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開成教育グループ


2011 年 11 月 のアーカイブ

小さくて大きな励まし

2011 年 11 月 28 日 月曜日

 みなさん、こんにちは。いよいよ冬の到来です。風邪をひいている人も多いようですが、みなさんは大丈夫でしょうか。特に高3生は、あと1ヶ月余りでセンター試験ですね。準備は万全でしょうか。もう本番モード、ぐずぐずしている暇はありません。また、高2生のみなさんも、まだ1年以上あると悠長に構えていてはいけません。今から1年先のことを見通して時間の使い方を計画立て、それに基づいて着実に準備を進めて行く必要があります。
 大学受験というと、思い出すことがあります。当時、私の家の近くには郵便局がなかったので、てくてくと30分くらいかけて、ひと山向こうの郵便局へ受験料や願書など一式を出しに行きました。もちろん、忘れているものはないか、何度もチェックして、万全の状態でした。しかし、郵便局でいろいろと手続きを済ませ、家へ帰ろうと郵便局の自動ドアを出ようとした時、受験料を一緒に送るのを忘れていたことに気付いたのです。その瞬間、「自分では万全だと思っていても、なかなかすべてが上手くはいかないものだ」などと、受験そのものがとても不安になってきました。ところがその帰り際に、嬉しいことがありました。受験料の送付を済ませ、今度こそ本当に帰る間際、郵便局の方たちが全員で「ありがとうございました」と声を掛けてくれました。まるで私を励ましてくれるように、とても温かく聞こえました。「がんばろう」と、素直に思いました。ほんの些細なことですが、私にとっては大切な思い出です。
 受験は時に、孤独な闘いになりますが、多くの人が、陰となり日向となって助けてくれているものです。だから、受験に厳然と立ち向かってください。そして、そのぶん大きく成長してください。合格したその時には、嬉しさと、感謝の気持ちでいっぱいになるでしょう。

数学科 村上 豊

ダニューブ・エクスプレス(その 5)

2011 年 11 月 21 日 月曜日

前回9月20日からの続きです)

