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開成教育グループ


2013 年 1 月 のアーカイブ

国公立二次次試験に向けて

2013 年 1 月 28 日 月曜日

 この文章がブログに載るころには、センター試験も終了し、自己採点の結果が確定、さらには二次試験の出願先を決定していくといった時期になっているか、あるいは出願先も決定し、二次試験へ向けての勉強を本格化しているかもしれません。
 私もこれから実施される二次試験対策授業に向けて、過去の大学入試問題から何を演習するか、その問題の選定作業に入っています。
 年度ごと、1つの大学に限定せずに、また国公立・私立大学に限らず、あるいは地域も限定せずに複数の大学の入試問題を見ていると、「かぶり」と「カバー」がかなりあることに気がつきます。この「かぶり」とは、同一の年度に全く同じ問題、あるいは同じ素材をもとにつくられている問題が複数の大学で出題されることで、「カバー」は、ある大学で出題された問題が次の年度、あるいは数年後に別の大学で出題されることを指します。
 「かぶり」の例では、同志社大学の文系学部で出題された数学の入試問題が、同じ年の京都大学の前期で出題されたことがあります(これは差し替えを行わずそのまま実施されました)。同じく数学では、京都大学の前期と大阪市立大学の後期に全く同じ問題が出題されたこともあります(このときはさすがに、大阪市立大学はこの問題を削除し、試験時間を30分短縮して実施しました)。昨年度もどこかの国公立大学の前期日程と問題が重複したとのことで、神戸大学後期の英語で1問英文の差し替えが行われています。統合前の大阪大学と大阪外国語大学でも自由英作のテーマがほぼ同じということもありました。英語の読解問題の「かぶり」は、国公立大学に限ったとしても枚挙にいとまがないほどです。現代文でも、かつて京都大学と神戸大学で同様の出典からの出題がありました。関西では昔からこの「カブリ」が多く見られるため、「入試問題作成委員会」なる地下組織が存在し、そこから問題を配信しているのではないか、などという人もいました(最近は予備校が問題をつくる業務まで代行していたりするので、地下組織どころではなく現実の話になりつつありますが)。あくまで憶測ですが、大学入試問題を作成する大学の教官同士が関西の方がやや世界が狭いため、その中で話題になることが共通していたりして、そのために類似した問題が作成されるのかもしれません。とはいえ、同じ年度、国公立大学に至っては、同一日に実施されるのが入学試験です。こんなことを知っていても全く受験対策にはなりません。
 やはり注目しておかなければならないのは「カバー」です。ある年度の京都大学の数学の入試問題が翌年には九州大学で少しアレンジされて出題されています。それだけでなく、京都大学の問題は他の大学でアレンジされて出題されることが少なくなく、ちょっと古い例ですが、ある問題はアレンジされて京都教育大学、九州芸術工科大学(今は九州大学)で出題されています。そういう京都大学も東京大学と似た問題が出題されたことがあります。英語では、かつて立命館、甲南、新潟の各大学で同じ英文が出題されていたりもします。当然、自分が受験する大学の過去問を研究しておくことは、各大学の傾向を知るうえで重要かつ必須の作業ですが、それに加えて、とくに数学では、他大学の入試問題でも自分が受験する大学とよく似た傾向があるものについてはある程度研究しておいてほしいです。運が良ければ、同じ問題に当日出会えるかもしれません。少なくとも、最近の入試問題の世界における「流行り」は掴めるでしょう。
 センター試験で思ったような点を取れた人もいるでしょうし、かつての私と同様にセンター試験 (もっとも、私の場合はまだ「センター試験」ではなく「共通一次試験」というものではありましたが) の成績が芳しくなかった人もいるかもしれませんが、現役生の場合、もっとも実力が伸びるのはこれからの期間です。たとえ、センター試験がよくてもここから安心して崩れていく人もいますし、ボーダーに足りなくてもここから奮起して逆転をする人も多くいます(というより、合格する人の多くはこのパターンであるかのように思います)。最後まであきらめずに学んでください。健闘を祈ります。

