2011 年 7 月 19 日
皆さんこんにちは。
今夏も各大学でオープンキャンパスが開催されます。興味を持っている人も多いのではないでしょうか。受験に対するモチベーションを上げるためにも、高1生の皆さんにこそ、オープンキャンパスに参加して欲しいと思います。「憧れの大学」を早いうちに見つけておくと、「ここぞ」という時に踏ん張るキッカケとなりますよ!
「オープンキャンパスに行って、何をするの?」という人のために、この機会を何倍も充実したものにするためのポイントを、いくつかお伝えしようと思います。
ポイント1 自分から積極的に質問して、特ダネ情報を聞き出そう!
在学生や教職員を前にして、遠慮してはいけません。相談・質問の会場でなくても、自分から積極的に話しかけ、大学の勉強や受験のこと、バイトや学生生活のことまで、気になることは何でも質問・相談してみよう。スタッフの学生や教職員もキミたちと話すのを心待ちにしているのです。会話が盛り上がれば、特ダネ情報を聞き出せるかもしれません。
ポイント2 模擬授業や研究室訪問で、学びの「特徴」を理解しよう! 【重要】
模擬授業や研究室訪問では、学部・学科で行われる教育の特徴がつかみやすい授業や研究室が選ばれることが多いようです。これらが実施されていれば、ぜひ参加して、学びの特徴をつかむとともに、自分が本気で取り組める分野なのかどうか考えてみよう。こうして大学での学びに対する理解を深めれば、入試突破への意欲もより高まるはずです。また、その大学の特色を知っておくと、AO入試で圧倒的に有利です!!
ポイント3 図書館や研究施設で、教育・研究レベルを測ろう!
せっかく大学に入学しても、自分が望むレベルの勉強ができなければ、大学生活の魅力は大きくダウンしてしまうでしょう。そこでお勧めしたいのが、図書館や研究施設の見学です。これらの充実度が、教育・研究のレベルを判断するための「ものさし」になるのです。もちろん、施設に関するスタッフの説明も、しっかりと聞いておきましょう。
ポイント4 学食やサークル棟なども忘れずにチェックしよう!
大学生活をフルに楽しむには、食事やクラブ・サークル活動など、勉強以外の面の充実も不可欠です。これらの関連施設は要チェック。特に毎日のように利用する学食は、施設数や規模、メニューの種類、味・量・値段などを確かめておくといいでしょう。入学後の課外活動に期待している人は、サークル棟や体育館・グランドなどもしっかり見ておきましょう。
ポイント5 複数大学に行って比較し、理想の志望校を考えよう! 【重要】
勉強も大変でしょうが、時間を作って、なるべく複数の大学見学に出向くことをお勧めします。そして、学べる内容、キャンパスや学生たちの雰囲気、施設・設備の充実度、周辺環境など、それぞれ徹底的に比較し、理想の志望校を考えてみましょう。ある大学を見て好印象を抱いても、別の大学に行ったら、「こっちのほうがずっとよかった」などというケースもよくあります。
ポイント6 最寄り駅や大学周辺も散策して暮らしをイメージしよう!
キャンパスに足を運んだついでに、最寄り駅や大学周辺の街も散策してみよう。これらもまた、生活の基盤になる場所だからです。例えば、都会のターミナル駅周辺と郊外の住宅街とでは、暮らしのスタイルも大きく違ってきます。商店街のお店などもチェックしながら散策し、自分の思い描く暮らしを実現できるか、イメージしてみましょう。

カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 7 月 11 日
唐突ですが、皆さんはパソコンで青い画面が出てきたら、どんな風に感じますか?(マックでは、サッドマックあたりでしょうか?)ほとんどの方が、英語で何か書いてあるんだろうけど、読んでも多分わからないし、とりあえず焦ってしまうのではないのでしょうか?Enterキーを連打して、再起動してみたら訳も分からないのに復活していたという経験をお持ちの方が多いように思います。(考えてみたら恐ろしいことをしているわけなんですが。)
しかし、それでもどうにもならなかった時、どうしますか?リカバリー(初期化)を実行したこと、ありませんか?残っているデータを少しでも抜き出したいがいうことを聞いてくれなくて泣きそうになった。なんて人もいるのではないでしょうか?普段からバックアップを取っておけばよかったのに、ついつい面倒なので実行せずにいるとXデーは突然やってきます。
そのXデー到来の時期ですが、比較的多いのはPC購入当初にアプリケーションをどんどんインストールしている時なんです。これは精神的ダメージは軽いですね。なぜなら、そんなに個人的なデータそのものが存在しないからです。
1年生で、すでに高校生活をリカバリーしたいなぁと考えている人いませんか?確かに面倒なことには間違いありませんが、今ならこの夏休みを利用して新しい生活のリスタートが可能だと思います。進むも勇気、戻るも勇気が必要です。本当にあっという間の3年間です。悔いを残さないように毎日を充実させて下さい。
毎日、暑い日が続きますが、講習会も全力でやっていきましょう!!
