英単語の覚え方
2014 年 5 月 5 日 月曜日みなさんこんにちは。
高1生のみなさんは新生活に慣れましたか?早いところでは,5月中旬から中間考査が始まります。早め早めに準備をしていきましょう!
ところで、生徒たちと面談していて,「英単語が覚えられない」という悩みをよくききます。それに対する暗記法をいくつか紹介したいと思います。
◆ 大学入試に向けて覚えなければならない単語数は4000以上!?
大学入試を見据えて英語を学習していく上で,語彙の習得の必要性は言を待ちません。しかし,忙しい高校生活の中で「やらなきゃ・・・」と思いつつも,なかなかはかどらず挫折した(しかけている)経験はないでしょうか?
受験する大学のランクにもよりますが,大学入試センター試験(国公立大学を受験する場合必ず受けなくてはならない試験)の英語の問題を解答するのに必要な語彙量は4000語程度といわれています。それに対し中学校で習う語彙レベルはappleとかbookとかisとかを含めて900語です。ここから3000語以上も積み上げなくてなりません(もちろん,国公立大学の二次試験や関関同立の一般試験はそれ以上の語彙量が必要です)。その際に何に気をつけて単語を学習していくべきかについて以下に述べていきますので,今後の学習の参考にしてください。
◆ 英単語学習のポイント① 感覚器官をフル活用するべし!
みなさんは単語を覚えるときに,どうやって覚えていますか?
⑴ 単語帳や教科書を眺める
⑵ ひたすら書いて覚える
⑶ 音読する
大概の高校生はこのような勉強法をとっているように思います。
これは心理学の研究で結果が出ていることですが,人間は,使った感覚器官が多いほど,事物が記憶に残りやすいそうです。
このことを踏まえて,上の勉強法を考察してみましょう。
まず⑴ですが,これは文字を目で追っているので「視覚」情報に頼って記憶をしようとしていることがわかります。
次に⑵では,書く作業が加わることにより,「触覚(書いた感覚)」が視覚情報にプラスされます。当然,使っている器官が増えているので,暗記効率はよくなります。
さらに⑶になると,発音することにより別の「触覚(発音するときの唇の動き)」が脳に記録されるので,さらに暗記効率はUPします。
しかし・・・
人間の感覚器官は大きく分けて5つあります(「五感」と言いますよね)。そのうち,上の勉強法で用いた器官は「視覚」と「触覚」のみでした。あと3つ,「聴覚」「味覚」「嗅覚」が人間には備わっています。
味覚と嗅覚を単語暗記には使えないのですが,「 聴 覚 」は使 え ま す よ ね 。これをフル活用しない手はありません。
簡単に言うと「リスニング」を上記の学習サイクルの中に取り入れるだけで,すべての器官が統合化され,単語が飛躍的に覚 えやすくなる ということです。
英単語学習のポイント② 複数回反復を基本とし,各回ですべきことを明確にする!
単語の学習は1回で完結することはまずありません。2回,3回と繰り返しの中で定着していくものですが,その際に注意するべき点があります。
それは「回ごとに追及する深さを変える」ことです。
どういうことかというと,例えば最低3回は単語帳を反復するとして,1周目=意味のみ,2週目=つづりと発音,3週目=アクセントや派生語・関連語まで全部といった具合に徐々に負荷をかけて勉強をする方が無味乾燥にならずに取り組むことができます。理想的には最低3回のサイクルで,学年および自身の英語の学力に応じ,先生と相談して追及する深さを決定するとよいでしょう。
同時に,そういった目標を設定するときに,無理なく達成できる目標を立てるべきでしょう。無理な目標設定をすると挫折してモチベーションが低下するばかりか,英語が嫌いになってしまうことも考えられます。受験生ともなればそんなことも言っていられませんが,高1からこつこつ勉強を始めておけば,3年間で着実に力を付けることができるでしょう。
英単語学習のポイント③ 自分の暗記の「クセ」を見抜け!
これはポイント①とも関連するのですが,事物を認知する際に依存する割合が高い感覚器官には個人差があると言うことが心理学の研究で明らかになっています。文字情報(テクスト)を読むことが記憶の定着を促進するグループ,音声情報(リスニングなど)が定着しやすいグループ,そして映像情報(ビデオや図形など)からの定着が強いグループの3要素に分類されます。
基本的にはこの3要素のうちのどれかに強く依存している場合が多いので,その認知特性にあわせた勉強法を採用すると効率よく学習することができます。
英単語学習のポイント④ 忘却を前提とした計画を
「私は1日20個単語を覚えることにします!だから1週間140個で月に・・・」なんていう計画を立てる人がいますが、これは間違いです。
1日も休まずに,毎日進み続けることができるでしょうか?
人間も生き物なので、1度覚えたことも時がたてば忘れてしまいます。それを前提に,復習を視野に入れた計画は立てられていますか?
例えば、上の例なら、私は面談時に以下の提案をします。
1日20個×平日5日間=100個を1週間のノルマとし、
土曜にその週覚えた100個を復習。
日曜に前の週に覚えた100個を復習テストしよう。
こうすると,最低でも同じ範囲を2回覚えることになるので,一見効率が悪く見えるかもしれませんが,実は定着度が上の例よりはるかに高まります。
以上のポイントをうまく組み合わせて,自分にピッタリの暗記法を模索していきましょう!
開成ハイスクールの教師陣は,いつでも相談に乗ります!!