開成ハイスクール 片岡尚樹

人生のターニングポイント episode 2 AくんとBくんの場合

2013 年 1 月 21 日 月曜日

 みなさんこんにちは。
 前回は、私の人生の転換点について話しましたが、今回は、私の教え子の話をしたいと思います。

 Aくんは、私が高1から担当していた、トップ高に在籍する生徒でしたが、彼には唯一欠点があり、それはひたむきな努力がすこぶる苦手だったことです。得意科目の数学は、常に学年の上位10位以内に入っているにも関わらず、暗記が必要な英語や世界史、古典の成績は伸び悩んでいました。

 2年生の進路面談の際、彼が志望校を神戸大にしたいと言ったとき、私は正直、「ポテンシャルは十分にあるけれど、今のままでは到底神戸大には届かないな」と思いました。そしてそのことを、私は包み隠さずそのまま彼に述べました。これはある種の「賭け」でした。Aくんのプライドを傷つけ、今までの信頼関係も崩れてしまう恐れがあったからです。しかし、彼は真剣な表情で、「本気でやってみます」と言ってくれました。

 それからAくんの快進撃が始まりました。苦手科目の古文文法と古文単語、そして今までサボっていた英文法の総復習を、決して楽ではないペースでこなすよう彼に指示しましたが、彼は文句ひとつ言わず、1日たりともサボらずにやり遂げてくれました。指示した以上にやってきたこともあります。まさに、あの日からAくんは変わったように思います。そして見事、目標であった神戸大に、余裕の合格を果たしました。

 もう一人、Bくんの話をしたいと思います。
 Bくんとの出会いは、彼が中3のときでした。初めてBくんを担当したときの印象は、あまり良くはありませんでした。いつも宿題をして来ず、テキストすら持ってこないという状態だったからです。入試が近づくにつれ、態度は多少改まってきたのですが、内申点がよくなかったため、志望を下げて受験し、進学しました。

 中学生のときの状況を知っていた私は、高校生になってからの彼の授業態度を心配していました。ところが、開成ハイスクールで実施される「高1準備授業」に参加した彼は、私の知る彼の姿ではありませんでした。熱心に授業を聞き、宿題も確実にこなすようになっていました。わからないところを積極的に質問してくるまでに、彼は変わっていたのです。

 最初の中間テストで彼はいきなり学年6位となり、2学期中間テストが終わった現在も、トップ10位以内をキープし続けています。そしてBくんは今、大阪市立大を目指して、私の与える授業外の課題に、前向きに取り組んでいます。

 開成に通ってくれて、大きく変わっていく生徒たちを見ると、「本当に尊い仕事をさせてもらっているな。どれだけしんどいことがあっても、やっていてよかったな。」と、この仕事にやりがいを感じずにはいられません。

 どんな人間も、きっかけさえあれば変わることができます。「自分はダメな人間なんだ」などと、自信を失いそうになったときは、思っていることを何でも私たちに打ち明けて下さい。そんな会話のなかに、みなさんの人生のターニングポイントとなるようなきっかけが隠されているかもしれません。
 
 
開成ハイスクール英語科

気分転換

2013 年 1 月 15 日 火曜日

 人間の行動は気分によって変化する。

 これはどこかの偉い博士の言葉でもなんでもありません。ごく当たり前のことだと私は思います。毎日の暮らしの中で色々な外的要素を受けて人間の気分は変化していきます。ですから気分をコントロールすることは実はとても大変なことなのです。性格にもよるかもしれませんが、気分が悪いと物事を悪いように受け取りやすくなり、悪い考えを抱くようになります。したがって、気分が悪いと感じたときには、気分転換をすれば今よりも気分よく過ごせるようになるということでしょう。毎日勉強に追われて煮詰まってくると、どうしてもストレスがたまり気分が悪くなってしまいがちです。そこで今回は、気分転換の方法を紹介してみたいと思います。

