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開成教育グループ


4月は残酷な月である・・・!?

 毎年4月になると頭の中をぐるぐる回り始める言葉がある。

 April is the cruelest month. (4月は残酷な月である)

 イギリスの詩人・評論家、T・S・エリオットの長編詩『荒地』の有名な冒頭の句である。
長い詩だが、その冒頭の部分はこんな風に始まる。

「4月は残酷な月である。死んだ土地からライラックを芽生えさせ、
 記憶と欲望をないまぜにして、春の雨で鈍い根を刺激する。」

 寒い中、春の雨によって芽を出すことを強いられ、そしてその土地が不毛な荒地(=現代)であるならば、その生は苦しみに満ちた残酷なものとならざるをえない。人も植物も成長し、老い、死ぬ。しかしそれは望んでそうなったものではなく、強いられて成長を促される。万物は流転する。いつまでも同じところにとどまることはできない。いくら居心地がよくても、ずっと羊水の中にいることはできないのだ。成長にはある種の苦しみや痛みが伴う。これは誰も免れることはできない。であるなら、ニーチェの運命愛をもちだすまでもなく、多少とも受動性のまにまに埋没することを拒否する意志があるなら、それはそうとして、もう一度自らの運命を主体的に引き受け直すしかないのではないか、そんなふうに思う。

 4月は日本では学年が上がる、入学する、入社するなどの人生のステージの転換期にあたる。以前のステージに愛着があればあるほど、そこからの離脱は辛いものになるだろう。
だが同時にそのステージの転換には苦しみや痛みとともに、未知の景色に出会える喜びもあるはずである。願わくは、その喜びが、残酷さや痛みを上回るものであって欲しいものである。

(堀 泰治)


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