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開成教育グループ


2013 年 7 月 22 日 のアーカイブ

新指導要領と数学(その5)

2013 年 7 月 22 日 月曜日

みなさん、こんにちは。暑い夏真っ盛りですね。高3生のみなさんは、ここが正念場、決して弛むことなく、現役合格を目指して、勉学に励んでください。
さて、前回(5月7日)に引き続き、新指導要領と数学の話を続けたいと思います。今回は、指導要領が改定されることで、高校数学からはずれてしまう「行列」について書くことにします(したがって、行列を習うのは、現高3生で、高1・2生は習う機会はないと思います)。
さて、「行列」というと、店先に並ぶ長い列のことを真っ先に思い浮かべるでしょうが、数学でいう「行列」とは,下のような数字を縦横に並べたもののことを表します。

そんなものを考えて何の役に立つのだろうと思うでしょうが、ここでは行列の応用である「一次変換」に触れることにしましょう。「一次変換?また妙な単語がでてきたな。一次関数なら聞いたことがあるけど・・・」と思った人は、実はかなりいい線をついています。「一次変換」とは「一次関数」をさらに精密にしたものとも考えることができるので、まずは「一次関数」から思い出すことにしましょう。
「一次関数」とは、「2倍する」や「10倍する」など、「何倍かする」ということの総称でした(一次ってどういう意味?ということは、今回は触れないことにします)。「3を2倍して、6」だとか、「持ち点が10倍になって、大逆転!」などというように使ってきたと思います。ところが世の中には、単に「2倍する」というだけでは、うまく表現できない「何倍かするというもの」があります。下の図を見てください。開成ファミリーから、ピヨ彦君に登場してもらいます。

このような図があると、「横に2倍する」とか、「縦に3倍する」などというように、「何倍かする」ということを正確に指定するには、方向まで考えないといけません。実際、下のアニメーションのように、横に何倍かされたり、縦に何倍かされたりすることで、それぞれ違う印象を生み出したりします(「何倍かする」以外に、頬を染めるなど少し加工してあります)。

このようなものが「一次変換」の一種です。そして実は、「行列」を使って「縦に何倍」とか「横に何倍」などの操作をしているのです。また、「一次変換」は「何倍かする」以外のものもあります。例えば、「横にずらす」とか「縦にずらす」などが一次変換の別の例です。次のアニメーションを見てください。

「左横にずれる」→「右横にずれる」→「上にずれる」→「左上にずれる」という「ずれ」の動作を繰り替えしています(「ずれ」以外に少し加工していますが・・・)。
そして最後に、「ずらす」以外に「回転する」というものも、「一次変換」で表されることが知られています。

いかがでしたでしょうか。小学校で習った「何倍かする」というものも、より精密に高度に一般化して考えると、かなりいろいろなことができるのだな、と思えませんか?残念ながら「行列」は、今回の指導要領の改訂で高校数学からなくなりますが、大学で改めて習ってみたり、社会に出てから触れてみたりすると、今まで知らなかった世界が見えてきて、おもしろいかもしれません。ぜひ学び続けてください。

開成ハイスクール数学科 村上 豊