2010 年 9 月 13 日
記録的な猛暑がもうしばらくは続くようですが,9月になりました.2学期も始まりました.高2で理科系志望の皆さんは,そろそろ数IIIに進む頃ではないかと思います.この数IIIはかつては「微分・積分」という名称がついていた科目で,数IIで学んだ微分法,積分法の内容を元に,扱う関数をやはり数IIで学んだ三角関数,指数関数,対数関数,さらには数IIIの冒頭で学ぶ分数関数,無理関数まで拡張していきます.ですから数IIの延長し深化させた内容であるとも言えます.
こう言うと数IIよりはるかに難しいのではないかと考えがちで,確かに本当に理解しようと思えば難しいのは事実ですが(大学に進学してからはきちんと勉強して下さい),これまで学んだすべての関数をすべて一元的に取り扱うという点で,多分野の内容を組み合わせないと問題が解けない数I・A・II・Bとは異なり,力任せに解いていくことが可能です.数I・A・II・Bはできないけど数IIIだけはできるという高校生,受験生もいるくらいです.
数IIIは冒頭に関数を少し扱った後に,極限,微分法とその応用,積分法とその応用の3つの大きな単元を順に進めていきます.この3単元すべてに共通して言えることは,とにかく計算力が重要であるということです.場数を踏むことが必要です.しかもどの単元の計算もかなり汚い結果が出てきます.ですから計算そのものはかなり複雑で根気が必要なものが多くなります.しかし,ひらめきがいらない分,それを完全に遂行する力さえあれば,得点につながるわけです.
あと,とりわけ積分のところで言えることですが,塾や学校の授業で扱った一問一問を大切にして下さい.積分では「この問題はこうでしか解けない」という解法がよく出てきます.三角関数の積分など式のほんの僅かな違いで解法がかわってきます.数IIIでは教科傍用問題集の問題がそのまま入試に出てきたりしてきます.そのときには傍用問題集を解いたときの記憶が無ければ解けないこともあるのです.
まだ,数IIIではない人は,まず今習っている(はずの)微分法,積分法をしっかり勉強しておいて下さい.もし余裕があるのなら,今のうち三角関数の加法定理あたりをきちんと復習しておいて下さい.加法定理は数IIIでは,とくに積分ではよくよくよく使います.
以上述べてきましたが,理科系学部の入試において数IIIはもっとも得点源にしやすい分野です.もうそう遠くはない入試に備えて着実な勉強を望みます.健闘を祈ります.
片岡尚樹

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2010 年 9 月 6 日
音読による速読力・リスニング力を伸ばすトレーニング方法
~普段のリーダーの予復習にちょっとプラスして
みなさんこんにちは.早くも9月に突入していますが,まだまだ熱いですね.残暑に負けないように頑張っていきましょう.今日は先日大津京駅前教室の高3生や草津駅前教室の2年生に紹介した音読トレーニング方法をハイスクールのみなさんに紹介したいと思います.
使用する教材
英語Ⅰレベルの語彙の検定教科書とそのテクストが吹き込まれたCD(自分が現在使っているまたは過去に使っていて,ある程度本文の意味が取れるものが望ましい.)
おすすめはPro-Vision E.C. I(桐原書店)
下準備として本文の意味をザーッと読んで大体の意味をとっておく.
音読活動によるテクストのintake
1. Pronunciation Check(2回)
ねらい:発音の確認とwarm-up
第1回 自力で音読.発音できない語や曖昧な語をチェックする.
第2回 CDで発音を確認してから再度自力で音読する.
2. Sight Translation
ねらい:意味を意識しながら音読 → 速読力の素地づくり
第3回 スラッシュで区切られた意味の切れ目(サイト)毎に音読し,同時に意味を意識して音読する.
第4回 徐々にスピードを上げ,1回ごとに区切るサイトの数を減らす(2~3サイトまとめてできるように)
3. Sentence Reading
ねらい:テクスト1文1文を英語の語順通りに理解し,解釈する → タイムロス防止
第5回 1文ずつ本文を音読する.
第6回 回を追うごとにfluencyとspeedを上げていく.