 身体を動かすこと。走ったり、歩いたり、泳いだり、体操をしたりすることはいい気分転換になると言われています。特に気の合う友人と一緒にスポーツを楽しめば嫌なことも忘れられるでしょう。なんとなく気分がすぐれない程度であれば、肩をまわしてみる程度でも効果があるかもしれません。何より身体を動かすことは健康にとってもプラスですから、ぜひやってみるべきでしょう。
 声を出すこと。おしゃべりをしたり、歌ったり、いつもより大きな声を出してみることも効果があるように思います。迷惑にならない場所を確保することが大変かもしれませんが、ストレスの発散になることでしょう。
 心を動かすこと。一見難しそうですが、人間の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を働かせるようなことを考えてみればいいでしょう。例をあげると、美しいものを見る、心地よい音楽を聴く、いい香りを嗅ぐ、おいしいものを食べる、ペットとふれあうなどがこれにあたります。
 遊ぶこと。遊びに夢中になれれば嫌なことも忘れてしましますよね。どうせ遊ぶのなら徹底的に遊んでみるといいと思います。
 休むこと。思い切って休むのも有効な手段です。身体の疲労だけでなく、心の疲労も緩和してやることが大切です。思いっきり眠るのもいいと思います。

 どれが自分にとって有効な手段かは、やってみないとわかりませんが、複数の気分転換法を持っておくと、辛い時でも少しは安心できますよね。

 2013年がやってきました。色々な決意を胸に抱きつつ、時には心に余裕を持つことも大切です。
 
 
開成ハイスクール英語科 濱田健太郎

私の大学受験(その6)

2013 年 1 月 7 日 月曜日

(2012年12月25日「私の大学受験(その5)」からの続きです。)

こんにちは。

とにかく孤独でした。明けても暮れても勉強のことしか頭になく、歩いているときも英単語の確認、学校の休み時間も数学の問題演習、風呂の中では世界史の教科書暗記。外界との接触を自ら断ち、家族との会話も途絶え、友人と談笑することも全くない毎日。勉強に埋没し、自分の中に引きこもり、憔悴したその顔は、笑うことを忘れてしまったかのようでした。それを孤高の美学にすり替え、自らを正当化しようとするも、寂しさは抑え難く募るばかり。鬱々とした気持ちは、日に日に私の気力をむしばんでいきました。
そんなとき、ふと思い出した言葉があります。「ソクラテスは穴に落ちた。夜空の星を眺めていて、穴に落ちたのだ。君はこのソクラテスを笑えるか。」これは、かつて私が通っていた学習塾の教室の壁に大きく貼られていたものです。これを初めて読んだとき、私は「物事に没頭することの尊さ、その真摯な態度を決して笑ってはいけない。」というメッセージとして解釈しました。しかし、「そうではない」と思い至ったのです。没頭のあまり周囲を見失い、自分を見失うことの愚かさは、一笑に付すべきものである、ということではないだろうか。私は、まさに「穴に落ちた愚かなソクラテス」だったのです。
どちらの解釈が正しいのかはわかりませんが、少なくとも私は、孤独が受験勉強にもたらすマイナスの側面に気付いたのです。もちろん勉強は自分でするものであり、その意味での孤独は必要です。しかし、バランスを欠いた過度の孤独に自らを追いやることは、活力を減退させ、目標達成を遠ざけてしまうことになりかねません。
「リハビリ」として、まず私がしたことは、「愚かなソクラテス」を笑うことでした。鬱屈した表情を笑いに変えることでした。そう、鏡に向かって自分に笑いかけたのです。ぎこちない表情でした。何度もやっているうちに、そんな自分がバカバカしくなって、つい本気で笑ってしまいました。久しぶりに見る私の笑顔。無性に自分が懐かしく思え、気づくと笑顔は泣顔に…。
その晩、いつもは勉強部屋で済ませていた夕食を、両親と一緒にとりました。

つづく