開成ハイスクール英語科 濱田健太郎
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 7 月 4 日
今日もまた、受験生が相談に来ました。
相当精神的に追い詰められている様子です。
私は授業中だったので明日1時間ほど面談をする約束をしました。
毎年、この時期に受験生はしんどい時期を迎えます。
外部模試を何回か受け、現実を直視させられるのです。
そのつらい気持ちは、十分わかります。
私は1年浪人しています。
浪人中、代々木ゼミナールの寮に入りました。
寮に入ったからすぐに成績が鰻登りに上がったか?
そんなことはありませんでした。
特にこの梅雨の時期は全く…。
そんな中、私は寮長に相談に行きました。
寮長はいつもやさしくて温厚な人でした。
ところが、この日の寮長は違いました。
普段どおり私の相談を優しくきいてくれていたのですが、
私が「もう成績上がらないです。」と言った瞬間、
おい、大道!
おめぇは心のどこかに「もう無理」って思ってるんじゃないのか?
たしかに人間誰しも「限界」は感じるときはある。
でもな、心で無理と思ってても、それを口に絶対に出すな!!
強がりでもいいから、まだ頑張れる!まだ諦めてない!オレはできる!って言うんじゃ!
そしたら、周りも力貸してくれるし、自分もその気になってくる!
後に引けない、悩んでる時間すら惜しい、そう思えてくるんじゃ!!
おまえは今は我武者羅にやるしかないんじゃ!
おまえはなぁ!自分に制限をかけとるんじゃ!
マイナスの言葉はなぁ、この時期絶対口にしたらだめじゃ!!
今は前に進むしかねぇ!!
限界など無い!!! 停滞期があるだけじゃ!!
そこに留まっていてはいけない!! 今は何が何でも前にすすむんじゃ!!
昨日は何をやった?
紙に書いてみろ!
そんな勉強で第一志望に受かると思っとるんかっっ!!!!
私は今、なぜ寮長が声を震わせ私を叱ってくれたのかよく理解できます。
誰にでも結果が出ない時期はあります。
しかし、その期間は普段のリズムを崩さず冷静に勉強するべきなのです。
そして、「勉強に限界はない⇒停滞期を乗り越えろ」ということ。
受験生のみなさん、結果が出ないからといって焦る必要はありません。
今は現状に一喜一憂することなく冷静に勉強計画をこなしていくべきなのです。
大道@西田辺
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 6 月 27 日
こんにちは。
私が教えている生徒たちの「前期中間テスト」の結果が出そろいつつあり、今回もまた、「学年トップ」や「クラストップ」、また大幅に成績アップした生徒たちが、その喜びの声を聞かせてくれています。
学年トップ・クラストップを取る生徒たちは皆、この「トップを取る」ことを強く意識しています。トップの生徒と2位の生徒の差は、学力の差よりもむしろ、意識の差が大きいように思われます。
明確な目標設定は、点数アップに必要な条件です。目標は、「成績を上げたい」という願望の現われであり、この願望が成績アップの出発点となり、原動力にもなるのです。そう、成績アップは、まず「点数を上げたい」と強く望むことから始まるのです。私の生徒たちも、夏休み明けの定期テストに向けて、今から自分の目標を明確にしています。
さて、開成ハイスクールでは、7月21日(木)から、いよいよ「夏期講習」が始まります。生徒たちは、さらなる成績アップを目指し、本当にがんばってくれることでしょう。
夏期講習の期間中、私ども教師陣が最後まで気合いを充実させて授業を続けることができるのも、すべて生徒諸君ががんばりを見せてくれるからなのです。授業はまさに教師と生徒たちの共同作業です。私たちが生徒を励まし、ヤル気を喚起し、今度は生徒の充実した姿勢に私たちが鼓舞されて、ますます授業が熱気を帯びて盛り上がっていく…。授業の雰囲気を作る出発点は、まず私たちが与えるものですが、生徒諸君なくして、彼らが醸し出す空気を無視して、授業は決して完成しません。私にとって、夏期はこうした当然のことを、毎年のごとく改めて認識させられる毎日となります。皆が本当によくがんばってくれるから。