第7回 回を追うごとにfluencyとspeedを上げていく.
4. Speed Reading
ねらい:音読できる速度を極限まで速める → 速読力を一気にアップする
第8回 CDの読まれる速さ以内にテクストを読み切る(発音etcに気を使う必要はない.速さ命.)
第9回 CDの速度マイナス10 sec.以内に
第10回 CDの速度マイナス20 sec.以内に
第11回 自分の持てる最高速で
5. Rhythm Imitation
ねらい:英語の音韻変化やイントネーションに慣れる → 「読めない音は聞けない」;リスニング対策
第12回 CDの発音をモデルに英語らしいリズムで音読する.弱化や連結の音韻変化に注意.
第13回 回を追うごとにfluencyを上げることを意識する.
第14回 回を追うごとにfluencyを上げることを意識する.
6. Synchronized Reading
ねらい:音読活動の集大成としての確認作業
第15回 CDと全く同じ速度,発音で音読する.メニュー名の通りCDと「シンクロ」を意識.
第16回 回を追うごとに精度を上げる.
第17回 回を追うごとに精度を上げる.
7. J-E Translation Reading
第18回 日本語をサイトをみて英語のサイトを発音する(英文テクスト見ずに)
第19回 1回ごとに区切るサイトの数を減らす(2~3サイトまとめてできるように)
第20回 センテンス毎にJ-Eの訳ができること.(開成中学部卒塾生は「復元テスト」のイメージ!)
上記を20回に限らず,全タスクが達成できるまで音読活動を続けるべし.
継続は力なり.がんばろう!
仕上げの音読
Synchronized Readingを1回,自力で音読を1回して完了!
以上の手続きを踏んでリーダーで習ったことのある本文をしっかりと音読で自分の心的辞書にintakeすることにより速読力・リスニング力はもちろん,英語の総合的なスキルのビルドアップが可能になります.
決して手軽とは言えないけれど,本気で英語の偏差値70OVERを目指すのであれば,是非やってみて欲しいトレーニングです.

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2010 年 8 月 30 日
こんにちは、開成ハイスクール英語科の濱田です。
早いもので既に新学期が始まっている人もいるようですね。
みなさんは、この夏をどのように過ごしましたか?
毎日、塾や予備校に通いづめの人や、とにかくクラブ活動に没頭した人、様々な感想をお持ちでしょう。
夏休みにしかできない経験をされた人も数多くいるように思います。
私は小学生の時以来、行くことがなかった甲子園球場になんとなく行くことになりました。
最初は、どうせどこに行っても暑いのだから、どうせならとことん暑いところで一日を過してやれ。
そんな発想で、お散歩感覚で行ってきました。
久しぶりに来た、甲子園球場の外野スタンド。
第一印象は、球場ってこんなに狭かったっけ?というものでした。
しかし、そこには高校生の真剣な姿があり、ついつい見入ってしまいました。
結局試合の最後まで観戦し、何か久しぶりに熱いものを感じました。
高校野球がとかく注目を浴びがちですが、その他のスポーツの人も同じような熱い夏を過ごしたのではないでしょうか?
もちろん勉強の世界でも同じような熱い夏を過ごせた人も多いと思います。
2学期には文化祭や体育祭とイベントも多くなり、どうしても時間の制約が多くなります。
そんな状況下でも、しっかりと目標を持って、年末にかけても「熱く」過ごして欲しいです。
熱い人には自然と視線が集まるものだと思います。
どうせやるならとことん熱くいきましょう!!