 ダニューブ川こと、ドナウ川を渡った列車は、南岸にある街ルーセに到着し、ブルガリアに入国しました。このルーセの駅、入国審査が終わってしまうと、まるで国境の駅という緊張感も賑やかさもありません。国際列車が到着しているプラットホームにはキオスク(売店)がポツンと一つあるだけで、他に列車もなく、乗客の姿もほとんど見あたらず、さらに駅員も物々しい警備の兵士もいませんし、売店の店員すらいません(これで商売になるのか?)。プラットホームにいるのはイラク人留学生の二人と私だけという状況でした。ひょっとすると、もう少し駅の中をうろつけば、人がいたのかもしれませんが、停車時間がそれほどない私たちは、車内に戻ると発車です。
 私たちの最終目的地であるイスタンブルは、ルーセからみると南東の方角にありますが、列車はここから南西の方角に進路を定め、ブルガリアの首都ソフィアへと向かいます。車窓の風景は、ただひたすら森が続いていたなという記憶しかありません。今回、この文章を書く上で、古い記憶を必死に辿ってみたのですが、ここまでの、ソ連やルーマニア国内を走っていたときの車窓の風景がほとんど思い出せないことには、愕然としました。一体何を見ていたのだろうか、と。あまりに単調なので記憶にないのか、それとも昼寝をしていたから見ていないのか、逆に緊張状態にあったからか、いずれにしても、もう少し真剣に見ておくべきだったと思います。そういえば、ダニューブに乗る前に乗ったシベリア鉄道も、車窓の風景は、バイカル湖が見えるときを除くと、ひたすらシベリアの大森林地帯を走るか、見渡す限り真っ白の平原を走るか、その組み合わせだけだったのですが、偶然乗り合わせた宇都宮大学の林学科の学生(彼らはゼミの研修旅行で、ソ連のノボシビルスクにある発電所を見学すると言っていましたが、当時のソ連でそんなことが許されるのかと、印象深く思ったものです)が、「皆さんはただ森が続くだけと思ってらっしゃるでしょうが、私たちが見ると徐々に植生が変わっていることがわかるので面白いのですよ」と語っていたのを思い出します。わかる人が見れば、無知な人間とは違うものが見えてくるのでしょう。そういう点では私の目は節穴だったのかもしれません。
 ひたすらブルガリアの森の中を列車は走り、どんよりとした空は、いつの間にか暗くなりました。ソフィア到着予定は、時刻表によればブルガリア時間の 17 時頃だったのですが、定刻からはかなり遅れたままのダニューブ・エクスプレス、まだまだ着きません。ようやく、列車の窓からソフィア駅のプラットホームに書かれているアルファベットの “SOFIA”とキリル文字で書かれた “София”が見えたのは、19時半ごろのことでした。
 実は、「ダニューブ・エクスプレス」の名称がついている列車としては、このソフィアが終着駅であり(そのため、起点であるモスクワのキエフ駅の案内表示でも、私の乗る列車は「ソフィア行き」と表示されていました)、私の乗っているワゴンだけがこのあとは別の列車に接続されて、イスタンブルまで向かうことになっていました。イスタンブル行き列車のソフィア出発時刻は日付が変わった午前0時40分であり、停車時間は定刻通りならば7時間。2時間ほど遅れて到着してもまだ5時間はありました。そのため、車掌が「ソフィアでどうするのか」と聞いてきました。つまり、このまま車内で出発を待つのか、それともソフィア市街に出かけるのか、ということです。当然ですが、イラク人留学生たちは駅の外へ行くと言いました。私も彼らについて行くことにしました。何せ彼らに食べさせてもらってばかりです。ここらあたりでお返ししないといけません。
 ソフィアに到着し、久々に列車をまともに降りました。ソフィア駅の構内は、モスクワのキエフ駅よりもブクレシュチ駅よりも明るかったことを記憶しています。数多くのプラットホームが並び、ソ連では地下鉄の駅でしか目にすることがなかったエスカレーターまでありました。高架はありませんが、地下道までありました。駅の規模は、日本だとJR天王寺駅から駅ビルと改札前にあるコンコースをすべて取り去ったぐらいの規模でしょうか。さすが一国の首都の玄関口だと感心していると、駅前には地下街がありました。モスクワには、地下鉄はありましたし、非常に長いエスカレーターを降りて行きつくその駅は、いざ核戦争が起これば核シェルターに転用する予定だったこともあり、それはそれは過剰なまでの装飾を施された大規模なもの(地下鉄の駅だけの絵葉書まで観光客用に売られているくらいです)でしたが、地下街というものがあった記憶はありません。しかし、まだ時刻は20時にはなっていないにもかかわらず、期待の地下街は真っ暗でした。所々で裸電球がむなしく通路を照らすだけでした。私たちは、地上に上がると、電気がついているところを探しました。彼らにおごるためには、私はキャッシュをあまり持っていなかったので、トラベラーズ・チェックを両替する必要もありました。しかし、薄暗い電気がついていると思って行ってみると、それは営業していない商店が商品を薄暗く陳列しているだけで、しかもなぜかどの店も陳列してあるのは、当時の私にとっても懐かしく思うほどの SONY のカセットテープ CHF(旧モデルのテープで、その10年ほど前まで日本国内で流通していたはずですが、当時はもう目にすることはなかったはずです)が数本だけという状態でした。人通りもない街を歩きつつ、私はその数週間前まで滞在していたソ連の都市を思い出していました。かつてはティムール帝国の首都だったサマルカンドや、現在はトルクメニスタンの首都になっているアシガバードの街も、夜8時、9時にホテルを抜け出して歩いてもほとんど人がいるということはありませんでした。ほんの数日だけ、しかも限定された箇所だけを行き来しただけで、多くを語ることはもちろんできませんが、モノについては当時の東側諸国は明らかに不足していました。でも、治安がよかったということも同時に言えます。
 やむを得ず、両替もできずにソフィアの駅前に戻ると、カフェが一軒ありました。屋外でしたから結構肌寒いのですが、ここしか営業していません。ここで食事をすることにしました。留学生の2人はワインを飲み始め、私にも勧めます。彼らはムスリムなのにいいのかと思いつつ、私も相伴します。彼らはガバガバ飲みます。水のように飲みます。私もそんなに弱くはない方だとは思いますが、それは日本国内の基準の話です。並みの日本人の肝臓のアルコール処理能力では、彼らの肝臓と太刀打ちすることはできません。抑えて飲みましたが、私は泥酔とまではいかないまでも、ほろ酔い+αぐらいにはなっていました。
私のなけなしの米ドル紙幣を彼らに出し、店を出ました。そして、緊張状態が解けてふらふらになり、もう寝るぞと思いつつ戻った駅のプラットホームで待っているはずの列車の姿はありませんでした。