夏期講習のことを思い描くと、いつしか身体が熱気を帯びてきます。ここ数日の暑さは、この私の気合いのせいかもしれませんね。
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 6 月 20 日
こんにちは。
フランシス・ベーコンに次のような言葉があります。『物を書くことは人間を正確にする。』まさに言い得て妙。「書く」ことの大切さを忘れている人は、「正確さ」を意識していないようです。勉強に関して言えば、「なんとなく分かっている」あるいは「なんとなく分からない」というように感じている人でしょうか。つまり、「この部分は十分理解できているが、ここはまだ習得できていない」といった自分の習熟度が把握できていないのです。こうした人は、「勉強をしている」という自覚も希薄なように思われます。だから、ただ解答欄を埋めるだけの作業をしていたり、とりあえずノートに板書を写しているだけであったり…。これでは、本当の意味で「書く」ことを行っているとは言えません。
計算が苦手な人ほど、計算の過程を頭の中だけで処理しがちですが、取り組む教科の内容に関わらず、また、文章であれ計算式であれ、「書く」ことを、もっと大切にしてもらいたいものです。
今、自分は何を書いているのか、何のために書いているのか、どのように書けば効果的なのかを常に意識しながら「書く」。そして、自分が書いたものを振り返り、どの程度書けているかによって、そのつどの理解度や到達度を自己確認する。こうしたことの意識的な反復こそが、論理的な思考力と正確な理解力を育んでいくのです。
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 6 月 13 日
最近の高校生を見ていて思うことは、携帯電話をすごく大切にしているな、ということです。こんなことを書くなんて、私も年をとったな~と思います。私が高校生のときは、携帯電話は世の中に存在はしていましたが、一般の人が持つものでありませんでした。ちょうど車に移動電話を設置できるようになった頃です。携帯電話が大きすぎて持ち運べない…、そんな時代があったなんて、皆さんには想像できないかもしれませんね。ましてや、携帯でメールをするなんてことは、夢のような話でした。
今では、かなりの数の高校生が携帯電話を使ってメールをしています。メールが着たら、すぐに返事を送るのが礼儀ということで、携帯をよくチェックしています。高校生はいろいろなことが気になる時期で、私も当時は、携帯ではなく、「どうやったら女の子にもてるのか!」なんてことを気にしていました。
題名に「気にしすぎ」と書きましたが、皆さん(現代の高校生)に限らず、私も含めた社会全体が、いろんなことを「気にしすぎ」なのかなと感じています。
まぁ私も最近は頭皮の具合が気になり始め、話題のスカ○プDなどを試そうかなと思っているので、「気にしすぎ」な一人なのですが…。
世間全体が「気にしすぎ」な昨今なので、人生の中でいろんなことが気になる世代の高校生は、私の高校時代よりもいろんなことが気になっていると思います。ならば一度、携帯電話など、気になるもの(放っておけないもの)をエイヤ~と投げ捨ててみたら、どうでしょう。
私の高校時代の話ですが、テレビが壊れた際に、しばらくテレビを買いませんでした。その理由は、テレビがないほうが、自分の時間がたくさん取れるとことに家族全体が気づいたからです。テレビがなくても、まぁどうにかなるものです。テレビがないデメリットは確かにありますが、テレビがないメリットも非常に大きいものです。携帯電話も同じではないでしょうか。
一度チャレンジしてみてください。
私も頭皮を気にせず生活してみようと思います。
開成ハイスクール数学科 前田佳邦
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 6 月 6 日
「古文」と聞くと、「なんとなく」や「フィーリング」で解くものと誤解している人はいませんか。何が書いてあるかわからない・・・、現代の価値観で読んでしまう・・・、などなど、古文に対する様々な障壁がみなさんの前に立ちはだかっていることでしょう。