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2010 年 8 月 23 日
こんにちは。今回は、英語Ⅰ・Ⅱ(英語リーダー)の勉強法についてお話しします。定期テストに向けての英語リーダーの勉強は、下に述べる7つのプロセスのうち、学校の授業を先取りして事前にできるものから、順次対策を進めていくことが望まれます。
①まず最初にしておくべきことは、そのレッスンに出てくる未知の単語・熟語をピックアップすることです。熟語に関しては、各ページの下に紹介されているものばかりとは限りません。本文中の「動詞+前置詞」「前置詞+名詞」等の表現で、そのままでは意味を解することができないような箇所は、特殊な意味を持つ熟語である場合が多く、念のため辞書で調べてみる必要があります。
このようにしてピックアップした単語・熟語表現はノートなどにストックし、定期テストまでの日数を考えて、1日何個ずつ覚えていけば間に合うかを算出し、それを毎日の暗記課題とします。この作業を開始する時期が早いほど、1日の単語暗記の個数が少なくなり、負担が軽くなることは言うまでもありません。
②本文に出てくる前置詞をチェックします。熟語を構成している前置詞以外にも、重要な前置詞の用法は必ず出題されます。もちろん、すでに当たり前に知っている前置詞の用法は除きます。その前置詞が空所補充問題になった場合を考え、暗記しておかなければできないと思われるものだけをチェックしていきます。また、その用法についてはやはり辞書で確認しておいてください。
③重要な接続詞の用法を確認します。訳し方や用法が決まっている接続詞については考える必要はありませんが、例えばasやthatなどはその用法が多いので、本文ではどの訳し方が最もふさわしいか、どんな用法として用いられているかを確認しておく必要があります。その際、英文法の参考書の「接続詞」の章を参照するといいでしょう。
④本文の準動詞(不定詞・分詞・動名詞)をピックアップします。準動詞の箇所は、その形を決定させる問題が出題されるほか、その用法が問われる場合もあります。従って、その箇所が「なぜ不定詞になっているのか」「なぜ過去分詞なのか」ということを考えた上で、その用法まで確実に理解しておく必要があります(例えば不定詞ならば副詞用法の「感情の原因」とか、分詞ならば「形容詞用法」など)。
⑤各レッスンの最後には、そのレッスンに出てくる重要な文法事項がまとめられているページがあります。その内容を理解した上で、それが本文で扱われている箇所を探し、日本語訳はもちろん、できればその箇所を英作できる程度まで暗記しておくといいでしょう。なぜならそうした箇所は、いわばそのレッスンの文法的なテーマとなる所であり、あらゆる角度から様々な形式で出題されることが予想されるからです。
⑥本文中の指示語(this, that, suchなど)、代名詞(it, they, that, oneなど)、代動詞(do)の示す語句や指示する内容を確認します。こうした箇所が出題されることは言うまでもありませんが、あらかじめ答えを用意しておくことで、解答時間の短縮を図ることができます。
また、英語長文の読解に際して一般的に言えることですが、指示語や代名詞などの指示内容を確認する作業は、おのずと「文脈(文意の流れ)」を意識することにつながり、それだけ内容理解がより円滑になるのです。
⑦本文の全訳を確認します。最終的にはこれができなければ意味がありません。これまで①~⑥の作業で行ってきた事項を再確認・復習しながら、本文を何度も何度も通読してください。その際、各ページのQuestionにも答えていきます。Questionそのものはあまり出題されませんが、やはり内容のポイント理解につながるからです。
また、学校で配られるリーダー準拠のプリントももちろん重要ですが、特に単語・熟語表現に関しては、その派生語・同義語・反意語などが紹介されている場合、必ず暗記しておいてください。
単語・熟語の同義語関係は、大学入試においても必ず出題される最重要項目の1つです。同じく定期テストを受けるならば、定期テストの対策をその時限りのものにするのではなく、最終目標である大学受験にとっても意味のあるものにしていくことが望まれます。定期テスト対策を、長期的な視点で大学入試対策の一環としてとらえた場合、リーダーに関しては、同義語関係を含む単語・熟語の知識の充実が、今からできる最も有効かつ確実な入試対策となります。

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2010 年 8 月 9 日
