普段の力を100%発揮できる準備をこれから全力で行っていくことである。自分の持てる力を全て発揮できれば、少なくともボーダー圏に入っている大学には必ず合格する。しかし少なからずの受験生が、試験当日押し寄せる凄まじいまでのプレッシャーの中で、自分の力が発揮できず、悔しい結果に終わるという事例が存在するのも、また厳しい現実である。

これから必要なことは、試験当日、完全に力を発揮するための「ルーティーン」の確立である。ラグビー日本代表の五郎丸選手や、40歳を過ぎて未だメジャーリーグの第1線で活躍するイチロー選手が実践する「ルーティーン」が一時期よく話題にされたが、これは受験にも大きく当てはまる。

センター試験の国語を例に説明する。80分で「評論文」「小説文」「古文」「漢文」の大問4題を解くことになるのだが、当然全てを等しく20分で解く必要は全くない。80分で全ての問題を解くことのみが要求されているのであって、時間配分は全て個々の受験生に委ねられている。漢文を15分で解いて、その分評論文に25分かけるということも当然許容される。さらには解く順番も全て受験生が自由に決められる。ここで大切なのは、普段から「解く順番」や「時間配分」の試行錯誤をする中で、自分にとって最良の「ルーティーン」を確立することである。
自分の目指す目標点をクリアーするための過去問演習を通して、成功体験を積み重ねることが今後何よりも大切である。そしてその経験をそのまま試験当日に実践すれば、必ずや目標点を達成できるはずである。これは国語のみではなく全ての教科について言えることである。試験当日「結果」を残せるというイメージトレーニングを、これからの日々の勉強を通して、しっかりとやり遂げてほしい。

「大きな試練は人間を強くもし、優しくもする」

来春このことを全ての受験生が実感するであろう。最高の結果を出せるように、残された時間を全力で過ごすことが、今強く求められている。

開成ハイスクール国語科 森脇 庸介