そこで、誰にでもできる、「これだけは」という簡単な古文の勉強法を3点紹介します。
①単語
②文法
③反復音読
まず、①単語についてです。もちろん学年により習得すべき単語の数は異なりますが、目標数を定めてみましょう。
高校1年生は150語、高校2年生は300語、高校3年生は500語を目標として下さい。よく耳にするのは、「市販の、どの単語集を使えばいいのですか」という質問ですが、単語集は「書いてある中身はほぼ同内容」です。ですから、まずは本屋さんへと足を運び、自分にあった書き方(文字の大きさや形式)や、構成(例文がついているか否か、意味が多く載りすぎていないか)などを確かめ、自分の気に入った、モチベーションが上がりそうな一冊を購入して下さい(その際、単語の語数が学年別に見合ったものを選択するのが大切です)。きっと自分の目で見て選んだものならば、人から薦められるものより、愛着が湧くはずです。単語数は読解力とある程度比例しますので、単語数を増やすことがまずは古文のステップ1となると考えてください。
次に、②文法です。勉強することは3点、「助動詞・助詞・敬語法」です。文法というのはこの3点により構成されているので、「私は助詞がわからない」とか「敬語が理解できていない」など、自分の分からない分野を意識し、そこを徹底的に繰り返し学習していきましょう。もちろん、こちらもお気に入りの参考書を一冊、各自でみつけてください。苦手な人は、無理にレベルの高いものに手をのばす必要はありません。まずは簡単に理解できるものから始めましょう。そして、必要なことは「反復練習」。単語集もそうですが、同じ一冊を繰り返し、少なくとも3度は読み解くことが肝心です。その後、レベルの高いものへと徐々にステップアップしていくのがよいでしょう。
最後は、③反復音読です。これは、話の内容が、自分である程度理解できている(と思われる)文章を、繰り返し音読するというものです。意味のまとまりや文節で区切りながら、「声を出して」読むことで、客観的に自分の理解の程度が確認できるはずです。学校の授業をしっかりと理解し、その後、教科書を用いた音読の材料を沢山作っていくことは非常に大切な作業です。日頃から、1つでも多くの文章を吸収し、その後の反復音読を行うことで、自然と古文の力が身につくはずです。
以上、すぐに実践できる身近な勉強法3点を紹介しました。古文はとにかく「慣れる」ことが大切です。皆さんも、まずは自分のできることから、古文の勉強に積極的に取り組んでみてください。きっと、今まで知らなかった古文のおもしろさに、少しずつ気付くことになるでしょうから。
開成ハイスクール国語科 重留英明

カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 5 月 30 日
こんにちは。
新学年最初の定期テスト、予期に反して点数が伸び悩んだ人はいませんか?もしそうであるなら、できるだけ早く、残念な気持ちが強く残っているうちに、次回に向けて具体的な改善策を講じる必要があります。喉元をすぎてからでは、また変わらぬ日常に戻ってしまい、次回も同じことの繰り返しになってしまいます。
まず、答案用紙をじっくり見て、結果の分析(自分はどんな間違いをしているのか)、原因の分析(なぜそのような間違いをしたのか)を行い、さらに改善策(どうすればそういった間違いを繰り返さないで済むか)を立案し、それらをすべて書き留め、机の前に貼っておきましょう。それを毎日見て、実行すべきであることは言うまでもありません。
時間の使い方にも問題があったのかもしれません。本腰を入れて定期テストに向けての勉強を始める時期が遅すぎた、ということです。否、定期テスト勉強をスタートさせるべき時期などありません。当たり前のことですが、毎日がテスト勉強なのですから。点数をアップさせたいのであれば、反省の気持ちが残っているうちに、そう、今日からでも、次のテストに向けて毎日の取り組みを始めてください。そうすれば、必ず、必ず成績は上がります。それしかありません。