こんにちは。定期テストに向けての勉強法について、前回の私の文章に引き続き、今回も勉強に必要な「道具」の活用法をお話しします。
今回はまず、「参考書」についてです。これは、より上位を目指す人には必ず活用してもらいたいものです。
定期テストに向けては、やはりまず教科書内容の完成が基本となりますが、内容をより深く・広く理解するには、教科書だけでは不充分です。また、参考書では、授業での先生の説明とは違った角度、違った表現で解説されているので、内容のさらなる定着が可能になります。いわば、理解の最終完成版ですね。
一つの内容について、まずは授業(先生の説明および教科書)の理解から始まり、次に、その内容を、ノートを参照して自宅で復習・確認、そして最後に参考書の解説で、内容のさらなる定着と発展を図る、という流れです。その際、参考書の解説は、何度も何度も繰り返し読んでください。読んだ回数の分だけ、定着の度合いが増します。
定期テストでは、教科書及び問題集からの出題が大半ですが、参考書の内容(問題)もある程度出題され、それが上位者の点数の差となります。また、大学入試に向けて少しずつ準備をしていこうと思うなら、今のうちから参考書レベルの発展内容をマスターしておくことが望まれます。さらに上を目指す人は、ぜひ参考書をフルに活用してください。
内容を本当に理解できているかどうかを、自分でどのようにして確認すればいいのでしょう。そうです。実際に問題を解いてみることです。内容が充分に理解できたとしても、その問題が解けなければ意味がありません。その際、まずは教科書の問題や例題から取り組んでいくわけですが、それだけでは問題量としては不充分です。そこで、「問題集」が必要となります。ここでもその「当たり前」の使用法を確認していきますが、要は、あなたがそれをしている(今後していく)かどうかです。
理解を得点力に結びつけるには、教科書の問題だけでなく、さらに多くの問題を演習しなければなりません。そこで「問題集」が必要になるわけですが、ただ問題を解いて答え合わせをするだけでは、時間と労力のムダ使いになってしまうかもしれません。
まず、問題集で演習する前に、もう一度内容の理解と確認を行ってください(教科書・ノート・参考書を用います)。それをしないで、いきなり問題集に取り組むと、分からない問題がどんどんでてきて、問題を解くのがイヤになってしまいます。だから、この手順は必ず守ってください。
ひと通り問題を解き終わったら、答え合わせをしますよね。もし間違えた問題があった場合、あなたはどうしますか?
ここで、「成績アップの基本原理」についてお話しします。

図1の円の中の×印は、ある教科のある単元において、あなたが今、理解できていないか暗記できていない、または問題が解けない箇所を示します。その×印を、図2のように一つ一つ取り出して、○印(理解する、暗記する、問題が解ける)に変えていけば、当然ながら成績は必ずアップしますね。ところが、図1のように自分にとってどの部分が×印であるのか明らかになっていなければ、この基本原理は働きません。
ですから、この原理の出発点として、その単元の中で、どの部分がまだ×印なのかを、あらかじめ特定しておかなければなりません。その具体的な作業として、「問題演習」を行うのです。演習の結果、間違えた箇所こそ、あなたにとっての×印だと明らかになるわけです。
×印を具体的に特定できたら、図2の作業に移ります。間違えた問題の背景にはどんなことが問われているのか、その問題を解くためにはどんな知識や理解が必要なのかを確認し、その内容を教科書・ノート・参考書で改めて理解・暗記し直し、そしてその内容に関する問題をもう一度解いてみる。これを繰り返すことによって、図2のように×印が一つ一つ○印へと変わっていくのです。
<問題演習→間違った箇所の内容確認→その内容を再度理解・暗記→もう一度演習>
間違えた問題は、あなたが今、特にどこを復習すべきかを教えてくれ、あなたが確実に成績アップするきっかけを与えてくれるのです。この、成績アップの貴重な材料を手に入れるために、「問題集」の演習があるのです。

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2010 年 7 月 26 日
こんにちは。定期テストに向けての勉強法について、今回は基本的なテーマ、「道具」について、2回に分けてお話ししようと思います。
まず、表題の問いに対する答えは、少なくとも5つあります。考えてみてください。
分かりましたか?答えは「授業(先生)」「ノート」「教科書」「参考書」「問題集」です。「なあんだ。当たり前じゃないか!」そう、当たり前です。ではあなたは、これらの「道具」を正しく使っていますか?
