立命館大 後期入試に向けて

2011年3月2日 水曜日

立命館大の3月入試についての説明会に参加してきました。開成教育グループ 入試対策課はここ数年毎年参加しています。昨年の様子はこちらのエントリー「立命館大学 後期入試に向けて」でご紹介しています。

立命館大 3月入試説明会

会の冒頭に「後期で立命館大を初めて受験するという人」に手を挙げてもらったのですが、会場の3割ぐらいの方が手を挙げていて、「意外と多いぞ」と感じました。大学の方にお話を聞くと、やはり「例年よりも多い」ようです。

3月に行われるこの後期入試ですが、この方式で合格を勝ち取って入学してくる学生は例年優秀な方が多いらしく、例えば就職の際にも良い結果が出ているそうです。大学受験という人生で最も厳しいこの時期、3月まで粘り強く最後まで頑張るという姿勢を身に付けた方々だから、でしょうか。

さて、今回の説明会では英語や数学の対策講座も行われたのですが、それとも合わせて一般前期終了時点の学部ごとの人気動向や出願のポイントなどもお伝えいただきました。

一般前期終了時点での昨年からの志願者数増減(%)について、以下の表にまとめました。昨年のこのイベントでお教えいただいたデータも残っていますので、それとも合わせて見てみますと、2009→2010→2011の志願状況の流れがわかります。

立命館大 一般前期入試 志願者前年対比

青く色がついている部分は10(昨年)→11(今年)で志願者が大きく減っている学部、赤い色がついている部分が昨年よりも志願者が大きく増えている学部を示します。前期終了時点の志願者動向なので「後期もこの通りになる」とは断言出来ませんが、受験生の志望動向は前期も後期もほぼ似通った形に落ち着くケースが多いので、恐らく後期でも同様の人気動向になるものと思われます。

上の表では学部単位での動向のみをご紹介していますが、例えば文学部・理工学部は細かく学科・専攻・プログラムに分けられており、各々で志望動向が異なります。文と理工については大きく人気が上がっている・下がっている学科・専攻・プログラムを以下にご紹介します(カッコ内は昨年志願者数との対比)。

― 人気が上がっている ―
・西洋史学(113.0%)
・学際プログラム(112.3%)
・数理科学(128.1%)
・電気電子工(130.6%)
・電子情報デザイン(142.9%)
・機械工(111.1%)
・マイクロ機械システム工(126.1%)

― 人気が下がっている ―
・英米文学(60.7%)
・東洋史学(72.1%)
・京都学プログラム(54.9%)
・言語コミュニケーションプログラム(73.5%)
・国際プログラム(82.2%)
・電子光情報工(77.6%)
・都市システム工(83.2%)

大学全体で2.4%の志願者減となっていますが、その減少分のほとんどがご覧のとおり文系学部で占めています。文系学部で減らしてしまった志願者数を薬学部を中心として理系学部で補っている、という状況です。

ここまでは10→11単年での減りで青色・赤色の色分けをして各々の状況について説明をしましたが、09→10→11の足掛け3年で見てみますとまた違う状況が見えてきます。

前期入試ベースで見ますと、2年続けて志願者を増やしている学部は全くありません。一方で、2年続けて志願者を減らしている学部は映像・経営の2学部存在し、トータルで見ると2年続けての志願者減、となっています。「少子化」の影響、長引く不況による「国公立大志向」が立命館大を直撃していることがわかります。

後期では一部の学部・学科等において1回の受験で同一グループ内の複数の学部・学科等の合否判定を行う「複数併願制」が実施されます。複数併願が可能なグループについては次のようになっています。一度の試験で複数判定してもらえるので、チャンス増大です!

産業社会学部 と 国際関係学部 と 経営学部
経済学部内 国際経済学科 と 経済学科
理工学部内 電気電子工学科 と 電子光情報工学科 と 電子情報デザイン学科
理工学部内 機械工学科 と ロボティクス学科 と マイクロ機械システム工学科
生命科学部内 応用化学科 と 生物工学科 と 生命情報学科 と 生命医科学科

立命館大 一般入試後期は3月5日(土)。頑張って下さい!