最後に、次回のテストまでの残り日数を大きく紙に書いて、これも机の前に貼り、毎日その残り日数を更新していってください。それだけでも、時間の大切さを意識するきっかけになるはずです。
さあ、今日から実行です。
カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 5 月 24 日
みなさん、こんにちは。今の時期というと、学校によっては1回目の定期テストはすでに終わり、結果が返ってきている頃でしょうか?中には、もう2回目の定期テストのことを考えないといけない高校もあるでしょう。
ところで、定期テストが終わったみなさん、結果はどうだったでしょう?まだ始まっていない皆さんは、準備は万全でしょうか?高校の勉強は、量も密度もケタ違いです。義務教育からはずれ、教科の内容によっては、そのまま社会で使われているような知識を習うこともあります。そのような中で、どういった勉強の仕方をしていけばいいのでしょうか?ここでは、数学の勉強の仕方に限って書いてみることにしましょう。
数学の勉強の仕方の一つ目として、慣れることで「一定の型」を作ってしまうということが挙げられます。高1だと最初のテストの範囲として、因数分解が出されたことでしょう。非常にたくさんの文字式が出てきて、目がちかちかした人もいるかもしれませんが、解くための型というのは、たいして多くなかったと思います。数学というものは、非常に少数のルールによって多くのものを取り扱う方法を提供しています。一見、無味乾燥に見えて、退屈に思えることもあるでしょうが、嫌がらず、型を身につけるようにしましょう。そうすることで、数学の基礎体力ができます。
では、型を身につければそれで終わりでしょうか?実際、高校の数学はそれだけではマスターできません。数学の二つ目の勉強の仕方として、問題が何を表しているのか、ということを冷静に見るという点が挙げられます。中学での文章題にあたる問題や、高校での関数にあたる問題の多くが、このポイントに当てはまります。答案を作成する時に書く数式が何を表しているのか、時に注意して見てみましょう。ついつい、小学校の算数の時の気分で、答えを出すことに集中したり、早く問題を解くことに注意がいったりしてしまうことがありますが、慌てず、問題が表していることを数式にする、というのが大事です。答えは、型を身に着けていれば、おのずと導かれます。冷静に問題と向き合い、慌てないようにしましょう。
数学の勉強の仕方の三つ目として、必ず手を動かす、いろいろなことを書いてみる、試してみる、ということが挙げられます。特に図形の問題やグラフの問題がこの方法に当てはまりますが、とにかく試行錯誤してみるというのが大事です。なかなかポイントが掴めないということはよくあります。でも、あきらめず、いろいろと試して見ましょう。そのような経験が後々大きく効いてきます。わかっていると思っていることでも、意外とわかっていなかったと気付いたり、試行錯誤の中で自分なりにポイントを発見することもあります。数学に親しむことから逃げないようにしましょう。
最後に、数学の点数が悪くても落ち込まないようにしましょう。高校の数学はかなり抽象的な問題が多いです。数学の経験をつまないと、腑に落ちないような問題に出くわしてしまいます。実際、私自身も数学のある分野について、2年間ほどさっぱり手をつけることができないことがありました。今、できなくても1年後にはできるようになっていることがあります。前向きに取り組むことが大事です。怖れず、嫌がらず、しっかり学んでいきましょう。
数学科 村上 豊

カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »
2011 年 5 月 16 日