「道具」の正しい使い方と言っても、何も特別なことではありません。当たり前に使えばいいのです。でも、当たり前すぎて、ついつい忘れてしまったり、おろそかにしている場合も多いのではないでしょうか。ここでは、各「道具」の「当たり前」の使い方について、改めて確認をしていきましょう(なお、「教科書」については、特に述べる必要もないと思いますので、ここでは省略します)。
勉強内容の理解において、まず基本中の基本となるのが、学校(塾)の「授業」をきちんと聞く、ということですね。不理解の原因の多くは、ここにあるように思われます。
特に苦手教科について、あなたは初めから「難しい」「分かるはずがない」という前提で授業を受けていませんか。もしそうだとすると、自分から理解しようとしていない、ということになり、分かるものも分からなくなってしまいます。そもそも、「その教科が苦手だ」と、誰が決めたのでしょう。あなたですね。では、どうして苦手なのでしょう。「分からない、できない」からだと思います。では、どうして「分からない」のですか?「えーっと、苦手だから」これでは答えになっていませんね。
苦手教科というのは、特に理由もなく最初から「苦手だ、嫌いだ」と思い込んでしまっている場合が多いようです。何の根拠もない単なる「思い込み」です。でも、そう思ってしまうと、その教科に対して前向きに取り組むことができなくなり、本当に「苦手、嫌い」になってしまいます。
最初から「苦手だ」と思うのは損です。まずはその「思い込み」を取り去ってください。そして、一度授業を真剣に、今までに無いほど真剣に受けてみてください。「分かるはずだ」と強く思いながら。もちろん、いきなりすべてが分かり始めるわけではありませんが、あなたの中で、何かがきっと変わるはずです。
それでも授業の中では、分からないこともたくさんあるでしょう。そんな時、あなたはどうしますか?「自分にも分かるはずだ」という確信を持っているならば、途中で投げ出したりはしないはずです。そう、「先生に質問する」ですね。
これまた当然のことなのに、分からないところを「先生に質問する」人ばかりとは限りません。どうしてでしょう。「分からないところが多すぎるから」「恥ずかしい」「叱られるような気がする」などなど…。理由は色々とあるようですが、質問することが多すぎるからといって遠慮する必要はありません。先生は教えるのが仕事(義務)なのですから。また、恥ずかしがったり、恐れたりすることもありません。先生は、むしろそんなあなたを歓迎して、きちんと教えてくれるはずです。あなたの質問にいいかげんに対処したり、叱ったりする先生は、教師として失格です。でも、そんな先生は少ないと思います。あなたが「分からない」と素直に訴えれば、気持ちは必ず伝わりますよ。あなたが「分かる」まで、とことん「質問」してください。先生をあなたの味方にして、どんどん利用してください。
授業を受ける際の心構えは、「自分にも分かるはずだ」という気持ちをもって、真剣に聞く、ということでしたね。もう一つ重要なことは「ノート」の活用です。
授業内容や黒板の板書をノートに書きとめる人は多いと思いますが、そもそも何のためにノートをとるのでしょう。その目的が分かっていなければ、ノートは全く意味がありません。中には、板書をノートに写すことだけに専念し、先生の説明をほとんど聞いていない人もいるようです。また、ノートに書き写しただけで勉強した(理解した)つもりになっている、という人もいるようですね。
何のためにノートをとるのでしょう。それは、授業で説明された内容を、自宅で復習するためですね。授業時間内に、すべての内容を頭に入れてしまうことはなかなか困難です。また、授業中に理解できたつもりでも、後になって忘れてしまうこともあります。そこで、授業内容が理解できているかをあらためて確認し、それをしっかり定着させるために、自宅での復習が必要となります。その際に、内容を思い出す手がかりとして、ノートを用いるのです。ですから、ノートは授業内容を自宅で再現できるように作らなければなりません。ノートをとったけれども、家でそれを見たときに何のことだか分からない、というのであれば、ノートをとった意味がありません。また、自分さえ分かればいいのですから、必要以上に丁寧に書かなくてもいいのです。
授業内容を後で思い出せるようにするには、ノートにどのように書けばいいのか、ということをよく考えて、ノートを作成してください。
以上、今回は、勉強に必要な道具として「授業(先生)」と「ノート」について述べました。残る「参考書」と「問題集」については、機会を改めてお話させていただきたいと思います。

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2010 年 7 月 20 日
毎日、蒸し暑い日々が続いています。とくに日本の、さらに大阪の蒸し暑さはただものではない凄まじさです。こんな日々が続くと、旅に出たくなります。というわけで、今回ははるか昔学生時代に行った旅行の話を書きます。
