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開成教育グループ


いよいよ本格的に受験勉強を始める諸君へ

受験期とは、目標達成のプロセスを実体験する貴重な1年間。

 こんにちは。
受験勉強とは、「志望する大学に合格するために、ある一定期間勉強を継続して行うこと」ですね。ではその間に、受験生は何を身につけるのでしょう。入試を突破するために必要な知識や問題解答能力であることは言うまでもありません。しかし実は、それと同等に、いやむしろそれ以上に貴重なものを獲得するのです。
 それは、大げさに聞こえるかもしれませんが、「人生における目標達成を可能にする能力」です。「成功のプロセス」と言ってもいいでしょう。「成功」とは、「そうありたいと心から願う目標を、満足いく形で達成すること」です。そのためのノウハウを体得する可能性が、受験生には与えられているのです。
 目標達成には、自分の持ちうる資源をすべてその目標達成のために一本化しなければなりません。そしてその資源の最たるものが「時間」です。時間の有効活用こそ、成功を大きく左右するのです。そのためには、成功に至るシナリオ作り、つまり計画立てが必要となります。受験について話をするならば、諸君は1年後の入試のことを考えて、少し不安になりませんか。人間は、自分ではコントロールすることができない状況に対して、不安を抱くものです。1年先のことなど、漠然としていて管理するのはきわめて困難です。では、今日一日、わずか数時間先のことであればどうでしょう。なんとか制御できるのではないでしょうか。つまり、1年後の合格のためには、半年後にはこうなっていなければならない、そのためには1ヶ月後にはこうでなければならない、だとすると1週間でこれだけ、1日ではこれだけずつ、といった具合に、最終目標から中期目標、そして最後には1日単位の目標へと課題を明確にし、長きに及ぶ受験勉強を、制御可能な1日の単位に具体化するのです。「目標達成のためにするべきことを、1日単位で把握する」これこそが、成功を左右する時間の有効活用法なのです。
 目標達成には、もう一つ必要なことがあります。それは、「日々の実践」です。実際に行動しなければ、何の結果も期待することができません。まずとにかく、行動に移してください。例えば、ここに20mの飛び込み台があり、あなたは今そこに立っています。「さあ、プールに飛び込んで」と言われて一瞬ためらった人は、眼下のプールを覗き込んでしまい、恐怖心からなかなか飛び込むことができなくなってしまいます。一方、号令がかかってすぐさま飛び込んだ人はどうでしょう。恐怖を覚える間もなく、すでに結果が出ているのです。行動を先送りにすると、その分だけマイナスの感情は増幅します。
 さらに、「日々の実践」は習慣化しなければなりません。その日に行うべきことを毎日確実にこなしていくのが当たり前の状態になるまで、継続し続ける必要があります。この「習慣化」が確立されると、「日々の実践」も苦痛を伴わなくなり、目標達成のプロセスはようやく軌道に乗ったことになります。
 ところで、1日単位の目標をその都度達成し、それを習慣化する過程には、大きな障害が現れます。それは、「日々の誘惑」です。目標を達成したいと思うのが「願望」ならば、あれもしたい、これもしたいと思うのもまた「願望」です。人は、そして受験生も、レベルの違うこの2つの願望の葛藤に常々置かれています。この時、「日々の誘惑」を選択したならば、その人にとっての目標達成の願望は、本物ではなかったことになってしまいます。誘惑に負けそうになったとき、2つの願望を天秤にかけて、自分にとってはどちらの願望のほうが大きいのかを考えてみて下さい。そして、今時間をどう使えば、1年後自分はどうなっているのかを明確にイメージしてみて下さい。時間とは、出来事の連続です。「今」の連続が将来に直結しているのです。「目標達成に役立つかどうか」という基準に常に従って、行動に優先順位をつけるようにして下さい。

 私が述べてきたことは、諸君が将来掲げるであろう人生の大きな目標を達成する際に必要とされ、そしてもちろん、大学受験においてもそのまま実践すべき事柄です。多くの人は、自分に無いような特別の資質をあらかじめ持っている人だけが成功すると考えがちであるが、それは間違った考え方です。目標達成のノウハウは、経験により習得することができるのです。受験勉強とは、その過ごし方次第では、こうした能力を諸君が獲得することができる、そんな可能性を与えられた、きわめて貴重な期間なのです。受験において成功体験を得た人は、諸君が思う以上に大きな力を手に入れることになるのです。この有意義な期間を、決して不完全に燃焼することなく、将来の糧となるよう、積極的に、有効に過ごしていただきたいと思います。


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