ソ連国境の駅、ウンゲニー駅での停車時間は約 3 時間、すったもんだの出国審査を経て、ようやくソ連を出国できました。車内にあった国際列車時刻表によると、ウンゲニーはソ連時間で午後10時着で2時間停車の午前0時発になっているので、時刻は午前3時ごろだったと思います(このように遅れはどんどん蓄積されていきます)。列車は時速15キロぐらいの低速で進み、厳戒の国境を越えます。陸路で国境を越えるのは、生まれて初めてのことでした。真夜中でもあり、しかも当時の国際情勢もあり、ソ連もルーマニアも国境警備はきわめて厳戒です。ナトリウム灯が薄暗く、しかし危険な暗黒を作り出すことないよう照らす中、自動小銃を抱えた警備兵たちが微動だにせず列車を見守ります。本当に緊張感が漂う光景なのですが、その雰囲気に長時間浸っている暇はありません。何せ、ソ連の出国審査官は、私の荷物を見事にひっくり返してくれました。片づけないと私も、同じコンパートメントのイラク人留学生たちも眠れません。彼らが連結器のところで呑気にタバコでも吸っている間にトランクに荷物を詰め込んでいると、隣のコンパートメントの女性客(国籍不明 — 聞き損ねたため不明、外見だけでどこの出身かわかるほどこの辺りの人たちは甘くない、年齢不明 — これを聞いたらどつかれる)がやってきて、「いっぱい荷物あるね、でもどうせ今、片づけてもルーマニア人がまた全部ひっくり返すよ、だからしてもムダよ」とからかう。彼らはみな何回もこの列車に乗っているようなので、よくわかっています。それでも、ある程度片付きました。
そうこうしているうちに、静かに走った列車はルーマニアの最初の駅ヤシに着きます(一応私の持っているダニューブ・エクスプレスのチケットの経由地には「キエフ、ウンゲニー、ヤシ、…」と書かれています。ですので、この駅がヤシ駅だと思いますが、本当のところはわかりません)。時刻は午前2時半ごろです(ソ連とは1時間時差があります)が、入国審査が始まります。
ルーマニア入国にあたって、私には一つ小さいながら、もし的中すると大きな問題になる不安がありました。それはルーマニアのビザ(査証)を事前に取得していないということでした。この当時、日本人がソ連、東欧といった共産圏諸国へ渡航するのはなかなか手続きが厳しかったのです(今はどうなっているか、よく知りません)。当時、個人がソ連へ渡航する場合、1)ソ連の国営旅行会社「インツーリスト」と提携している日本の旅行会社へ渡航希望(いつからいつまでの期間でどの都市に行きたいかを書いたもの)を出す、2)旅行会社がその希望をインツーリストへ照会し、インツーリストはそれを適当にアレンジして入国から出国までの全ての都市間の移動手段(飛行機、鉄道)および宿泊施設のスケジュールを決定して旅行会社へ通知、3)スケジュールを了承すれば料金を払い込む、4)その料金支払いの証明書「バウチャー」がテレックス(何だかわかりますか?)でソ連から旅行会社に届く、5)パスポートと受け取ったバウチャーを持って渡航者がソ連大使館へ出向きビザを取得する、という手続きが必要でした。ちなみに今回、私がこの手続きをしたわけではなく、このすべての段階を旅行会社が代行してくれたのですが、ダニューブ・エクスプレスに乗るのは私単独の行程ということで、旅行会社はインツーリストへの手配のみで、ダニューブ・エクスプレスの分のバウチャーは私がモスクワまで持って行って、直接インツーリストのオフィスでチケットを受け取ることになっていました。ですので、東欧諸国のビザの取得を日本国内でするかどうかは私が判断することでした。ブルガリアの通過ビザは取得しておいた方がいいとのことだったので取得を依頼しましたが、直前に地図を見るまで、ダニューブ・エクスプレスがルーマニアも通過することには、気づいていませんでした(アホです)。旅行会社に聞いてみると、「ルーマニアは入国時でも大丈夫だろうと思いますけど」と曖昧な返答でした(国際情勢は猫の目のようにコロコロ変わるので、この返答を責めることはできません、なんせひと月以上も先のことです)。出発目前に東京のルーマニア大使館に電話してみると、いきなり“Hello”と英語の返答、「日本語ができる人に代わってください」などというのも忘れて、しどろもどろの問答ののち、どうやら入国時でも通過ビザならば取得できそうだとはわかりましたが(このとき、せめて「大使館」「領事館」「観光ビザ」「通過ビザ」ぐらいは英単語を覚えておこうと思いました)、英語なので言質を取ったとは言えません。ダニューブ・エクスプレスに乗り込んだときも、イラク人留学生たちは、「お前、ビザを持っているのか」と聞いてきましたので、一抹の不安がよぎります。とはいえ、西側諸国に対して穏健なルーマニア(これは1984年のソ連、東欧諸国はそろってボイコットしたロサンゼルス・オリンピックにルーマニアとユーゴスラビアだけは参加していたということだけが根拠です)だから、まあ大丈夫だろうという希望的観測(今考えると無謀です)を持ってはいました。