私は、今や世界史の教科書にしか登場しない国である「ソビエト連邦」に三週間行ったことがあります。東西冷戦(今や歴史用語になりましたが)の中、西側諸国の日本人が、東側の国家であるソ連に旅行するのは、ただならぬ困難がありました、というわけではありませんが、事前に、入国から出国までの全ての宿泊地と移動手段の予約を確保し(といっても代理店がしてくれることですが)、その支払いが完了した証明書を持って大使館へ行くとやっとビザが下りる(といっても代理店がしてくれることですが)という状況なので、準備には相当時間がかかりました。距離は近いですが、現在の韓国や中国のように「ちょっとそこまで」の感覚では行けませんでした。
季節は早春でしたが、シベリアはまだ冬でした。最低気温はマイナス30度くらいでした。とはいっても湿度も低く風もないので、思っていたほどの寒さは感じませんでした。シベリア鉄道にも三日間ほど乗っていましたが、暖房がきつすぎて暑いぐらいでした。そのため夜中の停車駅で涼みに出て鼻の中を凍らせて鼻血を出したり(なぜか私はなりませんでした)、冷たい飲み物を欲しくなるので、駅に売りに来るトナカイの未殺菌のミルクを一人一本飲んでお腹を壊したり(これも不思議なことに皆と同じように飲んだ私だけには何も起りませんでした、他の日本人たちが寝台車の中で、「うーーーーーーん、うーーーーーん、うーーーーーーーーん」とうなっている中、一人車窓の風景を眺めているのは本当に景気の悪い話です)などとよくある話だけで過ぎ去って行きました。
その後は中央アジア、今でいうウズベクスタンとトルクメニスタンに行きました。内側の壁やドアが全て木でできているプロペラ機に乗ったのもこのときです。当時のソビエト連邦では頻繁に墜落事故を起きていましたが、機体を見ればうなずける話でした。フライト中にコックピットのドアが大きな音を立てて開いたり、山にぶつかりそうになるたびに、大丈夫かと思っていました。窓際に座ると、すきま風が入ってきて風邪を引きそうになるのも困りものでした。今となっては淡々と書いていますが、当時も達観していたのか、感覚がマヒしていたのか、怖いとは全く感じませんでした(誰もがそうではなかったらしく、同行者の一人は途中でぶっ倒れてしまいました)。
まだまだ続くのですが、旅に出ることのメリットは何でしょうか。非日常の経験をするのも一つでしょう。あとは世界(もちろん日本も)広い半面狭いということを実感することではないでしょうか。いろいろな人たちに出会えます、いろんなものを見聞きします、そこから世界の広さを感じる半面、同じ人間なのだということを知ることで、世界の狭さを感じるかも知れません。少し次元が異なりますが、私はサンクトペテルブルクのホテルで、予備校時代に私の後ろの席に座っていた女の子にばったり再会しました。海外であった人に日本でばったり出会ったことも何度もあります。日本にも世界にもこんなに人間がいるのになぜと思います。どこにだれがいるかわかりません、悪いことはできません。
もちろん夏期講習もあります、宿題も山のようにあるでしょう、部活もあります。でもその合間にどこか旅に出るのはいかがでしょうか。私も夏期講習の合間にどこか(もちろん日本国内ですが)出かけてこようと思います。
片岡尚樹

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2010 年 7 月 12 日
受験生は原則的にアウトプットでしか評価されません。いくら自分は勉強をしているつもりでも、貧弱なアウトプットしかできなければ、入試には合格できませんし、いつまでたっても成績は伸びません。大学受験には努力賞はないとっても過言ではありません。(ただし、努力を無駄だと言っているわけではありませんよ。)ですから、インプットをするときも常にアウトプットを意識して行うことが大切です。
もう一つ、インプットの量が多けれべ多いほどいいアウトプットが生まれるわけではない点にも注意が必要です。いくら沢山の知識や情報を詰め込んだところで、頭の中で関連付けや整理ができなければ、肝心なときに必要な知識を取り出すことができません。
例えば、日本語に訳されないshould(仮定法現在と呼ばれる単元)を学習するのでも、「感情を含む形容詞・名詞」とともに使うパターンと「必要・重要・妥当などの形容詞」とともに使うパターンおよび「提案・命令・要求などの動詞」とともに使うパターンの間には試験で出される形式が異なってきます。後者はthat節内のshouldが省略可能なため、4択問題や語句整序(並び替え)で出題されるのに対し、前者はshouldが必ず入るので英作文での出題ななされやすい、など各単元の重要項目をただ覚えるだけでなく、「試験でどう出るか」、換言すれば「いかにアウトプットするか」の視点を添えて覚えるようにすると、みなさんの得点力UPにつながりますよ。
地味でしんどい暗記作業を少しでも快適に、楽しくやっていく方略をブログでハイスクール生のみんなに伝えていきたいと思います★
次回の私の記事は皆が苦手(と思われる)なリスニングの勉強法についてお伝えする予定です!
