紅葉の季節
2017 年 10 月 23 日 月曜日いよいよ秋も深まり始めてきました。受験生にとっては、公募推薦入試の始まりの季節ですね。ふと窓の外に目をやると、そろそろ木々の葉も赤、橙、黄と少しずつ色づき始めてきているようです。もともと「もみじ」という意味の語源は、平安時代の「もみづ:染色するという意味」から葉の色が染まる様子をもみじに当てはめて呼んでいたところからきているそうです。
紅葉する前の葉には、光合成を行う葉緑体を構成するクロロフィルと呼ばれる緑の色素や、黄色のカロテノイドという脂溶性成分が含まれています。これらの成分含有量のバランスにより葉は普段、黄緑や緑に見えているのです。
紅葉は英語では、「autumn leaves」(秋の葉)とそっけない表現ですが、日本では、「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮」(藤原定家)と歌われるように、春の桜に対し、秋の紅葉は自然美を代表するものの一つであり、「観楓(かんぷう)」「紅葉狩り」「紅葉見」など、紅葉を見に出かけることを表す多くの表現もあります。また、万葉集の時代には「紅葉」は「黄葉」とも表現されていたそうです。
冬の試練を迎える前に、身を赤く染め、春に再び青葉を芽吹かせる準備をする植物の営みを、人々は昔から積極的に受け入れてきたのですね。受験生もこれからが勝負の時、身を赤く染めるほどに、春の若葉は美しく輝くことでしょう。