案の定、私のパスポートを見てビザがないことを知った入国審査官はそのままパスポートを持ち去りました。ただ、慣れているはずのイラク人留学生たちのパスポートも持って行きましたし、彼らは当時の赤い表紙である私のパスポートを見て、“Oh, communist colour!”などと囃したてていたので、意外と緊迫感はありませんでした。とはいえ、海外でパスポートが手元にないというのは不安なものです。
15分後ぐらいでしょうか、入国審査官が戻ってきました。イラク人たちにパスポートを返し、カネを請求しています。彼らもカネが必要なら私も必要かと思い、財布を出そうとすると、彼らはなぜかその手を遮りました。私はなぜかカネを請求されることもなく、パスポートを返され、中にはルーマニアの通過ビザがしっかり押されていました。
案ずるより産むが易しという形で、ダニューブ・エクスプレスの行程で一番不安があった問題が解消されました(トラブルを期待していた皆さん、ごめんなさい)。旅のベテランであればよくあることなのかも知れませんが、パスポートとビザの区別もろくにできない、飛行機に乗るときの手続きも知らないビギナーであった当時の私にとってはたいへんなことだったのです。帰国後に知ったのですが、当時のルーマニアは、出国後の国のビザを持っていれば通過ビザは入国時に無料で取得できるとのことでした。ブルガリアのビザを取得していた(パスポートに張り付けてある)ので、無事で済んだ訳です。
続いて、荷物検査が始まります。また、長時間かかったら、と始まる前からいささかうんざりです。今度は、厳めしい制服に身を包もうとしても包みきれない巨大なオバちゃん検査官がやってきました(ソ連、東欧には男女を問わず立派な体格をされた方が非常に多数いらっしゃいます。体重計1台で測れる120キロを越えなければ許容範囲だということです)。オバちゃんがコンパートメントに入ると部屋の容積が減り酸素が足りなくなるので、私はコンパートメントの外に追い出されます。オバちゃんは私のベッドに座り、整理がまだ終わってないトランクを開けると、あっちこっちと手を入れては変なものが入ってないかを調べています。私は一人で勝手に緊張します。オバちゃんが座っている私のベッドが重みに耐えかねて「キー、キキキー、キー」ときしんでいるからです。ここでベッドを壊されたら私の寝る場所はありません。ソ連のホテルでよく起こるトラブルとして、突然テレビが火を吹くというのが有名でしたが(だから、ソ連のホテルに着くとまずテレビのプラグを抜いてました)、客の体重でベッドが壊れるということも日常茶飯事だということが思い出されます。ホテルにはベッドの修理工が24時間体制で詰めているそうですが、列車内にはさすがにいないでしょう。車中あと2泊、最高気温氷点下10度のモスクワからはかなり南下したといっても、暖房が効いているとはいっても、床の上は寝るには寒すぎます。一つの問題が解消されても、新たな問題が起こるかもなあ、と思いつつ見守ります。
幸い、今度は10分ほどで終了でした。オバちゃんは荷物をそう荒らすことなく、ベッドを破壊することもなく、何も言わずに去って行きました。ウンゲニー駅到着から5時間くらい経過していました。ようやく、私の人生最初の陸路の国境越えは終わりました。25時間あったダニューブ・エクスプレス2日目はようやく終わりました。オバちゃんの体重に耐えきったベッドをねぎらいつつ、私は眠りに落ちました。国境越えはあと2回待っています。
(列車はちっとも前に進んでいませんが今回はここまでです。話が前に進まないのは何もかも国境が悪いのです。私も長時間停止せざるを得ません)
片岡尚樹

カテゴリー: ブログ | コメントはまだありません »