英語科
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2010 年 7 月 5 日
こんにちは。暑い日が続いています。ワールドカップも結果的には残念かも知れませんが、よくやったと思いますし、なにより寝不足に悩まされずにすみそうです。みなさん、体調管理はしっかりして、この夏を乗り越えましょう。
さて、話はガラリと変わりまして、今日はモノの値段について考えてみたいと思います。高校生になりますと、1日に1円も遣わなかったという日はほとんどないのではないでしょうか。特に暑いこの時期ですから、アイスやジュースという冷たいモノを買い求めることが多いでしょう。買い物上手な方であれば、少しでも安い店で購入することでしょう。当たり前のことですが、安い方がうれしいですよね。
先日、中3のある生徒が、夏の受験合宿の費用が高いから行きたくないと言っていました。(過去に参加してくれた生徒さんもかなりいるはずですよね。)よくよく話を聞いてみると、保護者の方は参加していいよって言って下さっているのに、本人がビビってしまって、値段を口実にしているようにも感じました。私も自分が中学生だった頃、7泊8日で、11万円という夏合宿を経験しました。(開成はこんな値段ではありませんから、ご安心を。)私も幸いなことに、親がお金を出してくれると言ってくれましたが、正直、その中3の生徒と同じようなことを口にした記憶があります。その当時の先生は、私にこう言いました。『高いモノになるか、安いモノになるかはお前次第や。』ということでした。
確かに当時の11万円は大金です。(もちろん、今でも11万円は大きいです。)さらに、こんなことを言われた記憶があります。
『同じ値段でも早く決心した方が価値が高く、安いモノとなる。』
どうせ営業トークだろうと当時の私は思いました。
では、今の私はどう感じているかといいますと、まさに言われた通りと感じています。その困難に自分から向かっていくという気持ち、そして合宿での空気。この2つは、非常に大きな糧となりました。気持ちや空気は目には見えないかもしれません。しかし、確実に人間が変わっていくキッカケになったと思います。年をとるにつれて、人間が変わるのは大変なことです。そう思えば、全然高いとは感じません。
みなさん、モノは安く買いたいですね。
濱田@弁天町教室
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2010 年 6 月 28 日
こんにちは。今回も、定期テストに向けての取り組みについて、お話しさせていただきます。テーマは「時間管理」です。
1日の中で、自分が思うように使うことのできる時間は、ごく限られていますね。この「限られた時間」を、定期テストに向けていかに有効に活用できるかが、成績アップの最大のポイントといっても過言ではないでしょう。
時間を有効に活用するには、「計画立て」が必要です。時間はお金と同じように、有意義に使うためには、手持ちの分量をどのように使うかをあらかじめ決めておかねばなりません。簡単に言えば、これが「計画立て」です。
例えば、ここに1万円あるとしましょう。このお金を最大限有効に使うには、あなたが今、何が欲しいのかを考え、その優先順位にしたがって、何にいくらずつ使っていくのかをあらかじめ決めておく必要がありますね。逆に、その場その場でお金を無計画に切り崩していくと、お金は知らないうちにどんどん少なくなっていき、気付いた時には本当に欲しいものが手に入らなくなってしまいます。