2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率⑤

2011年3月1日 火曜日

2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率①
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率②
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率③
2010年度大阪府公立高入試 教科ごとの小問別得点率④

に続くエントリーです。昨年の後期選抜における教科別の平均点、科目ごとの小問別得点率を順にご紹介してします。「~①」では昨年の後期選抜 国語について、「~②」では同じく社会について、「~③」では数学について、「~④」では理科についてそれぞれご紹介しました。まだお読みでない方は先にこれらをお読みになることをオススメします。

このシリーズ最終回となる今回のエントリーでは、英語についての情報をお届けします。下のグラフ・表で昨年の得点率や無答率を紹介しています(画像をクリックすると拡大します)。

大阪府後期選抜 小問別正答率(英語)

おととし(2009年度)の入試問題についてはこちらのエントリー「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率⑥」でご紹介しています。学習する際にこちらも合わせて参考にして下さい。

A・B問題については、数学同様各高校がそれぞれ選択します。どの高校がどの問題を選択するのかは、後期の入試当日にならないとわかりません。

さて、大阪府教育委員会からは次のような講評が発表されていますので、掲載します。

・基本的な語彙や文法に関する問題については、比較的高い得点率であった。
・英文の内容を文脈に沿って把握して英語で解答する問題や、与えられた日本語に合う英文を書く問題については、得点率が低く無答率が高かった。
・基本的な文法を理解した上で、基本的な語彙や表現を繰り返し書いたり暗唱したりすることによって学習内容を定着させることが大切である。
・学習した内容を実際のコミュニケーション活動において使うことができるようにするために、さまざまな場面を設定し、「聞く」「話す」「読む」「書く」という4領域が有機的に関連する活動をできるだけ多く取り入れることが重要である。

問題は「中学校で学習する基礎的・基本的な内容について、文章の内容を把握する力や自分の考えを英語で表現する力をみる問題を多く取り入れ、コミュニケーション能力育成の観点から言語活動における各領域の技能を総合的に問う」ことをねらって作成されたようです。

選択問題のA、1[Ⅰ]の語彙の問題はどれも高い得点率となっていますが、これらは「出来て当たり前」と思って下さい。これらの問題で間違えていると、他の受験生に大きな差をつけられてしまいます。

同じ選択問題のAで、英語記述・日本語記述が要求される問題の得点率が非常に低くなっています。これらをしっかりと得点出来れば他の受験生に差をつけることが可能です。記述で答える必要がある問題で確実に点がとれるよう、これから先は訓練してほしいと思います。

選択問題Bにおいても同様で、1?や?の記述が必要な問題での正答率が低くなっています。ここは他の受験生と差をつける上で狙い目です。

共通問題を見てみましょう。2???や3の英作文といった、やはり記述問題の得点率が低めになっています。共通問題では記述の問題が数多く出題されており、その分得点率が低めになっている問題が多く見られます。

しかも最後には「英作文」という、記述問題の中でも最難関の問題が待ち受けています。ただ、英作文はこれから毎日、とにかくテーマを1つでも多く練習し、塾の先生に添削してもらうことで今からでも対策が可能です。英作文を書くときには、以下の点に心がけて取り組むようにしましょう。

「ちゃんとテーマに沿っているか」
「時間は10分以内で」
「書い た後は見直しをする」

英語は「記述が出来れば点が取れる」問題になっています。国語・社会・理科でもそうですが、「記述力」が英語でも必要となります。記述力をつけるためには、塾の先生も含めた周りの大人の人たちに自分が書いたものを見てもらって意見をもらうとよいでしょう。

最後に、リスニングはどの問題も比較的得点率が高くなっています。英語を聞くことに慣れてさえすれば、正解を選び出すのは簡単です。昨年も指摘しましたが、英語を聞くときのポイントとしては「実際の場面を具体的に思い描く」「話の流れを把握する」という2点があります。また、話をしている人が「これは大事だな」「相手に必ず伝えないといけない」と思うようなところは強く発音する傾向にあります。その部分が聞き取れれば、話の流れの中で重要な部分だけは確実に押さえることができます。次にリスニング問題を聞くときには、「どこを強く発音するのかな?」ということを気にしながら聞いてみるようにしてみてください。

これまで「教科別平均点」、「教科ごとの小問別得点率①~⑤」と6回にわたって昨年(2010年度)の公立高校後期選抜の平均点・小問別得点率をご紹介してきました。あくまでも昨年の問題についてのデータや解説ですから、今年はどんな問題・傾向になるのかはわかりません。

まずは基本的な知識を確実にすること、そして記述問題ではその知識を基にして問題で問われていることに正確に答えることが出来るように訓練をしておくこと。この点を意識しながらこの先の学習を進めて下さい。

大阪府後期選抜まであと約1ヶ月。受験生の皆さんのこれからの頑張りの役に立つデータであれば幸いです。