片岡尚樹

大学受験は偏差値だけじゃない! ~入試制度の「数字」の見方~

2011 年 11 月 14 日 月曜日

 みなさんこんにちは。今回は「大学入試制度における数字の見方」について述べたいと思います。
 まず、大学入試センター試験の配点を見てみましょう。

 

 

 上記の図は一般的な文理別の受験における配点です。しかし実際には、この配点をそのまま採用するのではなく、各大学が独自に設定する配点によって合否判定を行います。
 以下の表は,2011年度の東京工業大と大阪大のセンター試験・2次試験の配点です。

 

 

 上記2大学の各学部は、一般的な模試の偏差値でほぼ同じラインに位置する大学・学部です。しかし、黄色の部分の赤文字の配点を見比べてください。
 東工大(機械工)のほうは他科目と比較した際に、国語の配点が少ないのに対し、阪大(工)の場合には、他科目より圧倒的に国・社を重視した配点を採用しています。
 このことが意味するのは、国・社がどうしても苦手で、センターの点数が思わしくない生徒は、阪大を受験するよりも、東工大を受験するほうが配点を有利に使うことができ、合格可能性がアップするということです。
 こうした配点の仕組みを十分に理解して、自分の学力特性をMaxに発揮できる入試制度、受験校選びをしていきましょう!

苦手な受験科目は早期に克服!

2011 年 11 月 7 日 月曜日

 一気に寒くなってきましたが、皆さんはお元気にお過ごしでしょうか。私は持病の高血圧からか、寒いという感覚が鈍く、未だに半袖で過ごしております。決して上着を持っていないからではありませんので、ご心配をなさらぬよう…。
 さて今回は、大学受験の準備に関して、一つ提案をしてみたいと思います。特に高校2年生の皆さんは、修学旅行も終わり、いよいよ受験に向けて気合を入れ直している時期でしょう。
 開成ハイスクールの高1・高2のクラスでは、学校の定期考査を意識したカリキュラムで授業を実施しています。毎回の定期考査を通じて、高校3年生になるまでにしっかりとした受験生としての下地作りをして、早期に大学受験に備えるためです。
 ところで皆さんは、自分が目指す大学・学部の入試に必要な科目を正確に把握していますか。主要教科である英・数以外の科目も、当然必要となってくるでしょう。これまでは受験を意識しないで、単に進級の為に最低限のことだけをやってきた、などという科目も、いざ入試に必要となった場合、これまでと同じ姿勢で取り組むわけにはいきません。
 幸いなことに、開成教育グループには「代ゼミサテライン予備校」があります。例えば、「受験に化学が必要だけど、これまで本気で取り組んでこなかった。全く自信がない。」という場合は、今から「代ゼミサテライン」で化学の受講を始めればいいわけです。各教室の先生に相談してみて下さい。すぐに体験受講のお手伝いをしてくれるはずです。

 準備は早いに越したことはありません。

開成ハイスクール英語科 濱田健太郎