時間についても全く同じです。あなたの時間を何に使うのか、あらかじめ計画立てておかないと、せっかくの時間がムダに過ぎていくばかりです。そして、あなたが定期テストでの成績アップを本当に望むのなら、そのために時間を使うことを優先順位のトップに置くべきなのです。あれこれ時間を費やして、残った時間で勉強しようと思っても、おそらくその時点で時間は残っていないでしょう。まず、やるべきことを先に済ませ、残った時間で他のことをする、という優先順位を常にキープしてください。
そして、この優先順位を常に守っていくには、勉強する曜日と時間帯を、(できれば教科別に)あらかじめ設定しておくことも不可欠です。つまり、自学の時間割を作成するのです。主要教科である英・数、または不得意科目を中心に、○曜日の○○時~○○時はA教科を勉強し、△曜日の△△時~△△時にはB教科を勉強する、といった具合にです。この計画表(時間割)を見やすく大きな紙に書いて、机の前に貼っておき、さらに縮小版をもう一枚作って手帳などに入れておくか、携帯電話に書き込んでもいいでしょう。そうすれば、計画を自分でごまかしにくくなるし、この計画を常に意識できるからです。
計画表を作るときに心がけて欲しいのは、「決してムリな計画は立てない」ということです。実行不可能な計画立てをして、実際に計画通りに勉強ができなければ、自分自身や勉強そのものに対して「できない」というマイナスのイメージを持ってしまいます。これではますます勉強が嫌になってしまいますよね。大切なのは、最初はムリをせず「自分でもできそうな計画」を立てることです。初めはわずかな時間ずつでも、とにかく実行することが大事ですし、少しずつでも、今までよりは勉強するわけだから、効果は必ず出てきます。そして、自分で立てた計画を1日でも達成できたならば、それだけでも純粋にうれしいでしょうし、その時の達成感・満足感が、勉強に対するあなたのイメージを、徐々にプラスの方向へと変えていくのです。
最初に立てた計画がすっかり定着し、ムリなくスムーズにこなせるようになった時点で、少しずつ時間や回数を増やしていけばいいでしょう。
「自分でもできそうな計画」を立てても、やはり最初のうちは、それを実行するのがなかなか難しいかもしれませんね。そのつど、他にやりたいことはたくさんあるでしょう。それが現実かもしれません。
計画表では、今からあなたは英語の勉強をすることになっています。一方で、見たいテレビ番組がまさに始まろうとしています。さて、あなたはどうしますか?
「計画表を破るのはいやだけど、テレビも見たいよなあ…。よし、英語の勉強は別の日にまわして、今はテレビを見よう。」この人は果たして、今日の分を別の日に勉強するでしょうか。たぶんできないでしょう。別の日は別の日で、また他にやりたいことが出てきて、その時もやはりそちらを優先させてしまうかもしれません。これではキリがありませんね。
計画表を守る人と、他にやりたいことを優先させる人は、どこが違うのでしょう。それは「定期テストで点を取りたい」と思う気持ちの度合いです。
計画表(成績アップ)>他にやりたいこと
計画表(成績アップ)<他にやりたいこと
まさにこの違いなのです。計画表の勉強時間に、あなたが他にやりたいことがあれば、「成績アップ」と「他にやりたいこと」を天秤にかけて、あなたはどちらをより望むのかを考えてみてください。そして、それにもとづいて、どちらを選択するかを決めてください。
始終勉強ばかり、というわけにもいきませんよね。テレビも見たいし、インターネットもしたい。ゲームもあれば、友達と過ごす時間も大切です。だからこそ、勉強とのバランスをうまく保つために、時間の使い方の計画立てが必要となるのです。勉強時間と自由時間をあらかじめ分けておき、その線引きを明確にして、それぞれ集中し、それぞれ楽しむ。このメリハリこそが、毎日を充実して過ごす秘訣であり、これが、「自分の時間を管理する」ということなのです。

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